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リアルとオンライン

昨日は夕方から、下北沢へ。本屋B&Bからオンラインで中継されるトークイベントを、裏方としてお手伝いに。

少し前から、本屋B&Bで開催されるトークイベントの企画とコーディネートの仕事を、業務委託の形で請け負うようになった。昨夜のは自分が企画を手伝った最初の配信イベントだったのだが、店舗のスタッフの方々が店内でどんなセッティングをして、どんな段取りで中継をしているのか、間近で見ていて良い経験になった。イベント自体も、登壇者の方々のおかげでなごやかに楽しく盛り上がって、よかったなあと思う。

トークイベントというと、コロナ以前は客入れしてのリアルイベントがほとんどで、オンラインで配信するような事例は多くなかった。昨年来のコロナ禍で、今はその割合が逆転してしまっているわけだが、最新のツールを使った配信には、それはそれで配信ならではの良さもある。もちろん、配信イベントとして基本的な部分の段取りをきっちりやらないとグダグダになってしまうし、登壇者も配信であることをある程度意識しないと、チグハグな雰囲気になってしまう。

登壇者がそれぞれの自宅などからフルリモートで出演する形のイベントもツール的には可能だが、その場合はさらにグダグダ&チグハグになりやすいので、今のところ、登壇者同士は同じ現場でトークをして、それを配信スタッフが常時サポートしながら中継する形が、一番自然で無理がないのかもしれない。

将来、コロナ禍が去った後は、客入れとオンライン中継の両方を併用する形のトークイベントが増えるのではないかと思う。来場して参加する人は、登壇者を生で見られるし、ドリンクやフードやグッズ販売など、リアルイベントならではの楽しみもある。配信で参加する人は、会場から遠い場所に住んでいても視聴できるし、自宅で見られる気楽もある。開催側にとっても、収入源の種類は多い方がいい。

というわけで、来月は、そういうイベントをやります。続報を待たれよ。

自分の仕事

行きたい場所へ行く。見たいものを見る。会いたい人に会う。撮りたいものを撮る。書きたいことを書く。そして、作りたい本を作る。

ここ十数年ほどの間、自分がしてきた仕事をふりかえると、ただただ、単純に、こういうことをくりかえしてきたのだな、と実感する。これだけ自分本位にやりたいことをやってきて、それで報酬をもらって生活できていたというのも、ある意味、恵まれていたというか、幸運だったのだと思う。

昨年来のコロナ禍で、もうしばらくは、手元にストックしている素材を仕事に変えたり、国外へ行かなくても実現できる仕事をつないだり、という時期が続くだろう。ただ、それも未来永劫に続くわけはないので、需要の揺り戻しは必ず来る。その時、自分に何ができるか。何をすべきか。きちんと考えて準備しておかなければ、と思う。

入念に策を練って、準備を整えて、その時が来たら、出すべき力を出して、成果を確実に掴み取る。幸運をアテにするのではなく、自分の力で。

書き手から編み手へ

今年の初夏に出す予定の新しい本。草稿を書き上げてから1カ月ほどかけて、推敲とリライトに取り組んできたものが、とりあえず完成。各種素材と一緒にまとめて、担当編集さんに送信。

去年の夏の終わりから、かれこれ半年ほど費やして書き続けてきた原稿が、ようやく手を離れたので、ものすごくほっとした。書き終えてしまった、という一抹の寂しさはあるけれど、読んでいただくに足る本を書かなければ、というプレッシャーもそれなりにあったので。

この後は、担当編集さんとデザイナーさん、校正者さんとともに、本格的な編集作業が始まる。僕自身も、書き手から編み手の一人に立場を切り替えて、本を仕上げていく工程に関わっていく。一行々々、一字々々に神経を使う工程になるけれど、本が形作られていくのを目の当たりにできる、楽しみな工程でもある。がんばろう。

……と、その前に、確定申告を済ませておかなければ……(汗)。

最初の読者

昨日は都心で打ち合わせ。出版社の編集者さんと、今年の夏に出す予定の本について。

本は、人によっていろいろな書き進め方があると思うが、僕の場合、書き上げた草稿に最初に目を通してもらうのは、担当の編集者さんになる。もちろん、草稿を読んでもらった後に修正が必要な部分をあれこれ相談して、推敲とリライトで文章を仕上げていくのだが、僕以外の人間で新しい本に目を通す最初の読者であることには変わりない。

だからいつも、草稿を書き上げた後の打ち合わせでは、どんな感想や意見を言われるのか、実はめちゃくちゃ緊張する。これまでそれなりの数の本を書いてきているのに、だ。自信がないというか、小心者というか、何というか……。自分なりの信念を込めて、全力を傾けて書いてきたからこそ、かえって怖くなるのかもしれない。

今回の本の草稿を読んだ担当編集さんの感想は……ここでは書くのを止めておこう。これから丁寧に、手を抜かずに編集して、きちんと本に仕上げてから、読者の方々一人ひとりに、委ねたいと思う。

オーバーヒート

今週、水曜の朝くらいから、ちょっと調子がおかしくなった。

半年に一度くらい、たまになる症状なのだが、眼精疲労が限度を超えて、前頭葉がどろりと重く痺れたような感じになり、まったく作業に集中できなくなってしまった。原因は、仕事で根を詰めすぎて過集中の状態が続いて、それを回復させるのに見合う睡眠時間が十分取れていなかったからだと思う。

この状態になってしまうと、本の原稿のリライト作業などは全然無理なので、あきらめて、ベッドに横になってひたすら寝ることにした。眠れない時間でも、目を閉じて横になって、とにかく目と脳を休める。それだけでも、回復度合はずいぶんと違う。

どっぷり眠り続けたおかげで、木曜はだいぶ持ち直し、日中は理髪店まで歩いて出かけられるくらいにまでなった。今日はもう、すっかり回復。目も脳もしゃっきりリフレッシュしていて、原稿のリライトもすいすいはかどった。

若い頃は、こんな風に目と脳がオーバーヒートするまでの限界値も、もっとずっと高くて、無理して粘れていたような気もする。まあでも、それできっちり結果を出せていたかと言うと、それほどでもない気もする(苦笑)。なので、おっさんとして身の程をわきまえつつ、これからも休み休みやっていこうと思う。