器用貧乏

今の段階で書かなければならない原稿はとりあえず形になったので、今日は比較的のんびり。とはいえ、明日は日帰りで仙台まで取材に行かなければならないので、気を抜いてもいられない。

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僕の仕事上の肩書は、フリーランスのエディター、ライター、そしてたまにフォトグラファーということにしている。得意分野も色々で、「ラダックの風息」のような旅モノの本も作れば、「リトルスターレストランのつくりかた。」のような取材ベースのノンフィクションも書くし、広告やデザインのクリエイターへのインタビューとか、Web絡みのテクニカルな企画とかも請け負う。「いろんな仕事をされてるんですね!」と言ってもらえることもあるが、自分では、器用貧乏に陥っているのではないかなと感じている。

とはいえ、本作りの世界では、器用貧乏は決して悪いことばかりではない。特に編集者の立場だと、いろんな得意分野やスキルを持っていることは、企画の幅を広げるし、他の専門職のスタッフと作業する時にもプラスに働く。僕が学生時代に出会って、今もお手本にしている編集者の方々も、何でもこなせるスーパーマンのような人たちだった。

それに本作りで一番大事なのは、「何ができるか」ではなく、「何を作りたいか」「何を伝えたいか」ということだ。自分が作りたい本を作るのに、いくつものスキルが必要で、それを肩代わりしてくれる人がいないのなら、自分でやるしかない。でなければ、その本はこの世に生まれない。「ラダックの風息」はその典型的な一冊だった。

まあでも、「自分は専門職じゃないから」という言い訳をしているようではダメだ、とも思う。編集にしても、文章にしても、写真にしても、それぞれの道のスペシャリストに負けないようにスキルを磨かなければ‥‥。やるからには、本気でやる。目指せ、脱・器用貧乏。

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