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うたたね

午前中から都心へ。チェックを終えたガイドブックのゲラを編集者さんに引き渡す。まだまだ先は長いが、とりあえず一つの段階をクリアしたことは確か。

何だかホッとした気分で、各駅停車の総武線に乗る。窓からうららかな日射しが射し込む、いい天気。電車に揺られてるうちに、ついついうとうと。気が抜けたからか、やけに眠い。

三鷹に着いてからも、眠気はさっぱり収まらず。ふらふらしながら家に帰り、そのまま寝床にぶっ倒れて、三時間ほども眠った。おかげで今、真夜中になってもギンギンに目がさえている(苦笑)。

雌伏の日々

今週は、ガイドブックのゲラチェックにひたすら没頭している。ソファやテーブルいっぱいにゲラを広げ、赤ボールペンを握りしめ、ここを一行削ろう、この写真を修正しよう、とかいう、とてつもなく地味な作業。

取材に出かける時以外はほぼ自宅で作業しているので、きっと近隣の住民からは、「あそこに住んでる男の人は、いい年こいてニートなのかね」と思われてたりするのかもしれない(苦笑)。実際、近所を出歩く時は、不審者としか思えないズルズルの格好だしなあ‥‥。マンションの管理人さんが僕の素性を知ってくれているのは、せめてもの救いか。ちょっと家を留守にする時でも、連絡したら「またインドですか?!」とか言われるけど(苦笑)。

そんなこんなで、不審者と間違われかねない、雌伏の日々。

安売りはしない

昼、友人のライターとリトスタで会っておひるを食べる。同業者が集まると、当然のように互いの仕事の話になる(苦笑)。相変わらずの出版不況で、なかなか難しいねという結論にしかならないのだが。

まあでも、最近特に思うのは、景気が悪いからといって、自分の能力や自分が持っているコンテンツを、安売りすべきではないな、ということ。前にも同じようなことを書いたけど、きちんとした労働やコンテンツには、それにふさわしい対価が支払われるべきで、クライアントの懐具合などでその価値が決められてはいけないのだ。だから、多少の付き合いがあるからといって、あまりにもあんまりな条件を提示されたら、きっぱり断る勇気は必要だと思う。結局、それが自分の価値を守ることにつながるのだから。

というわけで、僕はもう安売りはしませんので、そこのところよろしく。

戻ってきた静寂

先週取材した案件の原稿は、昨夜のうちにだいたい形にできたので、今日はガイドブックの方の作業。制作途中の地図をチェックしたり、本文のゲラをチェックしたり。目がショボショボする。気がつけば夜半過ぎ。

この三カ月間、僕をさんざん悩ませ続けていた近所の道路工事は、先週末にようやく完了したらしい。今日は水を打ったように、しーん、と静まり返っていた。ていうか、これが当たり前なんだよな、この界隈では。毎朝ドリルの振動とともに目覚め、パワーショベルが地面を掘り返す音でラジオも聴こえず、電話の打ち合わせがローラー車の轟音に遮られるような日々も、これで終わりだ。やれやれ。

しかし、武蔵野市にはほとほと愛想が尽きた。引っ越そうかな‥‥。

「伝える者」としての仕事

昨日の午後は、ジュレーラダック主催のトークイベントにゲストとして出演して、写真をスライドで見せながら話をした。持ち時間は30分だったのだが、結局、10分以上もオーバーして喋ってしまった。会場は思ってたよりも盛況で、終了後にも何人かのお客さんと話をさせていただいた。自宅からわざわざ僕の本を持ってきて、サインを依頼してくださった方も二人いて、何だかとても嬉しかった。

僕はライターで、編集者で、時々はフォトグラファーでもあるけれど、トークに関しては、技術的にもとてもプロとは言えないと思う。でも、トークイベントで人前に出る時は、いつも「これも大切な仕事だ」と自分に言い聞かせて、万全の準備をして臨むようにしている(今回はギャラは発生していないけど)。わざわざ時間を作って、遠路はるばる足を運んで、お金を払ってまで見に来てくれるお客さんに対して、いいかげんなことはできないし、したくない。ちょっとでも「見に来てよかったな」という気持を持って帰ってもらうために、全力を尽くす。それも、「伝える者」としての自分の仕事なのだと思う。

これからも、折々に機会があれば、そういう役割をきちんと果たしていきたいと思う。