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仕事の軸足

仕事でずっと忙しい日々が続くと、きついし、疲れもたまる。でも、いくらきつくても苦にならない忙しさと、負荷はそこそこでも精神的にげんなりする忙しさという違いは、仕事によってある気がする。

それは結局、その仕事に対する自分自身の軸足が、同じ場所に置き続けられるかどうかなのだと思う。取引相手や局面によって、臨機応変に対応を切り替えるとしても、軸足である自分の信条や思い入れがぶれなければ、疲れない。それを実現させるという目的を持てるからだ。でも、自分自身の軸足がぶれて、何のためにこれに取り組んでいるのか見えなくなってしまう、あるいはそうなることを強いられてしまうと、疲れるし、やる気もなくなる。プロとして「やる気出ません」じゃすまされないんだけど、でも、出ないものはしょうがない。

フリーランスとして働いてると、まあ、いろいろあるわけで。でもがんばります。生きてくために。

春のいびき

春。最近の僕にとってそれは、大学案件で目が回るくらい忙しくなる季節。

朝イチで家を出て、電車とバスを乗り継いで、相模原方面へ。何だかんだで、片道2時間ほどかかる。定刻に出発したバスが途中で10分も遅れて、あやうく遅刻するところだった。やれやれ。

取材自体は滞りなく終わり、依頼元の担当さんに「学食で一緒におひる、どうですか」と誘われ、ビーフシチューをごちそうになる。510円。うまい。最近の学生さんはうらやましいなあと思う。

帰りもバスと電車を乗り継いで、えっちらおっちら。窓からあったかい日の光が差し込むバスの中で、隣の若い女の子が座席に身体を埋め、いびきをかいて寝入っていた。

そして春が来た

今朝は早起きして、家から徒歩20分の場所にある税務署へ。確定申告を今日こそ終わらせねばならない。

開場してすぐの時間だったのに、申告会場にはすでに長蛇の列。幸い、すぐに列を離れて青色申告コーナーに誘導してもらえたので、そこまで待たされることはなかった。あの列でまともに待ち続けるのは本当に大変だろうな……。

一年前の申告の時の経験と、自宅でかなり周到に数字をチェックして整理しておいた甲斐あって、決算書などの書類はかなりスムーズに準備できた。よしよし、と思っていると、国民健康保険の支払証明書を持ってくるのをうっかり忘れていたのに気付く。ガッデム。係員さんに頭を下げ、家まで早足で往復して取ってくるはめに。

あたふたあたふた、どうにかこうにか、書類を全部提出し終えて、まだ長蛇の列が連なる税務署を出たのは、ほとんど正午前だった。近くのフレッシュネスでバーガーとコーヒーのおひるを食べ、半ば放心状態で、歩いて家に戻る。近所の家の庭では、木蓮の花がほころびはじめていた。

愉しかった時間

昨日は午前中に取材、午後は別の取材、夕方は打ち合わせ、夜は飲み会と、朝から深夜までずっと出歩いていた。さすがに疲れたけど、取材は面白かったし、飲み会もいい気分転換になったし、何より、夕方の打ち合わせで新しい本を無事に校了させることができたので、本当にほっとした。

自分で企画した本を作っている間はいろいろ大変だし、片時も気を抜けないけど、でもやっぱり、何者にも代えがたいくらい愉しい時間でもある。校了してしまったら、それも終わり。肩の荷が下りてほっとはするけれど、毎度のことながら、何だか寂しい気分になる。

でも、これから先は、作った本を1冊ずつ売っていくために、いろいろ努力していかなけれならない。本を作ったら終わりではなくて、読者の手元に届けて読んでもらえるように努力するのも、僕の仕事であり、役割でもある。

がんばらねば、だな。

早く忘れたい

沖縄取材に行ったりしていた関係で遅れていた確定申告の準備作業に、昨日今日と取り組む。去年ほど五里霧中な状態でもなかったし、数字もほぼ間違いなく揃ったので、あとは税務署に行って細かい点をチェックしてもらいながら書類を作って提出すれば、どうにか解脱できそうだ。

この準備作業に取りかかる前は、とにかく嫌で嫌で、何かしら理由をつけて後回しにしていた。原稿を書いたり写真を撮ったりゲラチェックをしたりといったいつもやってる仕事は、大変だなあとは思っても嫌とは思わないのだが、確定申告の準備はとにかく嫌で、やる気が起きなかった。

でも、いったん作業に着手すると、今度はやりかけの宙ぶらりんな状態でいるのが嫌になって、もう一刻も早く終わらせて、さっさと忘れてしまいたいと思うようになった。だから、取りかかる前はあんなに億劫だったのに、着手すると早い早い(苦笑)。とにかく早く終わらせたかったのだ。

……まあ、全部終わって忘れ去っても、一年後にはまた同じことのくりかえしなんだけど。