夕方、駅前の定食屋へ。味噌かつ定食を注文。
僕が座った席から通路を挟んで隣にある四人掛けの席に、若い女の子が一人で座っていた。その子はテーブルに上半身を預けてスマホをいじっていたようなのだが、女性の店員さんが、その子の注文したとんかつ定食のお盆を持ってきても、何の反応もない。どうやら、テーブルに突っ伏したまま寝てしまったようだ。
「‥‥お客さん、お客さん」と、女性の店員さんが二、三度肩を揺すったのだが、その女の子はまったく起きようとしない。よほど眠かったのか、それとも花見帰りで酒が入っていたのか。で、店員さんは定食のお盆をテーブルに置き、そのまま厨房に戻ってしまった。それにもちょっとびっくり。
どっちもどっちだなあ、と思いつつ、僕は自分のごはんをもぐもぐ食べていたのだが、やっぱりこういう場合、お店の人は、ちょっときつめに揺さぶって大きな声をかけてでも、女の子を起こすべきだったのでは、と思う。だって本人にしてみれば、うら若き乙女なのに、とんかつ定食が冷めるがままになってる状態でテーブルに突っ伏して爆睡してるなんて、とんでもない赤っ恥の晒しもん状態だし。
彼女ととんかつの行く末がどうなるのか、ちょびっと気になりつつも、僕は店を後にした。