Category: Diary

「いいお客さん」になるために

昨日は丸一日、松戸で取材。日に4連チャンというのは、さすがにしんどい。帰りに寄り道して、しばらく前からよく行っているインドカレーの店で、晩ごはんを食べていくことにした。

店内は、大勢のお客さんでにぎわっていた。この店のお客さんのほとんどは、1人か2人で、店のウリのミールスやビリヤニをじっくり味わいに来る。でも昨日は、一番奥のテーブル席に、明らかに系統の違うグループが座っていた。4人がけのテーブル席に5人で座って(おかげで通路が狭くなって店員さんが苦労していた)、フードのオーダーは数皿のサイドメニューだけで、卓上には何本ものワインボトルとビールのジョッキが並んでいた。要するに、飲み会に使っていたのだ。騒々しい声で職場の内輪ネタをしゃべりあい、ゲハハハハ、と笑っていた。

飲食店の使い方としては、間違ってはいない。お店も、ほかのお客さんも、彼らに何かを言う筋合いはない。でも、お店にとって、彼らが「いいお客さん」だったかというと、そうは言えないと思う。

お酒をたくさん飲んでワイワイ楽しく騒ぎたいなら、居酒屋に行けばいい。ほとんどのお客さんがゆったり気分でカレーを食べに来る店で、わざわざ居座って酔っ払って騒ぐ必要はない。居酒屋なら、彼らも「いいお客さん」になれるだろうに。

滅びゆく職業

今の僕の仕事、ライターとか、写真家とか、そういう職業は、あと何十年か後には、滅んでいると思う。

つい最近、企業の決算サマリーを1日30本ものペースで自動的に量産できる人工知能「決算サマリー」が稼働し始めた。小説を書く人工知能の開発も進んでいる。少なくとも、昨年暮れに巷を騒がせたキュレーションメディアなどにパクリ記事を書いていたリライトライターの仕事は、あっという間に自動化されてしまうだろう。その方がコスパがいいから。

写真家の仕事の領域はしばらく前から狭まり続けているが、これからカメラの動画機能がさらに向上してくると、撮影という作業は動画がメインになって、写真は後で動画から静止画を切り出して作るもの、という扱いになるかもしれない。そうなると、撮り方も、捉え方も、見せ方も、何もかも変わってくる。撮影自体も、ドローンなどで完全に自動化されるかもしれない。

僕たちは、レッドリスト入りした、絶滅危惧種なのだ。黄昏の侘しさをひしひしと感じながら、それでも、人の書く言葉にしかできないこと、人の撮る写真にしか伝えられないことがあるんじゃないかと、一縷の望みをかけながら、あがいている。じたばたと、なりふり構わず。

三歩で忘れる鳥頭

仕事の関係先から、今時珍しく、CD-Rでデータを郵送してほしいという連絡が来た。部屋の中をあちこちガサゴソ探して、運よく未使用のCD-Rを1枚だけ発掘。データをコピーし、ラベル面に内容を書いておこうと油性マジックのふたを開けると、ぱっさぱさに乾ききっていた。そういえば、本にサインを入れたりするのには、最近はずっとぺんてるの水性サインペンを使っていたんだった。油性のやつを買ってこなければ。

夕方、冷え冷えとした空気の中、近所のコンビニへ。道すがら、そういえば明日は取材で午前中から出かけるから、朝起きてすぐ食べられるものを何か買っておかねば、と思い当たる。店に入り、照り焼きチキンと玉子のサンドイッチと、赤飯おこわのおにぎりをカゴに入れる。飲み物はどうしよう、明日の朝に近所の自販機で缶コーヒーを買う方がいいか、ほかに何か晩酌の肴になるようなものを買っておくか、燻製チーズがいいか、焼き辛子明太子もいいな、いやいや肴は我慢して節制するか……。

……おい。油性マジック。

当初の目的をすっかり忘れて、危うくそのままレジに行ってしまうところだった。鳥頭にもほどがある。

ジンジャーシロップ

子供の頃に苦手だったのに大人になると好きになる食べ物や飲み物はいろいろあるが、僕の場合、生姜もその中に入ると思う。小さい頃は「辛いだけじゃん」とか思ってた(でも豚肉の生姜焼きはご多分にもれず好きだった)けど、今は自炊する時も炒め物から煮物やスープまで結構何にでも生姜を入れてしまうし、コーヒーが期待できなさそうな喫茶店(煮詰まりきったコーヒーの臭いが漂ってる店とか)ではジンジャーエールを頼むことも多い。

実際、適量であれば、生姜は身体にも良いと思うのだ。生姜をコンスタントに摂取するうちに花粉症の症状が改善されたという人の話も聞くし。というわけで、前にデイリーズで見かけてちょっと気になっていた、ジンジャーシロップを買って使ってみることにした。

ポットにミルクティーを作って、ジンジャーシロップを大さじ2杯くらい。飲むと、生姜の香りとともに、ちょっとだけ舌にぴりっとくる感触。今、飲みながらこれを書いているのだが、明らかに身体がぽかぽかと温まってきている。すごいなこれ……。これはいい買い物だったかもしれない。

取材で遠出

午前中から、松戸で取材。朝のラッシュアワーの中、三鷹始発の東西線で移動。すぽっと運良く座れて、大手町までは体力温存。そこから千代田線と常磐線に乗り換え。何だかんだで、家を出てから2時間近くかかった。

どうにか取材を終えた後、松戸駅前でラーメンでも食べようかと思ったのだが、この寒風吹きすさぶ中、人気の店たちの前には長蛇の列。松戸って、そんなにラーメンの名所とかだったっけ? 列に並ぶ気力は残ってなかったので、マクドナルドですきっ腹を満たす。

来たのと同じ道のりをえっちらおっちら引き返し、スーパーで買い物とかして家に着いた頃には、もう夕方。今週、木曜と金曜に同じ松戸で、もっとたんまり取材がある。疲れそうだな……。