僕らはみな、誰かから受け取ったバトンを手に、何処かに向かって走り続けている最中なのだと思う。
何かを諦めるしかなかった人。この世界から立ち去っていく人。いろんな人から手渡されたバトン。受け取った、と勝手に思い込んでいるだけのバトンもあるかもしれない。それでもそれは、人が走り続けようとする理由にはなる。
そうして、しゃにむに走り続けていた人にも、いつかは、別の誰かにバトンを手渡さなければならなくなる時が、必ず来る。
だから僕は、いつか自分にその時が訪れるまで、走れるだけ走り続けようと思う。どんなにのろくて、ずっこけたりして、みっともなかったとしても。次の誰かに、バトンを手渡すまで。