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チャーンでフラッシュバック

もう完全に冬だな、という寒さと空模様。電車で都心に出かける。神宮外苑の銀杏並木を少し見物し、ひさしぶりにブルーボトルコーヒーでコーヒーを飲み、渋谷までぶらぶら歩く。

晩ごはんにおでんでも食べようかと思ったのだが、考えることはみな同じなようで、夕方の早い時間からすでに長蛇の列。あきらめて、タイ料理を食べることにする。3週間ぶりのタイ料理。まあ、そろそろいいかなと(笑)。

新宿のゲウチャイという店でいただいたタイ料理は、どれも食べやすくておいしかったのだが、我ながらちょっとびっくりしたことがあった。最初に頼んだタイのチャーンビールを、コップに注いで一口飲んだとたん、ぶわっ!と、ついこの間までタイでさんざん感じていた感覚がフラッシュバックしてきたのだ。暑くてじっとり湿った空気、埃と汗と、ぎらつく陽射しと……。それはもう、生々しく。

考えてみたら、タイでの取材中は、ほぼ毎晩、コンビニで買ったチャーンの500ml缶を宿の部屋で飲んでいたから、そうなるのも無理はないのかもしれない。しかしまあ、それにしても。

濃密な宴

昨日は夕方から、ひさしぶりに綱島へ。ポイントウェザーで松井直子さんがアンダマン諸島の写真展をされていて、そのオープニングパーティーという名の持ち寄り飲み会。

集まった人数はそこまでめちゃめちゃ多くはなかったのだが、石川武志さんや石川梵さんと膝をつき合わせる距離でお酒を飲みながら話を聞ける機会なんて、そうめったにあるものではない。ここぞとばかりにいろんな質問をさせていただいたりしたのだが、気さくに話をさせていただけて、嬉しかったし、楽しかった。とても濃密な、いい時間だったなあと思う。

しかしまあ、自分が一番年上ではない(そしていつもは他の誰もそれに気付いてない)飲み会って、ひさびさだったかも(笑)。

にじみ出るもの

昼の間、部屋で原稿を書く。長めのインタビュー原稿をどうにか形にできたので、ほっとする。

夕方、都心へ。恵比寿でラーメンを食べ、ヴェルデでコーヒーを飲み、代官山蔦屋書店へ。竹沢うるまさんと旅行書コンシェルジュの荒木さんとのトークイベントを拝聴。途中で竹沢さんが急に僕の名を呼び、会場の全視線に急に振り向かれるという不測の事態に(苦笑)。僕の本を知っている方も何人か会場にいらっしゃって、終了後に声をかけていただいて、恐縮してしまった。

竹沢さんは、自分のメッセージや思いを込めようとして写真を撮ってはいないのだという。あくまで媒介者として、凪いだ水面のようにフラットな心で対峙し、何かに心が反応して波紋が浮かんだ瞬間にシャッターを切る。写真で捉えようとしているのは、自分自身の心の揺れ動きそのものなのだと。

メッセージや思い入れは、意図的に伝えようとしてもたいていうまく伝わらない。作り手や伝え手の個性というものも、意図的に出そうと思うとたいてい失敗する。そういうことを意識せず、自分自身の気持に素直に従って、前へ前へと進み続けていれば、個性や思いや伝えたいことというのは、しぜんとにじみ出てくるというか、見る人や読者がそれぞれに解釈して受け止めてくれる。そうやって委ねるべきものだとも思う。

レベルは大きく違うけれど、僕自身の文章や写真に対しても「ヤマタカさんらしいよね、ヤマタカ節だよね」とは周囲からよく言われる。僕自身は、いったいどのあたりがヤマタカらしいのか、未だにわかっていないのだけれど。笑われてるのかな(苦笑)。

Thailand 2016

やさしさのない世界

連日の深夜に及ぶ編集作業で疲れてたのか、今日、目が覚めた時には昼を過ぎていた。あわてて起き出し、近所におひるのパンを買いに行く。空はよく晴れていて、風が冷たい。はっきりと冬の気配を感じた。

アメリカでは、どうやらトランプが大統領になるらしい。かの国の人々の選択した道に唖然としつつ、これから先、暗い方向に突き進んでいくであろう世界の行く末について思う。他者への思いやりもやさしさもない世界に。

夕方、コーヒー豆と晩ごはんの食材を調達するために外に出ると、風はいっそう冷たくなっていた。今日は、木枯らし1号が吹いたのだそうだ。