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「カメラ目線」についての考察

たとえば、旅先で現地の人々のポートレートなどを撮影させてもらう時、「カメラ目線」で撮るべきかどうかというのは、意見の分かれるところだと思う。僕の知り合いのプロのフォトグラファーの方々にも、「カメラ目線」が苦手という人もいれば、逆に「カメラ目線」を作風の一つとして前面に出している人もいる。

結局のところ、「カメラ目線」で撮るかどうかは撮り手それぞれの好みの問題であって、「カメラ目線」だから写真作品として良いか悪いかが決まるという次元の話ではないのだと思う。「カメラ目線」であるからこそ意味を持つ場面もあれば、逆に目線がカメラに向けられていないからこそ意味を持つ場面もある。

僕の撮ったポートレート写真で世間に知られている作品には、「カメラ目線」の写真が比較的多い。ただ、それは意図的にそう撮ろうとして撮ったのではなく、自分のアプローチとして結果的かつ必然的にそうなったのだ。相手の人と近い距離で向き合い、言葉とか身振り手振りとかいろんなことで互いの気持をやりとりし、その結果として撮らせてもらった(撮らせてもらえない、あるいは僕はあえて撮らないこともある)写真なのだと思う。

その人がレンズとカメラを透かして撮り手自身を見つめていることに、意味があるのかどうか。撮り手がレンズとカメラを透かしてその人を見つめていることに、意味があるのかどうか。「カメラ目線」の場合、それを持ち合わせているのが、たぶん良い写真なのだと思う。

新幹線と在来線

昨日は終日、部屋で仕事。今年の夏にラダックで取材してきた素材で、Web連載に使えそうなものを整理して記事化し、アップロード。インドにいる間(デリーでの乗り継ぎ待ち時間とか)に原稿を書き進めておいてよかった。これで10月くらいまでは持ちこたえられるはず。

今日は昼から新宿へ。ニコンのサービスセンターでD800をセンサークリーニングに出し、来月の写真展の準備のためにあれやこれやと。ひさしぶりに桂花で太肉麺を食べ、夜はバルト9で「シン・ゴジラ」を観る。まさにニッポンの空想特撮怪獣映画といえる作品。緻密で膨大な量のディテールをひたすら積み上げることで、圧倒的なリアリティを生み出していた。ただ、登場人物たちに感情移入できるかというと僕的にはそうでもなく、淡々と見続けてしまった感じではある。

とりあえず、新幹線と在来線の扱いがよかった(笑)。

縦位置と横位置

ブータン取材で撮影してきた写真を現像しながら整理していて、これはまあまあいけるかな、と思えるものをピックアップしていたら、なぜか縦位置の写真ばかりになってしまって、自分でもちょっとびっくりした。

一般的なデジタル一眼レフカメラで撮る写真は、だいたい3:2の比率になり、普通に構えて撮れば横位置、縦に構えて撮れば縦位置になる。僕は基本的に昔から横位置の写真が好きで、縦位置で撮ろうと考えることもあまりなかった。だから縦位置の写真は苦手というか、ぶっちゃけ下手だった(苦笑)。

ところが、必要に迫られて仕事で旅の写真を撮るようになると、下手ですませるわけにはいかない。本や雑誌の仕事では、縦位置の写真のニーズは一般の人が想像する以上に多いのだ。だから、ちょっとでも余裕のある撮影場面では、横と縦の両方を押さえる癖がついたし、苦手を克服しようと縦位置での構図の作り方をいろいろ試行錯誤するようになった。そうした試行錯誤の成果が、ようやく最近になってちょっとずつ現れてきたということなのだろうか。まだ得意とまでは、とても言えないけれど。

そういえば、以前「撮り・旅!」で鮫島亜希子さんにインタビューさせてもらった時、「いい被写体に出会った時、横位置で同じような写真をがしがし撮ってしまいがちだけど、そういう時に意図的に縦位置でも撮ってみて一呼吸おくと、自分が何を撮りたいのかがわかってくる」という意味のことを話していただいたのだが、それは本当に正しいと思う。冷静さを取り戻すのに、横から縦へのスイッチというのはかなり効果的だ。

去年見たドキュメンタリー映画で知った写真家ソール・ライターは、映画の中でも頑ななまでに縦位置の写真にこだわって撮り続けていたのが印象的だった。ミラーレス一眼カメラを、最初から縦位置にして持ち歩くほどに。彼の見事な縦位置の作品群にちょっとでも近づけるように、日々精進していかねば。

カメラを手に

最近やたらめったら忙しく、編集作業で毎日のように膨大な数の写真とにらめっこしてたから、自分でも意外な気がするのだが、今年に入ってから、仕事でカメラを担いで出かけたのって、2回くらいしかない。それも、申し訳程度に何カットか撮るためだけに。こんなことじゃダメだな、ただでさえヘタなのにさらにサビつく、とは思うけど、いかんせん、ここしばらくの忙しさではどうしようもなかった。

明日からは、2泊3日で沖縄取材。本島のやんばるの方面を訪ねる。ひさしぶりにカメラを手に、初めて訪れる場所を気の向くままに撮り歩くことができそうで、かなり楽しみだ。問題は、明日明後日の天気予報がイマイチなことくらいか。まあ、天気ばかりはなるようにしかならない。雨なら雨で撮れるものもある。

それよりも問題は、明日の朝、4時起きってことだな……それが一番やばい……。

カメラと埃

昼、新宿のニコンプラザへ。D800のセンサークリーニングを依頼。目立った埃はなかったが、それでも端の方にちらほらとくっついていたらしい。

一眼レフでレンズをあれこれ交換しながら撮るのは写真の醍醐味だけど、もっとも悩ましい部分でもある。レンズを付け替える時、どんなに気をつけていても、微細な埃が内部に入り込んで、センサーの表面にくっついてしまうことがある。センサー自体が振動して埃を落としたり、埃がセンサーに届きにくいような構造にしたりと、いろいろ工夫はされているけれど、それでもセンサーへの埃の付着をシャットアウトするのは難しいようだ。

もし仮に、何をどうやってもレンズ交換時にセンサーに埃がくっつかないような発明がなされたら、むちゃくちゃ偉大だと思う。まじで尊敬する。自分がカメラメーカーのエンジニアだったらそこに金脈があると信じて掘り下げたい。まあ、その昔、リコーというメーカーがGXRというカメラシステムを作ってはみたんだけど‥‥。

一眼レフでの埃のシャットアウト、いつの日か、ぜひ。