光の射す方へ

午前中から昼過ぎにかけて、書籍のデータ入稿のための連絡業務。ちょこちょこ細かいやりとりはあったものの、午後半ばには、すべてのデータが無事に入稿された。この後、版元と印刷会社との間で色味のチェックなどはあるものの、僕は晴れて、お役御免。長かった‥‥ふー。

夕方、駅前まで晩飯を食べに出かけ、帰りにいつものパン屋で、いつものパンを買う。夏至が近いからか、六時を過ぎてもまだずいぶん明るい。午後のうちに降っていた雨も、いつの間にか止んで、青空が見え始めている。

帰り道の途中にある交差点を曲がった時、西の雲間からパアッと光が射し込んできた。あまりに眩しくて、一瞬、全身が白い光に包まれて、宙に浮き上がったような気がした。僕の少し前を、一人の母親と、三人の子供たちが、横一列に並んで手をつなぎながら歩いている。その中の女の子が一人、「らんららーん、らんららーん」と歌いながら、男の子とつないだ手をうれしそうに振っていた。

光の射す方へ歩いていくその母親と子供たちを眺めながら、僕は、何だかすごく懐かしい気持を思い出したような気がした。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *