今年、4月末から5月上旬にかけて、東京と大阪で開催されている、南インド映画祭。都合が合う日にどれか観に行こうと、各上映作品の予告編動画を見ていて、これは相当面白そうだな、と思ったのが、タミル語映画の「レモ」。で、昨日、観に行ってきた。
うだつの上がらない役者志望のSKは、オーディションで出会った映画監督に、次回作の主人公にはナースの女装をさせるという話を聞く。街の中で見かけて一目ぼれした女性、カヴィヤに婚約者がいることを知り、失意の中でナースの扮装をして監督に会いに行ったSKは、帰りのバスの中で偶然カヴィヤと話をするようになり、彼女が医師として勤める病院で働かないかと誘われて……。
いやー、楽しかった。ありとあらゆるところに「いやいやいや」とツッコミたくなるポイントが満載なのだが、それ自体が面白いというか、この映画の魅力になっている。いい意味での「おやくそく」がたっぷり用意されている安心感。シヴァカールティケーヤンのナースの扮装と演技は異様に完成度が高くて、ちゃんと品があるのもよかった。まさかの「PK」オマージュもあったり(笑)。笑ったり、ハラハラしたり、ひゃーっとなったりをくりかえして、観終わった後に包み込まれる、何とも言えない多幸感。こういうのが、インド映画ならではのよさの一つだよなあ、とあらためて思う。
「レモ」は、来週8日(月)と11日(木)にも上映されるそうなので、興味のある方はぜひ。