Category: Diary

谷に吹く風

ひさしぶりに、ブログをプチリニューアル。ヘッダの写真を変えてみた。スピティの、キー・ゴンパ。

この写真を撮った時は、ちょっと手間取った。当初は、トレッキングの出発地点でもあったこのキー・ゴンパまでジープをチャーターして移動し、ここでゴンパの撮影をした後に何日かトレッキングを行い、帰りは別の村からローカルバスでカザに戻るという計画だった。ところが、キー・ゴンパに着いた時は、あいにくの曇天。写真は撮れなくはなかったが、どんよりとして面白味に欠ける絵柄だった。

で、ガイドのタンジン(テンジンという名のスピティ流発音。ラダックではスタンジンと発音する)と相談して、帰りに天気がよかったら、バスを途中下車してもう一度キー・ゴンパに行って撮影をし、そこからどうにかしてカザに戻ろうと決めた。なぜだかわからないが、このゴンパの写真は、それだけの手間をかけてもしっかり撮る価値があると感じたのだ。

結果は、ごらんの通り。焦点距離12mm(35mm判換算で18mm)のレンズで、スピティの谷に屹立するゴンパを気持よく捉えることができた。考えてみれば、ここまでワイドな画角でうまく画作りできるゴンパって、ラダックには意外と少ないかもしれない。この日も晴れていたのは朝の数時間だけで、昼にはまた曇り空になってしまった。ツキにも助けられた。

今年の夏のスピティでは、ほかにも割と納得のいく写真が何枚か撮れたのだが、次に作る本のことなどもあるので、しばらくは出し惜しみしようかな、と思う。

雨の日曜日

朝からずっと、ざんざん、どばどばと、雨が降っている。ビニール傘を差し、外へ。リトスタで、日替わりランチのねぎとん定食とビールを注文し、しばしまったり。昼からビールを飲む、そこはかとない背徳感、イイ(笑)。

その後、デイリーズまで歩き、今日が最終日の「ダカフェ日記の小さな写真展」を見る。ひさびさに森さんや編集の酒井さんにご挨拶。今回の展示では、森さんのご自宅のリビングがほぼそのまんま会場に再現されていて、あの世界にすぽっと入り込んだような気分になった。写真ももちろん素晴らしかったし、会場で買った「続々 ダカフェ日記」にサインもしていただいたし、満足、満足。

帰りにはたかねに寄って、あんみつとお茶のセットを堪能。ひさびさに甘味への欲求が満たされた感じ。家までの道程は結構な吹き降りで、傘を差していても膝から下がびしょ濡れになってしまったけど、いい日曜日だった。

日常への帰還

日本に戻ってきて、一週間が過ぎた。今年の夏は、ラダックとスピティで二カ月弱ほど取材をして、いったん帰国してからまたアラスカに行ったりしてたから、ずっと旅ばかりしていたような気がする。

戻ってきたばかりの頃はなかなかネジが巻き戻らなくて、鍵を持つのを忘れたまま外に生ゴミを出しに行って、オートロックに阻まれてしばらく立ち往生したりという、いつもなら考えられないようなポカをやらかしたりした(苦笑)。そういうズレも、ようやく埋まってきただろうか。

来週からはまた、取材やら打ち合わせやらの日々が始まる。10月と11月には、ラダックをテーマにしたトークイベントをやることも決まった。自分の新しい書籍の企画も、そろそろスタートさせなければならない。旅の空気から完全に抜け出すには、もうしばらくかかりそうだけど。

荷造り再び

明日から、母の旅行の付き添いで、二週間ほどアラスカに行かねばならない。なので、今日はその荷造りをば。

今回の旅は期間も短いし、取材の仕事でもないので、ラダックに行く時に比べると荷物はだいぶ少なめ。寝袋も必要ないから、ひさしぶりにグレゴリーのデイ&ハーフパックを使う。この間買ったベルボンの三脚をフリースジャケットにくるみ、ゴアテックスのパーカ、ソフトシェル、トレッキングパンツ、替えの下着、洗面道具などを詰めると、ちょうどぴったり収まった。撮影機材は長年の酷使ですっかりボロボロになったロープロのカメラバッグに詰めたが、こちらもいつもよりは軽め。全体的にずいぶんコンパクトにまとまった。

先日、今回の旅を手配した旅行会社から電話があって、「ベテルスやカトマイに行く時に乗る小型飛行機には大型のトランクは積めないので、三、四泊分の荷物を入れるバッグを別に用意してほしい」と言われたのだが、僕の場合、全部の荷物が三、四泊分くらいしかない(苦笑)。ま、自分で全部ひょいひょい運べるくらい身軽なのはいいことだ。

帰国は9月14日(金)夜の予定。ではまた。

山ライオン

一昨日、MacBook ProのOSをSnow LeopardからMountain Lionにアップデートした。2009年にMacBook Proを買った時はSnow Leopardがリリースされた直後だったから、二世代分のジャンプアップということになる。

Snow Leopardは動作が非常に安定していた優れもののOSで、普段の仕事で使ってる分にはまったく不自由を感じてなかったし、かえって不安定になってしまったという評判だったLionに乗り換える気はさらさらなかった。その後、山ライオンになってだいぶ安定したという情報を聞き、iCloudを中心にしたデータのデバイス間自動同期(といっても使うのはカレンダーとアドレス帳くらいか)をやってみたかったので、意を決してアップデートしてみたという次第。

乗り換えた感想は‥‥可もなく不可もなくといったところか。細かい部分がいろいろブラッシュアップされてはいるけれど、たまに挙動がもたつく印象の時もあるし(三年前のノートだからある意味仕方ないが)。Safariからフォント指定とRSS機能が省かれたのにもびっくり。でも、しばらくいろいろ使ってるうちに、それなりに「こんなものかな」と馴染んできたのも確かだ。

次に一眼レフを(たぶんD800あたりに)買い替えたら、ディスプレイやストレージも含めた今のMacBook Proの性能では明らかに役不足なので、MacBook Pro Retinaに乗り換えて、Thunderbolt接続の外部ストレージも導入する必要に迫られるとは思う。そう遠くない将来に‥‥。とりあえず、その資金を稼ぐためにも、きりきり働かねば。