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拙著6作品の電子書籍化のお知らせ


これまで紙の書籍のみで販売されていた拙著の6作品が、いっせいに電子書籍化されました。AmazonのKindleのほか、主要な電子書籍プラットフォームで販売を開始しています。

『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』

『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』

『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』

『ラダック旅遊大全』

『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』

『旅は旨くて、時々苦い』

紙の書籍は置き場所がかさばるので……と、これまで二の足を踏まれていた方、もしいらっしゃいましたら、この機会にぜひ。

再読の日々

六月頃からひっきりなしに稼働し続けていたエアコンも、ようやく出番がなくなってきた。ガーゼの肌掛けが掛け布団になり、部屋着がTシャツと短パンから長袖スウェットの上下になり、朝のコーヒーがアイスからホットになり、近所を出歩く時の靴がサンダルからスニーカーになった。マンションから外に出ると、金木犀の匂いがふわりと漂っていた。やっと、秋らしくなった。

金子書房のnoteで、「流離人の耽読」という読書エッセイの連載を始めた。その準備の関係もあって最近は、本を読んでは連載の原稿を書くという、今までにないルーティンで仕事をしている。これが、思いのほか新鮮で、面白い。基本的に月二回更新なので、読んで、書いて、また読んで、と結構せわしなくて大変ではあるのだが、今まで書いてきた紀行文とはかなり違うスタイルの文章に挑戦していることもあって、充実感がある。何事もやってみるものだな、と思う。

連載の性格上、エッセイで取り上げるのは、かつて何度か読んだことのある本の再読である場合がほとんどなのだが、ひさしぶりに再読すると、当時心を動かされた言葉に再会してまた感動したり、以前は気付かなかったことにふと気付いたり、いろいろな発見がある。本を読むという行為自体の面白さも、再発見できているような気がしている。

せっかくの取り組みなので、がんばって、できるだけ長く連載を続けていければ、と思っている。

近所の図書館

この間、近所の図書館に行って、本を借りた。仕事で、二冊ほど児童書に目を通さなければならなくなり、カーリルで調べてみたら、家から一番近い図書館に在庫があるとわかったので。

家から歩いて15分ほどのところにあるその図書館を利用したのは、今回が初めて。図書館自体を利用したのも、ずいぶんひさしぶりだ(ラダック関連の資料本など図書館にはまずないし、そうした本自体、自分の書いた本以外にあまりないし)。平日の午前中でも、意外に利用者がちらほらいる。必要な本はすぐに見つかった。館内のパソコンで利用者登録をして、バーコードの付いた利用者カードを作ってもらう。本を貸し出してもらう時の手続きも、バーコードでピッピッ、とすぐに終わる。昔、学校にあった図書館の本には、表3の見返しの部分に手書きで記入する貸出カードを入れる紙ポケットがついていたが、ああいうのはもうないのだろうか。

近所の図書館、自分が興味を持てそうな本がもう少しあれば、引き続き利用してみたい気もするのだが、それには蔵書数が少々心もとない印象。これからしばらくの間、仕事でいろんな本に目を通すことになりそうなので、ドンピシャで在庫があれば、その時はまた……という感じかな。

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栖来ひかり『時をかける台湾Y字路 記憶のワンダーランドへようこそ』読了。台北を中心に著者自らが足で探し出した数々のY字路のルーツを、古地図や資料と重ね合わせながら紐解いていった、不思議な雰囲気の街歩きガイド。よく調べて書かれていると思うが、先に台湾で刊行された本をもとに日本オリジナル版として作ったからか、台北各地の地名などがある程度頭に入っていないと、少々とっつきにくいかなと思う(僕自身も苦戦した)。台湾が好きで何度も訪れている人には、ちょうどいいのかもしれないが。

『流離人のノート』

『流離人のノート』
文・写真:山本高樹
価格:本体2200円+税
発行:金子書房
四六変形判 304ページ(カラー54ページ)
ISBN 978-4-7608-2700-8
配本:2025年10月16日

2023年夏から金子書房のnoteで2年弱ほど担当した連載エッセイが、書籍化されることになりました。連載分のほか、単発で執筆したエッセイと書き下ろしを加えています。収録している写真の約3分の1は、20年以上前にフィルムカメラで撮影したもので、カバーの写真もそのうちの1枚です。

これまでに書いてきた本の中でも、自分にとっての「旅」という行為に、もっとも真正面から向き合った一冊になっていると思います。ポルべニールブックストアでは、特典小冊子付きサイン本のオンライン予約を受付中です。よかったらぜひ。

台風に振り回されて

明日から三週間ほど、インドのラダックに行く。ツアーガイドの仕事と、個人での取材も少々。

実は今週、渡航に関するドタバタで、結構大変だった。当初、出発日の土曜には何の影響も及ぼさなさそうだった台風9号の進路が、日を追うごとに日本列島寄りに変化。水曜夜の時点では、羽田空港が土曜朝に強風域に入りそうな予報が出て、航空会社からも振替便の案内が出されるほどだった。僕も旅行会社といろいろ検討して、どうにもならなさそうなら、出発を一日早めて金曜にして、デリーで二泊する形にしよう、という話にまでなっていた。

出発前に国内で片付けとかなきゃいけない仕事も結構あったので、もし、急に出発が一日早まってしまうと、相当せわしないことになる。その上、今回は特に用事もない雨季のデリーで一泊余分に泊まるのは、正直、かなり気が重かった。

昨日の朝の時点では、もうほとんどあきらめていたのだが、昼頃に出た台風情報を見ると、台風の速度が少し速くなって、進路も少し東に逸れはじめていた。土曜の天気予報も次第によくなりはじめて、これなら飛行機にもほぼ影響はないのでは、という状態にまでなった。旅行会社からも連絡が来て、とりあえず当初の予定通りに動いて、それでもし欠航になったら、日曜は確実に大丈夫そうなのでそちらに振り替えましょう、という結論に。

ふう……それにしても今年は、いろんなことが起こるなあ……。

というわけで、しばらく留守にします。帰国は八月下旬の予定。では。