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黒船と金目鯛


連休中、伊豆半島の下田に一泊二日の旅行に行ってきた。台風17号の接近でどうなることかと思っていたが、行動時間中はほとんど雨に降られることもなく、下田の街をのんびり散策することができた。

宿は以前から友人たちにおすすめされていた、蓮台寺の金谷旅館に。千人風呂と呼ばれる巨大な総檜風呂で有名な宿で、実際に入ってみると、小学校のプールかよと思うほど大きい。特に、人の少ない朝方に入った朝風呂が最高に気持ちよかった。部屋もひなびた雰囲気の和室で、ゆっくり骨休めすることができた。

下田の街でどこを歩いていても目についたのは、黒船とペリーにまつわる案内板やスポット。街を挙げてのペリー推しっぷりに、かなりびっくりした。もう一つ、猛烈にプッシュされていたのが、金目鯛。みやげ物屋には、開きや切り身の真空パック、味噌漬や西京漬、干物に煎餅などなど、ものすごい数の金目鯛のバリエーションが並んでいた。「I♥IZU」というロゴステッカーのハートの部分に2匹の金目鯛の写真があしらわれてたのには、そこまで金目愛が深いのかと笑ってしまった。

実際、金目鯛、本当にうまいのである。煮付けや刺身、丼など、毎食のように金目鯛をたらふくいただいて、一生分とまではいかなくても、五年分くらいは食べられた気がしている。他にもおいしいものがたくさんあって、調子に乗って食べまくったので、たぶん、2キロくらいは太った(汗)。さすがにやばい。明日からちょっと絞らねば……。

ともあれ、港町散策と温泉と、金目鯛とで、いいリフレッシュになった小旅行だった。

「PEAKS」2019年10月号

9月14日(土)発売のアウトドア雑誌「PEAKS」2019年10月号の巻頭特集「ニッポンのロングトレイル」で、海外のロングトレイルを紹介するコーナーに、4分の1ページ程度の扱いですが写真と情報を寄稿しています。僕が紹介したのは、スピティとラダックの間を結ぶパラン・ラ・トレックについて。少なくとも、マニアック度では群を抜いていると思います(笑)。

書店で見かける機会がありましたら、お手にとってご一読いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

夜更けのジントニック

先週の土曜日、九品仏のD&DEPARTMENTで、新しいグラスを買った。背高で縁の薄い、ビールとかを飲むのによさそうなタンブラーだ。もちろんビールを飲む時にも使おうと思っているが、うちでの主な用途は、ジントニック。先々月に手に入れたアイル・オブ・ハリスジンがたいそう気に入ったので、よりおいしく飲めそうなグラスを探していたという次第。

アイル・オブ・ハリスジンは、スコットランドのハリス島にある蒸溜所で造られているジンで、ボタニカルの一つにシュガーケルプという昆布を使っている。飲んでみると、味がするのだ、昆布の。氷を入れた背高グラスにハリスジンを注ぎ、その2、3倍の量の炭酸水を注ぐ。口に含むと、爽やかなのに、ほのかな甘みと旨みがある。グラスの形や縁の薄さも、ずいぶん味や気分を左右するものだなと思う。

夜更けに背高グラスで飲む、ジントニック。ささやかな愉しみが、一つ増えた。

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ブルース・チャトウィン「ソングライン」(新訳版)読了。いつか文庫化されたら買って旅先で読もう、と思い続けていたのだが、なかなか文庫化されないのでハードカバーを買った。紀行本というより、旅の時間、過去の記憶、古今東西の文献に記された言葉など、無数の断片を虚実ない交ぜに繋ぎ合わせて、人はなぜ旅をするのか、その理由を追い求めた、彼の思索の書だと思う。個人的には、以前読んだ「パタゴニア」の方が、より破天荒で自由自在な印象があって、好みかも。いつの日か「ソングライン」が文庫化されたら買い足して、旅先で暇を持て余した時に、またゆっくり読み耽りたい。

少し離れてみる

たぶん来年は、僕はラダックには行かないことになると思う。

理由はいくつかある。今年すでに2回、合計2カ月半近く滞在していたということ。いろいろ問題があって、来年はラダックでツアーガイドの仕事はやらないということ。今の時点で、ラダックで何か撮ったり書いたりしたいと思えるテーマが見当たらないこと。そして、先日から急激に悪化した、カシミール情勢のこと。

もちろん、外部から仕事としてラダックの取材を依頼された場合は即座に検討するし、実際、来年はともかく再来年以降はそういう取材が発生する確率が非常に高いのだが、とりあえず来年はラダックには行かないことになるだろう。……インドの別の地域には、来年もほぼ間違いなく行くことになるんだけど(苦笑)。

ラダックでは今年の初め、もうこれ以上は無理というくらいの取材を徹底的にやり切ったという感触は自分の中にあるので、少し離れてみてもいいのではないかと感じている。しばらくは、その取材の成果を形にする作業に集中して取り組みたい。

あとは、アラスカだな。今年はアラスカに行く時間が取れなかった。来年こそは、あの原野に戻りたい。

どうにか帰国

約1カ月のラダック滞在を終え、東京に戻ってきた。

折悪く台風が日本付近に発生したということで、デリーからの帰りの飛行機はどうなるのかしらん、とかなり不安だったのだが、とりあえず出発は定刻通り、到着は1時間半遅れと、どうにかこうにか辿り着いた。最後の方は、成田上空をぐらぐら揺れながらぐるぐる回り続けて、だいぶ気持ち悪かったけど。あ、あと、機内の各座席のモニタ、システムエラーとかで道中ほぼ全落ちという、安定のエアインディアクオリティ(苦笑)。それでもまあ、前回の14時間ディレイを思えば、だいぶましか。

何はともあれ、ただいまです。ふー、やれやれ。

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ジョージ・オーウェル「一九八四年[新訳版]」読了。世間でもよく話題になっているが、この本で描かれている世界、今の日本の社会にあまりにもそっくりで、身の毛がよだつ。今の政府与党を支持するという人にこそ、読んでほしいと思う。