毎年10月はそのほとんどをタイ取材に取られてしまうので、今までずっと参加できないでいたインディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン。今年はその会期が約3週間に伸びたこともあって、タイからの帰国後、会期終了間際にすべり込んで、2作品を観に行くことができた。くしくもどちらもヴァルン・ダワン主演作。
一方は「ディシューム ~J&K~」。ジョン・エイブラハムとヴァルン・ダワンのダブル主演によるバディ・アクション・ムービー。ヒロインはジャクリーン・フェルナンデス。ナルギス・ファクリーやパリニーティ・チョープラーといったきれいどころのゲストのほか、アクシャイ・クマールがチョイ役で謎の怪演(笑)。監督はヴァルンの兄でもあるローヒト・ダワンだそう。
中東の某国で開催されていたクリケット世界大会のさなか、インド代表チームのエース、ヴィラージが誘拐されてしまう。誘拐犯に身代金を要求されたインド政府は、型破りの刑事カビールを単身現地に派遣。カビールは現地で出会った新米の刑事ジュナイドをパートナーに、犯人の正体を探りつつ、ヴィラージの行方を追うが……。
ストーリー自体はとてもシンプルで、変にトリッキーな仕掛けは全然ない。車やバイクや船、はてはヘリコプターまで駆使したアクションシーンは確かに贅沢だったが、クライムアクションとしてだけ見ると割と普通だし、そんな都合のいい展開はさすがにないでしょ、的な部分もそれなりにあった。でもまあ、別に全然気にならない(笑)。この作品の一番の魅力は、カビールとジュナイドという(やたら大胸筋のごつい)二人のヒーローが、軽妙な掛け合いをしながら犯人を追って全速力で突っ走っていく、その爽快感に尽きるからだ。
鑑賞前にTwitter上で見た他の人の感想に「ヴァルンが芝犬的なポジションで好演」とあったので、どんな役回りなんだ、と楽しみにしてたのだが、観て納得。あれは芝犬(笑)。最高のハマり役だった。本国でも結構ヒットしたそうなので、第二弾も作られるんじゃないだろうか。芝犬の再来に期待。