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インドノミゾシル

朝起きると、外は一面の白い雪。昼過ぎには止んできたが、東京でも、降る時には降るものだ。

幸い今日は外に出る用事もなく、食料の買い置きもあったので、完全に引きこもる。とはいえ、抱えてる仕事はいろいろあって、夜が更けるまで、電話やメールであちこちと連絡業務。一歩も家の外に出なかったのに、何だろう、この疲労感は(苦笑)。

気疲れの一番の原因は、現時点での懸案事項が、こちらがあーだこーだとじたばたしてもまったくどうにもならない、まさに神のみぞ知る状態にあるということ。いや、神というか、インド人というか‥‥(苦笑)。

あの国に振り回されるのは今に始まったことじゃないけど、ほんと、早くどうにかなってくれ、と祈るしかない。

笑顔の撮り方

終日、部屋で仕事。あちらこちらとの連絡業務のかたわら、来月下旬の下北沢B&Bのトークイベントで使うスライドや自分用の台本の準備など。

今回のトークイベントのテーマとして提案されたのが、「笑顔の撮り方」。あらためて思いを巡らせてみると、正直、ちょっと困ってしまった。なぜかというと、僕の場合、誰かの笑顔を撮ろうと思って写真を撮った経験が、たぶん一度もないのである。笑顔を撮ろうと意識したことのない僕が、笑顔の撮り方についてまともなことを語れるとは思えない。どうしよう。

じゃあ、いつもどんな風にして撮ってるんだと言われると、これまた言語化しづらいというか、ハァ?と思われるようなことしか話せない気がする‥‥。仕方ない。正直に、たどたどしく話すしかないか。

くやしい思い

この間の「撮り・旅!」トークイベントの打ち上げで、同業者のみなさんと飲んでる時に出た話なのだが。

「してますよ! ここにいるみんな、仕事でくやしい思いは!」

そこにいた方々は全員、豊富な経験と実績と、誰が見ても疑いようのない実力の持ち主ばかり。それでもみんな、くやしい思いをしているのだという。単にプライドを傷つけられるとか、そういう安っぽいことではない。丹精込めて仕上げた作品を雑に扱われたり、自分の思いと相反するようなことを強いられたり。もっといい仕事ができるのに、そうさせてもらえない、というくやしさ。

そういうくやしさを感じた時、我慢した方がいい場合と、我慢すべきではない場合があると僕は思う。そこで自分が譲ることで、仕事の目的(自分の受け持ち部分はともかく全体としていい仕上がりになる、依頼主からの要望に合う、など)が達成できるなら、あるいは譲るべきかもしれない。でも、もし譲ることによって、自分自身のキャリアに悪い影響が出たり、大切にしていた信義を裏切ってしまうのであれば、妥協せずに「それはできません」とはっきり言うべきだ。それで仕事を失うかも、と恐れる必要はない。そんなことでなくなってしまうような仕事は、どうせ長続きしないから。

みんな、それぞれの場所で、それぞれの戦いを続けている。僕自身、未だにくやしい思いのくりかえしだ。できれば、もうちょっと大物になって、無駄な戦いをしないですむくらいの身分になりたいと思うけど、まあ、無理かな(苦笑)。

シングルタスク

時折雪も混じる氷雨が降り続いた一日。さすがに今日は寒すぎたので、晩飯を作る間エアコンをつけて、部屋を暖めざるを得なかった。

ここしばらく、同時進行で進むいろんな仕事の連絡業務に忙殺されていたのだけれど、今日はそれも少しペースダウンしたので、自分の状況をあらためて整理し直して、気持を落ち着かせることができた。人間、あたふたしてると、ろくなことにならないし。

それにしても思うのは、やっぱり僕は、マルチタスクで物事を処理できない、不器用な人間なのだなあということ。一つの作業にぎゅっと集中するシングルタスクの取り組み方の方が、ずっと合っているのだと思う。マルチタスクで捌くより生産効率は落ちるかもしれないけど、クオリティは上げられるし、あと、精神的にラク(笑)。

まあでも、いただいた仕事は、よっぽどの事情がないかぎり、変に選り好みせず、粛々とやる。やりますとも。

歩いたことのない道

午後、目黒で打ち合わせ。これから作りたいと考えている本の企画について。新しい企画の持ち込みプレゼンは毎回緊張するけど(当たり前か)、どうにか無事に終えることができた。

打ち合わせを終えてビルの外に出ると、すぐ近くを目黒川が流れているのに気付く。このまま家に戻って、山のように届いてるはずのメールの返信に忙殺されるのが嫌だったので(苦笑)、川沿いをぶらぶらと、中目黒や代官山の方まで歩いていってみることにした。

ゆるりと吹く冷たい風の中、マフラーに顔を埋め、両手を上着のポケットに深く突っ込んで、ざくざく歩く。そういえば、目黒駅の近くから、この川沿いの道を歩いたのは、初めてだ。見たことのない店や家並、遠くのビルの影。ほんのちょっとだけ、旅に出たような気分になる。

東京で暮らしはじめて、かれこれ二十数年になるけれど、この街で僕がまだ歩いたことのない道は、それこそ無数にある。そう考えると、ちょっともったいないような気もしてくる。もっと、知らない道を歩いてみたい。知らない場所に迷い込んで、おろおろ右往左往してみたい。たぶん、性に合ってるんだな、そういうのが。