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変わらない味

午前中、有明方面で取材。終わった後、銀座に向かう。三井昌志さんの写真展がキヤノンギャラリーで開催中だったので。ちょうど関健作さんもいらしてて、3人でしばらく話をしたり。

銀座で何かおひるを、と思って、そういえば前に閉店したニューキャッスルが、新オーナー&別の場所で復活していたはずと思い出し、行ってみた。店の雰囲気は前とはずいぶん変わっていた(そりゃそうだ、前の古い建物の雰囲気は独特すぎた)が、味は昔食べたあの辛来飯(カライライス)と同じだった。

その後は神保町に移動し、これまた昔からある喫茶店、さぼうるで、生いちごジュースを飲んで休憩。さかいやスポーツでアウトドア用のシャツやアンダーウェアを物色し、早めの夕食に、これまた古株のスヰートポーヅで餃子中皿定食。

今日行った店で口にしたのは、どれもこれも、昔から変わらない、懐かしい味の料理だった。流行に乗ったり、奇をてらったり、世の中にはいろんな食べ物を出す店があふれているけれど、ずっと変わらない味を作って出し続け、それを支持し続ける人も大勢いるというのは、やっぱりすごいことだと、しみじみ思う。

さくら、ひらひら

昨日は昼から代々木公園で、吉田友和さん主催の旅人花見にお邪魔させてもらった。空はどよんと曇っていて、たまに、ぽつ、ぽつと降っていたけれど、花見をするには何とか大丈夫だった。人もそこまでめちゃめちゃ多くもなくて、かえってよかったかもしれない。

桜は、ちょうど満開で、少し強い風が吹くと、ひらひらと白い花びらが舞い落ちてきた。ビールを飲もうとして缶を持ち上げたら、手の甲に花びらがくっついていたり。しばらく待っていると、手のひらの中に、3枚、4枚と集まってきた。そのみずみずしさと儚さに、何だか切ない気分になる。

一年後、またこんな風に、桜の樹の下で花びらを手に取れるといいな、と思う。

「この世界の片隅に」

昨年暮れからずっと観に行きたいと思っていた映画「この世界の片隅に」を、ようやく観ることができた。公開されてからずいぶん日が経ったのに、映画館はぎっしり満席。聞くと、年明けから、各地で上映館が大幅に増えたそうだ。興収は10億円を突破し、「キネマ旬報ベスト・テン」では日本映画の第1位に選出。日本の社会にまだ、こうした作品が受け入れられてきちんと評価される土壌が残っていたことに、正直、ちょっとほっとしている。

舞台は昭和初期の広島。18歳の少女すずは、縁談が決まって、軍港の街、呉に嫁いでくる。ずっと穏やかに続いていくはずだった、当たり前の日常。しかし世界は少しずつ、ひたひたと、恐怖と狂気に浸されていく。やがてその狂気は、すずにとって大切な人やものを、喰いちぎるように奪い去ってしまう。そしてあの夏が来て……それでも、人生は続いていく。

観終わった後、子供の頃に父から聞かされた、終戦の頃の話を思い出した。岡山で大空襲があった後に降った雨。シベリアで抑留されるうちに身体を壊してしまった祖父。祖父が留守の間、一人で畑を耕しながら父を育てた祖母。故郷に戻ってきた祖父が父への土産に持ってきたキャラメルが、本当に甘くておいしかったということ。最近では、そんな話をしてくれる大人も、すっかり少なくなってしまった。

今の日本は、うすら寒い狂気と恐怖に、再びひたひたと浸されはじめているように僕は感じる。ふと気付いた時には、いろんなことが手遅れになってしまっているかもしれない。だから、この作品は、一人でも多くの人に、特に10代、20代の若い人たちに、観てもらいたい。ありふれた日々のかけがえのなさと、それを守るためには何が必要なのか、「普通」であり続けるために僕たち一人ひとりがどう生きるべきなのかを、考えてもらえたら、と思う。

ガタが来ている

3日間の総合旅程管理研修を一昨日に終えた後、昨日は昼の2時頃まで、寝床から起き上がれなかった。慣れない詰め込み勉強に朝から晩まで取り組んだことで、相当疲れがたまっていたらしい。起きてもしばらくの間、頭が全然回らなくて、大学案件の原稿に取りかかれる状態にまでしゃんとしたのは、夜中近くになってからだった。

まあでも、疲労がたまりやすかったり、たまった疲労が抜けにくかったりするのは、単に歳を取ったことで身体にガタが来はじめてるからだとも思う。タイ案件の担当編集さんともこの間そういう話になって、「年を追うごとに、タイから帰国した後、疲労が抜けるまでに時間がかかるようになってますよね……」という点で意見が一致した。

単純なもの忘れもよくやらかす。大事なことはブロックメモに書いて、それが必要な時に部屋の中で目につきやすい場所に置くようになった。記憶力の低下も結構なもので、この間、自炊の話をしていた時に、なぜか「片栗粉」という言葉をド忘れした(苦笑)。

あと、この間やった忘年会の時に同年代の人たちとちょっと盛り上がったのが、「自分の歳をド忘れする」という話(笑)。サバを読むとかそういうことでなく、本当にナチュラルにド忘れしたり、間違ったりしてしまうのだ。ここまでくると、もう正真正銘のおっさんである。

まあ、歳を取ったら取ったで、楽しみや面白みもいっぱい出てくるんだけどね。

濃密な宴

昨日は夕方から、ひさしぶりに綱島へ。ポイントウェザーで松井直子さんがアンダマン諸島の写真展をされていて、そのオープニングパーティーという名の持ち寄り飲み会。

集まった人数はそこまでめちゃめちゃ多くはなかったのだが、石川武志さんや石川梵さんと膝をつき合わせる距離でお酒を飲みながら話を聞ける機会なんて、そうめったにあるものではない。ここぞとばかりにいろんな質問をさせていただいたりしたのだが、気さくに話をさせていただけて、嬉しかったし、楽しかった。とても濃密な、いい時間だったなあと思う。

しかしまあ、自分が一番年上ではない(そしていつもは他の誰もそれに気付いてない)飲み会って、ひさびさだったかも(笑)。