今日も淡々と仕事。〆切までに全部片付けられそうな目処が立ったこともあって、夕方、外に出かける。新宿の東急ハンズで、旅行用の小さめのカバンを買おうと思ったのだ。来月、頻繁に地方取材に行くことになりそうなので。
三鷹駅まで歩いて、総武線始発の上り列車に乗る。座席に腰を下ろしてiPhoneをいじくっているうちに、ベルが鳴り、列車が動きはじめた。駅を出てしばらくして顔を上げると、僕ははっとした。
なんて、きれいな景色なんだろう。
太陽が沈んだ直後、ほんの数十分間だけ訪れる魔法の時間——マジック・アワー。空に残る仄かな夕陽の残滓。限りなく影の存在しない時間。見慣れた沿線の風景のはずなのに、こんなにも美しいとは。
自分は、この世界で生きている。当たり前といえば、当たり前すぎることだけど。