タイ 旅の断片(1)

チェンラーイの街で

九月下旬から約四週間、取材の仕事でタイを旅していた。旅行用のガイドブックの改訂に必要な情報のリサーチと追加撮影という割と地味な内容の取材だったのだが、確認して回らなければならない場所が膨大な数だったので、ほとんど休みも取れないほどタイトなスケジュールでの取材になってしまった。いつもの個人的な動機の旅の時のように、異国で過ごす時間を一人かみしめて味わうような余裕はなかったし、旅の様子をなぞれるほどたくさんの写真は撮れなかったのだけれど、それでもちょっとした合間にかろうじて撮った写真を、ここで何枚か載せていこうかと思う。

旅のはじまりは、タイ北部の街、チェンラーイ。この街を訪れるのは13年ぶりだった。

サタデーマーケットで、パイナップルを切る女の子たち

毎週土曜の夕方になると、チェンラーイの街はサタデーマーケットと呼ばれる夜市で賑わう。露店で売るパイナップルを切って仕込んでいる女の子たち。

サタデーマーケットで、豪快に肉を焼くおじさん

どでかい肉の塊を豪快に焼いている屋台のおじさん。注文したら、切り売りしてくれるのかな? 丸ごとだとちょっと困る(笑)。

サタデーマーケットで、カメラに気付いてはにかむ女の子

お母さんと一緒にサタデーマーケットの露店に立っていた女の子が、僕のカメラに気付いてちょっとはにかんでいた。

ゴールデン・トライアングルにて

川を挟んで、タイ、ラオス、ミャンマーの三カ国の国境が接する場所、ゴールデン・トライアングル。かつてはアヘンの産地と交易の場所として悪名を馳せていたが、今は観光地となり、ラオス側とミャンマー側にあるカジノには大勢の観光客が群がっているという。

メーサローンで食べたワンタンメン

チェンラーイの西の山中にあるメーサローンは、中国の国民党軍の末裔が暮らす村。かつてケシの花が栽培されていた村の畑は、今は茶畑となり、村には茶葉を売る店や工場がいっぱい。雲南麺餃店という食堂で食べたワンタンメンは、あっさりした鶏ダシの味でうまかった。同行してくれたタクシーの運転手さんは物足りなかったらしく、唐辛子をバンバン入れてたけど(笑)。

夕刻、チェンマイの街角で

チェンラーイから南下して、チェンマイの街へ。ここも訪れるのは13年ぶり。しっとりとした雰囲気の古都で、個人的には好きな街だ。ただ、ずいぶん車の数が増えたような気もする。

ワット・チェン・マンで祈りを捧げる僧侶

ワット・チェン・マンという寺院で、荘厳な仏像を前に祈りを捧げている一人の僧侶がいた。

アヌサーン・マーケットにて

夜になると、チェンマイのナイトバザールやアヌサーン・マーケットの界隈は、多くの露店で賑わう。「ま、そんなにがっつかなくてもいいや」という感じの、どこかユルい雰囲気が漂っている。

美しい花のカービングが施された石鹸

目を疑うほど美しい、鮮やかな花のカービングが施された石鹸は、タイならではのもの。

ナイトバザールで売られていた色とりどりのランプ

ナイトバザールでは、アヤシイものやしょうもないものもたくさん売られているけれど、時々、こんなはっとするような光景にも出会う。

空き缶や針金で作られた三輪自転車

空き缶や針金を材料に作られたミニチュアの三輪自転車。好きだな、こういうの。

チェンマイで70年以上続く老舗のカオソーイ

チェンマイにはいろいろおいしい食べ物もあった。名物のカオソーイは、ココナッツミルクとカレー風味のスープに麺を入れ、トッピングに揚げた麺が載る。これはチェンマイで70年以上前から続いている老舗の店のカオソーイ。

チェンマイの名店、エスピーチキンのガイヤーン

チェンマイでガイヤーンといえば、エスピーチキンという店が有名。先頃移転して、今はワット・プラ・シンとオアシス・スパ・ラーンナーの間の道を入ったところで営業している。これまた安くてうまかった。

チェンマイのスターバックスのマンゴーチーズケーキ

チェンマイにはマンゴーチーズケーキという隠れた名物デザートもある。チェンマイ駅近くのアッパークラストカフェという店で作られているそうだが、ターペー門近くのスターバックスなどでも食べられる。レアチーズの中にマンゴーがこれだけごろごろ入ってたら、うまくないわけがない。

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