Category: Diary

七年目のおつとめ

明日から約三週間半のタイ取材が始まる。「地球の歩き方タイ」の改訂のための取材なのだが、何だかんだでこの時期にタイに赴くのも、今年で七年目。我ながらよく続いてるなあ、と思う。

取材の回数を重ねるうちに、だいぶ要領もわかってきて、効率化されてきてはいると思うが、それでも突発的な事情で現地であたふたさせられることは、今年もしょっちゅうあるだろう。まあ、そういう時に柔軟に対応することも含めての取材なので、それなりに覚悟はしている。

今年のタイは、どんな感じだろうか。取材しながらも心穏やかに過ごせたら、それが一番いいけれど。

というわけで、七年目のおつとめのため、しばらく留守にします。帰国は10月24日の予定です。では。

語り部として

毎日、本の原稿を書き続けていると、いろんな発見がある。

フリーランスでライターの仕事を始めて、かれこれ20年にもなるけれど、未だにこれだけ気付かされることがあるのかと、自分でも驚いている。普段の書き仕事では、長くても数千字程度の原稿を書くことがほとんどだが、今取り組んでいるのは、10万字を超える長さの原稿。それも、事実に則したノンフィクションではあるけれど、ある種の「物語」でもある原稿。その違いは大きい。

それは簡単には説明しづらいのだが、「流れ」とか、「間」とか、「緩急」といった、文章術のセオリーには収まりきらないようなことだ。わかりやすく読みやすい文章を書く「物書き」としての技術というより、物語をよどみなく語る「語り部」としての、阿吽の呼吸のようなものだろうか。1行どころか、ほんの1文字で、がらりと変わる。改行や句読点の打ちどころでも変わる。一見無駄に見える何気ないひとことが作り出す流れもあれば、あえてばっさり省くことで生まれるリズムもある。

20年も物書きをやってきたのに、自分は何にもわかっていなかったのだなあ、と、今さらながら、思い知らされている。だから今、書いていて、すごく愉しい。苦しいけれど、最高に、面白い。そうして少しでも、「語り部」に近づいていけたら、と思う。

黒船と金目鯛


連休中、伊豆半島の下田に一泊二日の旅行に行ってきた。台風17号の接近でどうなることかと思っていたが、行動時間中はほとんど雨に降られることもなく、下田の街をのんびり散策することができた。

宿は以前から友人たちにおすすめされていた、蓮台寺の金谷旅館に。千人風呂と呼ばれる巨大な総檜風呂で有名な宿で、実際に入ってみると、小学校のプールかよと思うほど大きい。特に、人の少ない朝方に入った朝風呂が最高に気持ちよかった。部屋もひなびた雰囲気の和室で、ゆっくり骨休めすることができた。

下田の街でどこを歩いていても目についたのは、黒船とペリーにまつわる案内板やスポット。街を挙げてのペリー推しっぷりに、かなりびっくりした。もう一つ、猛烈にプッシュされていたのが、金目鯛。みやげ物屋には、開きや切り身の真空パック、味噌漬や西京漬、干物に煎餅などなど、ものすごい数の金目鯛のバリエーションが並んでいた。「I♥IZU」というロゴステッカーのハートの部分に2匹の金目鯛の写真があしらわれてたのには、そこまで金目愛が深いのかと笑ってしまった。

実際、金目鯛、本当にうまいのである。煮付けや刺身、丼など、毎食のように金目鯛をたらふくいただいて、一生分とまではいかなくても、五年分くらいは食べられた気がしている。他にもおいしいものがたくさんあって、調子に乗って食べまくったので、たぶん、2キロくらいは太った(汗)。さすがにやばい。明日からちょっと絞らねば……。

ともあれ、港町散策と温泉と、金目鯛とで、いいリフレッシュになった小旅行だった。

スパイスカレーはじめました

自炊を始めて以来、家でカレーを作る時、ルウはジャワカレー辛口、一筋だった。それも固形のルウではなく、プライムジャワカレー辛口という粉末タイプのもの。二人前ずつ小分けにされているので、家で作るにはとても便利だったのだ。

ところが最近、この粉末タイプのルウを店頭で見かけなくなった。中辛はあるのだが、辛口がないのだ。ネットでも売り切れ状態。なので、中辛のルウにカレー粉を足したりしてみていたのだが、だったらいっそ、ルウを使わずにスパイスカレーを作ってしまえばいいのでは、と思い立った。

ネットでいくつかのレシピを調べてみると、凝りすぎなければ、そこまで難しくもないことがわかった。スパイスはクミン、コリアンダー、ターメリック、レッドチリの4種類。そのほかの材料は、鶏もも肉、タマネギ、ニンニクと生姜、トマトかトマトペースト、生のコリアンダー、塩、少量の砂糖、オリーブオイル。これだけあれば、とりあえずOKらしい。

作る時のコツ(というほど難しくもないが)は、みじん切りにしたタマネギをじっくり炒めて飴色のペースト状にしていく時のやり方だろうか。炒めはじめる時に軽く塩を振るとタマネギから水分を出やすくなることと、ある程度焦げ色がついてきたところで差し水をすると一気にペースト化が進むということを押さえておけばOK。そこにニンニクと生姜のすりおろし、トマトペースト、スパイス4種と塩を投入し、カレーのペーストに仕上げ、肉を炒め合わせてから、水(今回は野菜だしのスープを使った)を加えて煮る。今回はスーパーで生のコリアンダーが売り切れてたので、カルディで売ってるフリーズドライのコリアンダーを最後に放り込んで仕上げた。

初めて作ったスパイスカレー、我ながらまずまずいい感じの味になったと思う。あと、何というか、達成感というか(笑)。もちろん、カレールウで作るカレーも依然として好きなので、これからは気が向いた時に、気が向いた方のカレーを作ろうかなと思う。

道半ばにて

書いている。毎日、本の原稿を書き続けている。

今の時点で、全五章のうちの第二章の終盤まで来ていて、ボリューム的には全体の4割に届くかどうか、というところ。ただ、最初にプロットを作った時の想定より、全体の文字数が増え気味な傾向がある。このテンションで、予定のスケジュールに間に合うように書き進めていくのは、かなり大変だ。

1500メートルや5000メートルの中長距離走で、スタートしてトップスピードに乗った後、苦しくなってきてもペースを緩めるに緩められず、限界を超えるまで耐えに耐えて突っ走っていく、あの感じに似ている。まだまだ、執筆は道半ばだ。きついけど、弱音を吐いてペースを緩めるわけにはいかない。やるしかない。