甦る切れ味

いつも使っている包丁の切れ味が、目に見えて悪くなってきた。

去年から二人暮らしになって、包丁を使う頻度も、切る食材の量も増えたからだろうか。何か手軽な方法で研ぎ直せればと思って、新宿の東急ハンズでロールシャープナーを買ってきた。使い方は超簡単で、包丁の刃を当てて、ゴーリゴーリと前後に10回くらい動かすだけ。

たったそれだけなのだが、効果てきめん、びっくりするくらい切れ味がよくなった。特に柔らかいもの、肉とかトマトとかを切る時の切りやすさが全然違う。まあ、逆に言えば、今まですっかり切れ味の落ちた包丁を「まあこんなもんか」とごまかしながら使ってたということなのだが。

日頃使う道具はちゃんと手入れせねばだなあ、とちょっと反省しつつも、地味に嬉しい、ささやかな出来事だった。

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パオロ・コニェッティ「帰れない山」読了。近所の今野書店の海外文学コーナーでピンときて、手に取った本。イタリアの山々や高原の自然の描写が、ノスタルジックで、緻密で豊か。意外にもネパールやチベットのヒマラヤの話も密接に関わっている(原題もそのニュアンスが込められている)。物語に登場する人々には必ずしも救済は用意されていないのだが、その悲しみが、かえって山々の荘厳な美しさを際立たせているようにも思えた。

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