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我に返る

ゆっくり寝て起きて、朝昼兼用につけめんを寸胴で茹で、一念発起して、部屋中に掃除機をかけた。ものすごくひさしぶりに掃除をした気がする。

午後の写真展会場での在廊を終えた後、スーパーに寄って食材を買い、夜はこれまたものすごくひさしぶりに米を炊き、おかずに里芋と豚バラの煮っころがしを作った。パスタやラーメン以外でまともに自炊をしたのは、いったいいつ以来だろう。

考えてみればここしばらく、というか2016年になるかならないかのうちから、本当にありえないくらい、仕事でしっちゃかめっちゃかな状態が続いていた。こういう日常の当たり前なことで、ようやく少し我に返れたようだ。

……とはいえ、6月頭からは1週間ほどブータン、7月中旬からは1カ月ほどラダック、8月下旬から南東アラスカに2週間、10月は恒例のタイ取材4週間。2016年の後半は、日本にあまりいない日々が続く。まあ、それはそれで、僕らしいといえばそれまでか。

目が回るほど忙しかった理由

ここしばらく、ブログを更新する時間的余裕もろくに持てないくらい、忙しい日々がずっと続いていた。2016年になるかならないかのうちから、ずっとこんな調子だったような気がする。そんな目が回りそうなほどせわしない状態にも、今日でほんのちょっとひと息つけそうだ。世間的に連休に突入するから、外部から余計な連絡が来ないというのが主な理由だけど。

文字通りリアルに目が回るほど忙しかったのには、今思うと、理由がある。あっちこっちからぶんぶん振り回されまくっていたから、心の準備ができずに、余計にしんどいと感じていたのだ。企画段階から自分で仕切ることのできる仕事であれば、責任を全部一人で背負う代わりに、自分で隅々まで気を配って進行管理できる。僕にはやっぱり、そういうアプローチの仕事の方が性に合ってるのだと思う。

何でもかんでもお人好しにホイホイ引き受ける前に、ちょっと立ち止まって冷静に考えてみるべきなのかな。まあいいや、今夜は何もかもとりあえず忘れて、目覚ましもかけず、前後不覚にどっぷり寝よう。

最高の勲章

ラダックの風息[新装版]」の発売以来、トークイベントに出演したり、写真展を開いて在廊したり、先週末はアースデイ東京にも顔を出したりしていて、たくさんの読者の方々に直接お会いする機会が増えた。会う人ごとにいろんな感想をいただいて、それぞれとてもありがたいし、参考にもなるのだが、以前から今に至るまでずっと、言ってもらえると一番うれしい感想がある。

「ヤマモトさんの本を本屋さんでたまたま手に取って、読んで、それでラダックに行っちゃいました!」

こういう方が、一人や二人ではないのだ。本当にびっくりである。だって、ハワイや台湾とはわけが違う。インドの中でもとりわけ奥地のラダックなのだ。飛行機代だって安くはないし、時間もかかるし、気力も体力も使う。そんな場所にわざわざ行ってもらうような背中の後押しを、自分の書いた本がさせてもらっているなんて。

世間で権威のある人たちがくれる賞よりも、本の売り上げがただ単に伸びるよりも、僕にとっては、自分の本を読んでラダックに行ったと言ってもらえるのが、何物にも代えがたい、最高の勲章だと思っている。誰かの背中を、ほんのちょっと後押しするための本。そういう本を、力が尽き果てるまで、ずっと作り続けたいと思う。

本当に、ありがとうございます。これからもがんばります。

旅費交通費

昨日は十日市場、今日は船橋日大前。今年はやけに遠い場所での取材が多い気がする。予定が合わなくて断った取材の中にも、秦野とか、高崎(!)とか、いろいろあったし。

それでも気のせいかなと思って、月末に依頼元に送る予定の旅費交通費の請求書のファイルを見てみたら、入力済みの項目だけで、1万7000円を超えている(苦笑)。去年の4月も2万円を超えていたのだが、去年は最後の最後に茨城での取材1件だけで8000円以上かかっているので、それを差し引いて考えると、今年の遠隔地への飛ばされっぷりが際立っている。

在来線やスクールバスを乗り継いで時間のかかる行程を行き来するのって、地味に消耗するんだよな‥‥。むしろ、海外にLCCでない飛行機で行く方がラクなくらいだ。そして明日も朝5時半起き。嗚呼。

知らない町へ

午後、中央線に乗って、西へ。八王子で横浜線に乗り換え、十日市場という駅で降りる。今まで聞いたことのない場所。今日はここにある大学で取材。

駅から取材先まで、バスに乗っていこうかと思ったが、グーグルマップを見ると歩けなくもなさそうだったので、てくてく歩く。学校帰りの子供や学生さんが多い。明るくて感じのいい雰囲気の住宅街や集合住宅。自然も割と残っていて、ゆるやかな空気が漂っている。こんな町があったのか、と歩いていて何だか楽しくなる。

取材はどうにかつつがなく終え、帰りはバスで駅へ。八王子までの電車は混んでて席に座れず、腹が減ったので、八王子で駅を出てラーメンを食べた。片道2時間近くの道程はさすがに遠い。今日の行き帰りで、来月の取材資料に買った新書を一冊、最初から最後まで読み終えてしまうほどだった。

来週明けにももう一回、まったく同じ道程の旅をすることになっている。