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タンスの整理のように

昨日、今日と、本の原稿に取り組んでいるが、なかなかはかどらない。

書く内容とボリュームを細かく検討しているうちに、前に描いたラフがしっくりこなくなって、ラフを描き直しているうちに台割まで調整するはめになったりと、行きつ戻りつしている感じ。対岸も見えない茫洋とした海に、小舟で漕ぎ出したような気分だ。

一冊の本を書く時には、全体を俯瞰で見渡す目と、細部をきっちり決め込んでいく目が同時に必要になる。全体のことばかり気にしていると細部がおろそかになるし、細部にこだわってばかりだと、他の部分との兼ね合いに問題が出やすい。いいたとえが思いつかないのだが‥‥たくさんの服を、タンスに整理していく時のような感覚だろうか。どこに何をしまうのか、タンス全体での配分を考えつつ、一枚々々の服を丁寧に畳んでいく必要もあるし。

まあ、僕の家のタンスは、パンツも靴下も、ぐっちゃぐちゃだけど(笑)。

普通の一日

ここ最近、あまり睡眠時間が足りてなかったので、二度寝して昼頃に起きる。

飲み会続きで疲れた胃腸をいたわるため、今日はおひるをあえて抜いてみた。缶コーヒーを飲みながらメールやニュースのチェックをしていると、どうやら金正日が死んだらしい。哀悼の意を表する雰囲気はどこにも微塵も感じられないが、みんなの関心事は、北朝鮮がやけっぱちになってミサイルをぶっ放したりしないかということの方だから、むべなるかな。

仕事の方は、これから作る本のカラーグラビアの構成の検討。どの写真をどんな風にして載せるか、実際にレイアウトイメージを作って試行錯誤しながら考えていく。夕方、ちょっと腹が空いてきたので、冷凍ごはんをあっためて、納豆とキムチと生玉子をのせ、味噌汁と一緒に食べる。

まあ、そんな感じの普通の一日。一応、誕生日だったんだけどね。

いいチームで

昼、外苑前で打ち合わせ。これから作るラダックの本について、デザイナーの井口さんと編集者さんを交えてのキックオフミーティング。僕としては、長い間一緒に仕事をしてきて気心の知れたデザイナーさんと組めるので、とても助かる。編集者さんも別れ際に「いい本にできるような気がします!」と言ってくれて、心強いかぎり。今回も、いいチームで本を作れそうな気がする。

まあ、実際に作業が本格化すれば、いくつもの修羅場が待ち受けているのは間違いない(苦笑)。ただ、こういうチームで仕事がやれる時は、なるべく他の人にスムーズに気持よく作業してもらえるように、いつもよりなおさら、問題になりそうな部分はできるだけ自分のところでクリアするようにしなければならないな、と思う。自分のところでめいっぱい無理をすることになっても、他の人の力を活かせるなら、それでいい。

いいチームで、いい本を作る。そのためなら、何だってやるさ。

協調性がない

今さらと言っては何だが、僕には、協調性がない。

子供の頃から、誰かと一緒に何かをする団体行動は苦手だった。特に、明らかに信頼できない人が上の立場にいて、トンチンカンなことを強いられそうになると、あからさまに抵抗した。社会に出ても、そういう性分は変わらなかった。それでよく雑誌の編集者が務まったなと言われるが(苦笑)、編集者はまず自分の担当ページをきっちり守ることを優先するから、他の編集者との軋轢はさほど生じなかったのだ。‥‥まあ、それでも軋轢が生じた人もいたけど(笑)。

だから、フリーのライター&編集&たまにフォトグラファーという今の働き方は、心の狭い自分にすごく合っているなあと思う(笑)。クライアントにトンチンカンなことを強いられそうになったら、断ればいいだけ。収入は減るけど、心はすり減らない。自分自身が必死こいて働いた分だけしかお金が入ってこないというのも、ある意味、真っ当ですっきりしてるので、気に入っている。

この先も、大金持ちにはなれそうにないけど、ま、仕方ないか。協調性がないんだし(笑)。

レイアウトラフ

終日、部屋で仕事。今作っているラダックの本の、本編のレイアウトラフを描いていく。

レイアウトラフは、完全にそのまま誌面に反映されるわけではなく、デザイナーさんの裁量にお任せする部分も多々あるわけだが、それでも、映画で言えば絵コンテに相当する大事な部分。頭の中で実際に本をめくっている様をイメージしながら、慎重に検討して描いていく。最近はIllustratorなどを使ってデジタルでラフを描く人もいるが、僕は手描きの方が性に合う。リテイクも多いし(笑)。今回の本の場合、ある程度レイアウトラフを形にしておいてから、それに合う文字数で原稿を書いていくという手順になる。

夕方に郵便局にメール便を出しに出かけ、ついでにココイチでカツカレーを食べて帰り、再びラフ描きに没頭。気がつけば、日付が変わっていた‥‥。一人の戦い、まだまだ続く。