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春のいびき

春。最近の僕にとってそれは、大学案件で目が回るくらい忙しくなる季節。

朝イチで家を出て、電車とバスを乗り継いで、相模原方面へ。何だかんだで、片道2時間ほどかかる。定刻に出発したバスが途中で10分も遅れて、あやうく遅刻するところだった。やれやれ。

取材自体は滞りなく終わり、依頼元の担当さんに「学食で一緒におひる、どうですか」と誘われ、ビーフシチューをごちそうになる。510円。うまい。最近の学生さんはうらやましいなあと思う。

帰りもバスと電車を乗り継いで、えっちらおっちら。窓からあったかい日の光が差し込むバスの中で、隣の若い女の子が座席に身体を埋め、いびきをかいて寝入っていた。

愉しかった時間

昨日は午前中に取材、午後は別の取材、夕方は打ち合わせ、夜は飲み会と、朝から深夜までずっと出歩いていた。さすがに疲れたけど、取材は面白かったし、飲み会もいい気分転換になったし、何より、夕方の打ち合わせで新しい本を無事に校了させることができたので、本当にほっとした。

自分で企画した本を作っている間はいろいろ大変だし、片時も気を抜けないけど、でもやっぱり、何者にも代えがたいくらい愉しい時間でもある。校了してしまったら、それも終わり。肩の荷が下りてほっとはするけれど、毎度のことながら、何だか寂しい気分になる。

でも、これから先は、作った本を1冊ずつ売っていくために、いろいろ努力していかなけれならない。本を作ったら終わりではなくて、読者の手元に届けて読んでもらえるように努力するのも、僕の仕事であり、役割でもある。

がんばらねば、だな。

南アフリカ観光局「旅人インタビュー」

南アフリカ観光局「旅人インタビュー」南アフリカ観光局のサイト内にある「My South Africa Story 旅人インタビュー」のコーナーに、昨年プレスツアーで南アフリカを訪れた際のレポートと写真を寄稿させていただきました(コーナー名はインタビューとなっていますが、自分で執筆した文章です)。「アフリカの自然と野生動物に会いに行く ゲーム・ドライブを体験して」という記事タイトルをクリックすると表示されます。内容はゲームドライブの際のカメラ機材や撮影のTIPS、体験したエピソードについてなど。よかったらご一読いただけると嬉しいです。

「うまくなる」ということ

文章も、写真も、もっとうまくなりたい。いつもそう思っている。

今の自分に実力が不足しているのは自覚しているけれど、僕にとって文章や写真が「うまくなる」ということは、単に力を高めるというのとは、ちょっと意味合いが違う気がする。どちらかというと、「引き出しの数を増やす」というのに近い。どんな場面に遭遇しても、自分の意図を伝えるのに一番ふさわしい方法をスッと選べる、余裕のようなもの。引き出しの数の多さに頼るのではなく、独りよがりに力でねじ伏せるのでもなく、対象により集中して向き合う余裕を持つためというか。

文章や写真の実力は、周囲の人々からの評価の度合いによって測られるものだと思うけど、周囲からの評価を高めること自体が目的化するのは、たぶんあまりよくない。一時的なチャレンジならまだしも、それが常態化するのはちょっと違う気がする。結局、その文章で、その写真で、何を伝えるのかが一番大事。引き出しの多さも、磨き上げたスキルも、伝えるという目標を達成するための手段でしかない。

だから、もっとうまくなりたい。たぶん、死ぬまでずっとそう思い続けている。

本を作る時間

来月下旬に出す予定の本の制作が、どうにか印刷所に入稿できる段階にまでこぎ着けた。あとは色校の段階で慎重にチェックすれば、ほぼ問題なく完成させることができるだろう。

肩の荷が一つ下りて、かなりほっとした気分になっているけど、正直、ちょっとさみしくもある。

自分自身の本を作る時間は、なんだかんだで、楽しいのだ。スケジュールに追われて気は焦っていらいらするし、目は疲れるし、肩は凝るし、寝不足にもなるし、しんどいことだらけなんだけど、でも楽しい。人それぞれに天職と呼べる仕事があるのなら、僕にとっては本づくりがそうなのだと思う。

しんどくも楽しい時間が過ぎていく。そして一冊の本ができあがり、誰かのもとへと旅立っていく。