フェアーグラウンド・アトラクション「Kawasaki Live in Japan」

冬になると、フェアーグラウンド・アトラクションが無性に聴きたくなる。

彼らが活動していたのは、もう二十年以上も前だ。最初のシングルとアルバムがともに全英チャートで一位を獲得し、とてつもないバンドが出てきたと思ったら、二年後には解散してしまった。エリオット・アーウィットが撮影した有名な写真をジャケットにあしらった「The First of a Million Kisses」は、僕も学生の頃によく聴いていた。当時、学生寮で一緒だった先輩や友達や後輩たちが、入れ替わり立ち替わりやってきては、「これ、ダビングしたいから借りていい?」と言ってたっけ。

2003年になって突如発売されたこの「Kawasaki Live in Japan」は、1989年にクラブチッタ川崎で行われたライブを収録したものだ。このアルバムは本当に奇跡のような出来で、エディ・リーダーの歌声も、ギターやギタロン、ドラムの演奏も、何もかもが神がかっている。こんな凄いバンドがたった二年で解散してしまったなんて、本当に惜しいと今でも思わずにいられない。

寒い日の午後、彼らの「Allelujah」を聴くと、自分もふと、遠い昔のあの頃に引き戻されるような気がする。

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