Category: Diary

通信途絶

月曜の午後、突然、自宅のインターネット回線がつながらなくなった。ひかり電話回線も。原因不明。機器のつなぎ換えなどもしていないのに。

とりあえず、通信業者(ソフトバンク)にスマホで問い合わせる。最近のサポート窓口はチャットでの対応が中心なのだが、そこでも原因はわからず、自宅内での機器の不調ではないかと指摘される。自宅の外での通信障害は、特に起こっていないという。マンションの管理会社にも問い合わせてみたが、同じマンションのほかの部屋からの問い合わせは来ていないという。となると、うちにある機器のトラブルなのだろうか。

ソフトバンク側でチャット窓口を二つたらい回しにされ、回線を所持しているNTTのサポート窓口に回される。すると。

NTT東日本故障受付(0120-×××-×××)です。確認したところ、通信ビル又はケーブルの故障が発生中です。復旧次第、連絡させて頂きます。

まじか……完全に、家の外での通信障害じゃないか……ソフトバンクとマンション管理会社の言ってたことと、全然違う……。

丸一日以上かかって、ようやく復旧したのだが、何というか……ほとほと疲れた。

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齋藤陽道写真展「神話 7年目」鑑賞。凄かった。何というか、生半可な言葉では表現できない……。身体が震えた。大いなるものへの畏れと、生まれゆく者たちに託された祈り。齋藤さんが長い歳月をかけて積み重ねてきた思いが、あの空間に凝縮されていた。3月27日から30日まで、4日間限りの写真展なので、未見の方は何をおいてもぜひ。

パスポートのオンライン更新

手持ちのパスポートの有効期間が残り一年を切った。今日から、新仕様のパスポートの受付が始まったので、さっそく申請してみた。

今回は、マイナンバーカードとマイナポータルを使うオンライン申請に挑戦。極端にわかりにくい場面はなかったが、洗練されているともあまり言い難く、いったい何度マイナカードを読み取らせるんだ、という感じのまどろこっしさはあった。あと、古いパスポートのICチップからiPhoneでデータを読み取る時、何度もエラーが出た。正直、半分あきらめかけたのだが、パソコンの近くや金属製の机の上とかだとエラーが出やすいらしい。木製の机の上に移動して再トライしたら、何度目かにどうにか成功した。顔写真のデータと署名の画像データは、あらかじめ所定の仕様で準備してスマホに入れておくと断然スムーズだと思う。

ともあれ、これでまた十年、新たにパスポートを使い続けることになった。僕はあと何度、パスポートを更新することになるだろうか。二回? いや、一回かも。何かの大病を患えば、このパスポートが最後になる可能性もある。自分には、そういう感じのカウントダウンが始まってるのだな、とあらためて自覚した。

「趣味」について

「趣味」という言葉を辞書で調べると、「仕事・職業としてでなく、個人が楽しみとしてしている事柄」とある。英語の「hobby」という言葉はこの意味には必ずしも当てはまらないようで、専門的な知識や技術を駆使したり、手間暇や時間をかけたりして、熱心に取り組むものを指すのだという。

僕の趣味は……何だろう? 映画鑑賞や音楽鑑賞は、趣味と言えるほど数をこなしていない。読書は……かろうじて趣味と言えるか、という程度。低い標高の日帰り山歩きも……最近はどうにか。自転車は……また復活させたいと考え中。自炊は……趣味というより、日々の家事か。いずれにしても、仕事の合間の気晴らしに近い。それはそれで必要なものだし、大切にしている時間でもあるけれど。

旅はどうだろう? 写真は? 文章を書くことは? 本を作ることは? 今の自分にとっては、どれも仕事だ。でも同時に、専門的な知識や技術を駆使し、手間暇と時間をかけ、情熱を傾けて取り組んでいる行為でもある。

好きで、楽しんで、知識や技術を駆使して熱中できることが、そのまま仕事になり、生き甲斐にもなっている。たぶん僕は、ものすごく恵まれた立場にいるのだと思う。

冬の高水三山


日々せわしないながらも、半ば無理やりに時間を作り、日帰り山歩きに行ってきた。今回の目的地は、奥多摩方面にある高水三山。軍畑駅を出発し、高水山、岩茸石山、惣岳山の三つの山を縦走し、御嶽駅に下りるルートを歩いた。西荻からは中央線と青梅線ですんなり往復できるので、アクセスは意外といい。


高水三山を歩くのは、実は二度目。最初に歩いたのは……2012年の6月(このブログで検索して調べた)。あの時は、曇っていて蒸し暑くて、登山道の左右に鬱蒼と草が茂っていた記憶がある。冬に来たのは初めてだったが、そこまで寒くもなかったし、トレイルには残雪やぬかるみもなく、歩きやすかった。


高水山の山頂の手前にある、常福院不動堂。軍畑駅からここまで、約1時間15分。主な登り行程はここまででほぼ終わり、あとは尾根と下りになる。


高水三山は、いずれの頂上も眺望はそこまで開けていなくて、登山道も大半は針葉樹林の中にある。絶景を求める人には向いていないかもしれないが、個人的には、こういうひなびた低山に何となく惹かれる。高くて眺めのいい場所に登るだけが、山歩きの楽しみというわけではないのだし。

今回のコース全体での所要時間は、ちょうど4時間。13年前に歩いた時も、ちょうど4時間だった(とブログで書いていた)。僕もそれなりの年齢のおっさんだが、13年前と同じタイムで普通に歩けているのには、正直、ちょっとほっとした。

時間差同時進行

なんだかんだで、せわしない日々が続いている。

今春に刊行される予定の新刊その1は、初校を戻し終え、来週からは外部の校正者さんを交えての再校のチェック作業が始まる。印刷所に入稿するまでに、印刷で使う写真のデータや色見本も準備しなければならない。発売に合わせてのイベントや展示、フェア、ノベルティなどの準備もある。

新刊その1の作業が小康状態の隙間時間は、今秋に刊行される予定の新刊その2の作業。原稿はほぼ仕上がっていて、全体を通してのリライト作業に移っているが、推敲にはもう少し時間をかけたい。こちらも台割の策定や写真の準備(データだけでなく紙焼きも印刷原稿に使う)など、いろいろやらねばならないことがある。でも、残された時間はそれほどない……。

その他にも、今夏のラダックツアーの準備や、企業案件や大学案件の書き仕事などが入ってきていて、いろんなものが時間差で同時進行している状態。スケジュールやTO DOをうまく管理しないと、うっかり何かを忘れてしまいそうな気がする。用心せねば……。

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ポール・オースター『4321』読了。毎晩、寝る前に少しずつ読み進めて、途中二度ほどフヅクエでも集中して読んだけれど、800ページ、88万字もあるこの大作、じっくり読んでいくと、やはり時間がかかった……。

ささやかな偶然の連鎖によって枝分かれしていく、アーチボルト・ファーガソンの四つの人生。どれもありえたかもしれないそれらの人生は、濃密な筆致で描き出される1960年代のアメリカ社会を舞台に、滔々と語られてゆく。この本の主人公は、四つのバージョンのファーガソンであると同時に、今も数多くの宿痾を抱えるアメリカという国の現実そのものでもあったのかなと思う。