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期待という名の賭け金

昼、印刷会社から連絡。ガイドブックの第一次修正作業が終わって、データを用意してくれたとのこと。さっそくPDFをダウンロードしてチェックする。

この修正作業、先週末までに僕と編集者さんが用意した、修正指示で真っ赤になったゲラを基に、今週いっぱいかけて印刷会社のオペレーターさんが取り組んでくれていたものだった。途中聞いていた話では「とても手に負えない部分もあるので、かなりの部分をまたデザイナーさんにお願いするかもしれない」という雲行きだったのだが、PDFを見て、びっくり。「ここまで直ってるとは」とちょっと驚いてしまうほど、綺麗に手を入れてくれていた。これなら、この後の作業は格段に楽になる。

一冊の本は、一人の力だけではできない。たくさんの人たちが力を貸してくれて、初めて作り上げることができる。単なる仕事や人付き合いの枠を越えて、みんなは言い出しっぺの僕に、期待という名の賭け金を賭けてくれているのだ。それは、時にとてつもなく重く感じるけど、同時に自分を支えてくれてもいる。

あともう少し、がんばらねば。

ありのままを

昨日の夜、ラダックガイドブックの初校が上がってきた。紙のゲラは明日届くのだが、一足先にPDFで全体の様子を見渡してチェックしている。

見ていて思うのは、何というか、「ラダックの風息」と同じ気配をまとった本だなあ、ということ。今回の本はガイドブックだから、内容も造りもまったく違うはずなのだが、全体を通じて伝わってくる気配は、まぎれもなく「風息」のものだ。書き手と撮り手とデザイナーが前と同じだから、というだけでは説明できない理由がある気がする。

たぶん、どちらも「ありのままのラダック」を伝えようと悪戦苦闘している本だから、そんな風に感じられるのかもしれない。伝わっているかどうかは、わからない。でも、僕が伝えたいことは、どちらの本にもありったけ、ぶち込んでいるという自負はある。

編集作業も、いよいよ佳境。最後まで気を抜かずに、いい本を作る。

積み重ねたもの

うららかな日射しだなあ、と薄着で出かけようとしたら、思いのほか風が冷たかった。春はまだか。

午後、中野近辺で取材。新しいクライアントから依頼された仕事なので、要領がつかめていない不安はあったが、まずまず無難にやり遂げた。明日も、午前と午後に同じ案件の取材があるのだが。

今日取材したのは、十数年前に僕がちょこっと関わっていた雑誌のアートディレクターをされていた方。当時の僕はまだペーペーで、ご本人とはそれほど密にお仕事をさせていただいていたわけではない。なので、最初からそう名乗るのは図々しいと思って黙っていたのだが、取材が終わった後におそるおそる、「実は‥‥」と言いかけると、「そうだよね? どこかで会ったと思ってたんだ‥‥」と。それだけのことだったのだが、何だか嬉しかった。

その雑誌に関わっていた頃は、出版社内でまあいろいろあって、僕自身、いい仕事ができていたとはあまり思えない。でも、無駄に感じても、回り道に思えても、積み重ねたものは、いつかどこかで、何かに繋がる。今の僕があるのは、十数年前のあの頃、何者にもなりきれずにあがいていた時間があったからなのかもしれない。

閉店フェア

昼、外苑前のオフィスで、ラダックのガイドブックの打ち合わせ。僕が書き上げた原稿や写真などのデータ一式をデザイナーさんに渡し、編集者さんや印刷担当の方を交えて、今後の段取りなどを決める。いよいよ佳境に突入といったところ。とにかく、校了まで全力で突っ走るだけだ。

帰りに新宿に寄り道して、今月いっぱいで閉店することになったジュンク堂書店新宿店に行く。店内のあちこちで展開されている「閉店フェア」。書店員さんたちの手書きのポップには、本への思い入れと愛情と、この店を離れなければならない悔しさがにじんでいた。ジュンク堂自体の売上云々ではなく、三越が撤退してビックカメラにビルを一括賃貸するというツマラナイ判断をしたせいなのだから、なおさらだろう。

今、僕が携わっている本づくりという仕事は、本を売ってくれる書店がなければ成り立たないものだ。作り手と、売り手と、そして読み手。すべてが揃って初めて、本という存在が生命を持つ。自分一人の力で生きてるわけじゃないんだということを、忘れないようにしなければいけないな、と思う。

三寒四温

大雪が降ったと思ったら、急に小春日和になり、そして今日はまた冷たい雨。三寒四温というか、一寒一温というか。気温や湿度の上下動が激しすぎて、身体がなかなかついていかない。

ガイドブックの作業は、草稿を編集側でチェックしてもらっている最中で、僕はしばし待ちの状態。時々、地図職人さんから制作中の地図のゲラが送られてくるので、それを細々とチェックしたりはしているが。

まあ、これも束の間の休息で、今月から来月末までは、編集作業をがっつりやることになる。それと並行して、新しいクライアントから依頼されている取材案件もこなさなければならない。その上、ラダック絡みのトークイベントへの出演依頼もされているので、なかなかにハードだ‥‥。

そんなわけで、うっかり風邪とかひかないようにしないと。今日も一富士で金柑を補充してきた。