ハエトリグモ

昨日今日と家で原稿書きに追われているのだが、部屋にずっと籠っていても、「あ、そろそろ春だな」と感じさせる気配は、そこかしこにある。浴室でシャワーを浴びた後、鏡の曇りが消えるのが前より遅くなったり。コーヒーミルの粉受けに静電気で貼りつく粉の量が少なくなったり。買い置きのニンニクから青々とした芽が伸びる寸前まで育っていたり。

あとは、ハエトリグモか。冬の間はまったく見かけなかったけど、ここ数日、部屋の白い壁に、ぽつんとその姿を見せるようになった。昨日の夜は、たぶん天井からMacのパームレストまで、いきなりぽとりと落下してきたし。

ほかの場所ではどうだか知らないが、少なくとも僕の部屋にハエトリグモが現れる時は、常に一匹だ。窓のサッシの隙間かどこかから入ってきたのだろうか。それとも、冬の間も部屋のどこかでじっと息を潜めていたのだろうか。そもそも彼あるいは彼女は、去年見かけたのとは別の誰かなのだろうか。それとも、もしかして、去年と同じ彼あるいは彼女なのだろうか。

ハエトリグモについての妄想は尽きない。

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