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キャンパスライフ

取材のため、朝から出かける。総武線から埼京線、そして宇都宮線に乗り換え、辿り着いたのは東大宮。ここにある大学のキャンパス内で、インタビューの仕事があったのだ。

ほんのりと春色に染まった空の下、新入生らしいたくさんの学生さんたちが、キャンパスの中を行き来している。生協前で売られている新学期の教科書。学食の前にずらりとできている行列。どの科目を履修するか、きゃぴきゃぴと話し合っている女の子たち。取材の合間、ベンチに腰掛けてハンバーガーを頬張りながら、そんな光景を眺める。

キャンパスライフって、こんなにもフレッシュでみずみずしいものだったのか‥‥。とうの昔に忘れてしまったというか、そもそもそんなキャンパスライフを味わえていたかどうかさえ疑わしい。人間、楽しめる時に楽しんどかなきゃダメだな。

‥‥まあ、あと二カ月も経てば、このみずみずしさも、倦怠感に取って代わられるのだろうけど(笑)。

期待という名の賭け金

昼、印刷会社から連絡。ガイドブックの第一次修正作業が終わって、データを用意してくれたとのこと。さっそくPDFをダウンロードしてチェックする。

この修正作業、先週末までに僕と編集者さんが用意した、修正指示で真っ赤になったゲラを基に、今週いっぱいかけて印刷会社のオペレーターさんが取り組んでくれていたものだった。途中聞いていた話では「とても手に負えない部分もあるので、かなりの部分をまたデザイナーさんにお願いするかもしれない」という雲行きだったのだが、PDFを見て、びっくり。「ここまで直ってるとは」とちょっと驚いてしまうほど、綺麗に手を入れてくれていた。これなら、この後の作業は格段に楽になる。

一冊の本は、一人の力だけではできない。たくさんの人たちが力を貸してくれて、初めて作り上げることができる。単なる仕事や人付き合いの枠を越えて、みんなは言い出しっぺの僕に、期待という名の賭け金を賭けてくれているのだ。それは、時にとてつもなく重く感じるけど、同時に自分を支えてくれてもいる。

あともう少し、がんばらねば。

大きく跳ぶ

去年からずっと取り組んできたラダックガイドブックの制作も、いよいよ佳境。終わりが見えた、というにはまだ早いけど、終わった後のその先を考える時期には来ている。

これまでに撮影してきた写真や、経験してきたことに基づくアイデアなど、それなりの蓄積ができてくると、どうしても、その蓄積だけでもある程度のものが作れるのではないか、という気分になってしまう。今の自分ならやっていける安全圏に、基準を置いてしまいがちになる。でも、それではダメだな、と最近また思うようになった。

収入面とか、周囲の評価とかを考えれば、確実にできる範囲で手堅くやっていく方が有利に決まっている。でも、僕はやっぱり、大きく跳びたい。たとえ、それでずっこけることになったとしても、その先にある景色を見てみたい。

写真は撮らなければ見てもらえないし、文章は書かなければ読んでもらえない。人の心を動かすのは、とてもとても難しいことだ。覚悟を決めなければ、と思う。

うたたね

午前中から都心へ。チェックを終えたガイドブックのゲラを編集者さんに引き渡す。まだまだ先は長いが、とりあえず一つの段階をクリアしたことは確か。

何だかホッとした気分で、各駅停車の総武線に乗る。窓からうららかな日射しが射し込む、いい天気。電車に揺られてるうちに、ついついうとうと。気が抜けたからか、やけに眠い。

三鷹に着いてからも、眠気はさっぱり収まらず。ふらふらしながら家に帰り、そのまま寝床にぶっ倒れて、三時間ほども眠った。おかげで今、真夜中になってもギンギンに目がさえている(苦笑)。

雌伏の日々

今週は、ガイドブックのゲラチェックにひたすら没頭している。ソファやテーブルいっぱいにゲラを広げ、赤ボールペンを握りしめ、ここを一行削ろう、この写真を修正しよう、とかいう、とてつもなく地味な作業。

取材に出かける時以外はほぼ自宅で作業しているので、きっと近隣の住民からは、「あそこに住んでる男の人は、いい年こいてニートなのかね」と思われてたりするのかもしれない(苦笑)。実際、近所を出歩く時は、不審者としか思えないズルズルの格好だしなあ‥‥。マンションの管理人さんが僕の素性を知ってくれているのは、せめてもの救いか。ちょっと家を留守にする時でも、連絡したら「またインドですか?!」とか言われるけど(苦笑)。

そんなこんなで、不審者と間違われかねない、雌伏の日々。