僕は普段、缶コーヒーとかを除くと、コーラなどの清涼飲料水の類はほとんど飲まない。ところが、海外に旅に出かけると、結構頻繁に口にする。これには一応、僕なりの理由がある。
ある程度の長い期間、異国での旅を続けていて、一日三食、ローカルな食事ばかり続けていると、何だかんだで、だんだん疲れてくる。たとえば、初めて訪れた土地の食堂であまりよくわからないまま料理を注文して、想像していたのと全然違う材料や味の料理が出てくると、結構ヘコむ。そういうハプニングもまあ旅の一部なのだが、いつも毎食ごとにそんなチャレンジをくりかえしていると、それなりにストレスもたまってくる。
でも、食事の時に何か一つでも自分の知っている味のものがあると、それに関しては想定内の味ということで、ストレスなく、ほっとした気持で味わうことができる。それはたとえばコーラだったり、大きな街ならファストフードチェーンの味だったりするだろうか。いずれにしても、食事の時に「チャレンジしなくていい、想定内の味のものを口にできる安心感」というのは、長旅の中でメンタルを安定させる上で、結構重要なことだと思うのだ。少なくとも僕にとっては。
別に、ちゃんとした日本食とかでなくても全然構わないのだ。自分の知っている想定内の味をちょっとでも口にできれば、それで十分。1杯のコーラで気持をリフレッシュさせて、再び現地の味にチャレンジしていく。そんな食事のくりかえしを、僕は自分の旅の中で続けているように思う。