アイスからホットへ

残暑があまりにも長引きすぎて、まだまだ夏なのかなと思っていたが、気がつけば、もう十月。昨日あたりから暑さもようやく一段落したようで、日もずいぶん短くなってきた。

昨日から、朝のコーヒーを、アイスからホットに切り替えた。夏の間は、ぐっしょり寝汗をかいて目覚めた朝に、前の晩にいれて冷蔵庫で冷やしておいたアイスコーヒーを飲むと、ひからびた身体に沁みわたるようで、それはそれで旨かった。でも、朝、仕事机に座ってMacを立ち上げ、メールやら何やらに目を通しはじめる時間帯、傍らに置いて飲むのは、やっぱりホットコーヒーの方がいい。いれたての香りとともにカフェインが、ぐいん、と頭の隅々に行きわたる感じがするし、気分も落ち着くし。

自炊のメニューも、煮物とか八宝菜とか、季節の旬に応じて、だんだん切り替えていこうかなと思う。夏はもう、しばらくはいいや(笑)。

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日野剛広『本屋なんか好きじゃなかった』読了。ときわ書房志津ステーションビル店の店長として、出版業界でも有名な日野さんの初の著書なのだが、優しく飾らない人柄が行間にじんわりと滲み出ていて、とてもよかった。

実をいうと書くことは苦手である。いやお前、今こうして書いてるだろ、と突っ込まれようが、苦手なものは苦手なのである。<中略>ならば書くのをやめたらどうか? しかし、書きたいのだ。書くことが苦手なのに、好きだということに気づいてしまったのだ。

この一文が、とりわけ印象に残った。プロとして文筆を生業とする人の中には、「書くことは得意だけど、好きではない」という人も少なくないように感じるが、本来は日野さんのように「好きだから書く」というスタンスであるべきなのでは、と思う。自分自身も含めて。

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煎本孝・山田孝子『ラダックを知るための60章』読了。明石書店の有名なエリア・スタディーズのシリーズ200冊目が、なんとラダック。今となっては入手困難な膨大な史料を基に書かれているようで、ラダックの歴史や社会構造、伝統文化などの資料として、持っておいて損はない一冊だと思う。ただ、ざっと通読したところ、疑問に感じる記述もいくつか見受けられた。たとえば食文化の項では、モモについて「蒸し餃子はラダックの一般家庭では見られず、レーにある食堂で出される料理である」という明らかに間違った記述があった。これは著者のお二人だけでなく、編集や校正担当の方々による事実確認に漏れがあったからだろう。なので、この本を参照してラダックについて何か書く時は、ほかの資料とも照合して確認する必要はあると思う。

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