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歌うなら、自分の歌を

今日と明日は、自宅で執筆作業に充てる。明日の夕方に某大学で行われる公開講座の取材依頼が来たのだが、時間的にもキャパ的にも無理なので、やむなく断る。まあ仕方ない。

臨戦態勢を整えて、夜半過ぎまで、一心不乱に書き続ける。どうにか形にはなった‥‥かな。先週末に取材したインタビューの原稿。元々の話自体が面白かったので、指定文字数に合わせて、テープ起こしした分から削っていくのがもったいないくらいだった。

この仕事に携わるようになってから、インタビューの原稿は、文字通り数えきれないほど書いてきた。二十代初めの頃は、雑誌に載るような読み応えのあるロング・インタビューを書けるライターになるのが夢でもあった。やがて幸運なことに、実際にそういうインタビュー記事をいろんな雑誌で毎月のように書かせてもらえる立場になったのだが、僕はいつも、心のどこかで、小さな違和感を感じていたように思う。

燦然と輝きを放つ人にインタビューして、その輝きを余すことなく読者に伝える。でもそれは、人が放つ輝きのおすそわけに預かっているということでもあった。インタビューという仕事自体には価値があると思う。けど、それだけでいいのか? 他人のヒット曲を歌っていればいいのか? 歌うなら、自分の歌を歌うべきなんじゃないのか?

だから僕は、六年前、すべてを放擲して、ラダックに向かったのかもしれない。

これからも僕は、いろんな種類の取材を請け負うだろうし、インタビュー記事もいくつか書いていくだろう。でも、一番追求していくべき仕事は「自分の歌」なのだと思うし、それが一番周囲から求められているものだとも思っている。

春は過ぎ行く

午後、池袋で取材。今日は一件だけだったので、さくっと終わった。電車で三鷹まで戻ってきたのもまだ早い時間。髪の毛がぼさぼさに伸びていたことを思い出し、駅の近くの理髪店へ。頭が軽くなって、さっぱりした。

家に戻る前に、ひさびさにたかねをのぞく。商品棚の中に、道明寺と柏餅が並んでいる。どうしようかなと思ったが、持ち帰りで道明寺を二つ注文。するとお店の人が「よかった、道明寺、今年は今日の分で終わりなんですよ」と。夜のテープ起こし作業の後にいただくことにする。

桜が散って、道明寺が終わって、いつのまにか、春は過ぎ行く。ぼやぼやしてると、見失ってしまうもの、忘れてしまうこと、たくさんあるのかもしれないな。

八重桜

朝から夕方まで、豊洲で取材。一日で四件の取材となると、さすがにきつい。最後の方になると、「あれ、最初の人に何聞いたっけ‥‥?」てな感じで、モーローとなる(苦笑)。行きも帰りもラッシュアワーにぶつかって、帰りはずっと立ちっぱなしだったのもしんどかった。

それでも思うのは、天気がいいと、こんなにも気が楽になるんだな、ということ。今日は本当にうららかな日和で、取材の合間に広場でベンチに坐っていると、背中を暖めてくれる日射しが心地よかった。歩道沿いの並木の梢には、八重桜がもこもこと咲いていたっけ。

今日もどうにか乗り切った。明日は一日、家で原稿の執筆にあてられる。よっしゃ。

ひたすら眠る

昨日の昼に起き出した時、「あ、やばいな」と直感した。

仕事の疲労が蓄積して、限界を超えた時のいつものパターン。身体が異様にだるく、立つどころか椅子に座っているのもつらい。両のこめかみもズキズキする。一度は机に向かって原稿に取り組もうとはしたものの、やはり無理で、しばらくベッドにもぐり、目を閉じてじっと横になっていた。

夜になって多少楽になってきたので、頭痛薬を飲みつつ、原稿の続きに取りかかる。疼くこめかみを押さえながらだったので、いつものような集中力はとても出せなかったが、どうにかある程度進めて、夜半過ぎから再び眠る。

それこそ阿呆みたいにひたすら眠り続けたからか、今日起きてみたらだいぶ調子が戻っていて、身体もしゃんとしてきた。原稿の続きに取り組んでノルマを終わらせ、次の原稿のためのプロット作りや、明日の取材の質問表の準備。

来週も忙しいな‥‥何とかなるかな? 何とかなるだろ。

自分が読みたいことを書く

昼、国立で取材。自分自身で人選した取材を日本国内でするのは、ひさしぶりな気がする。

今日の取材で聞いた話の中で、印象に残ったこと。ターゲットや何やらを気にして、「こういうことを書けば好きになってもらえるだろう」と思って書いても、たいてい、思ったような結果は出せない。それよりも、自分が好きなこと、自分が読みたいと思えることを素直に書けば、それに共感してくれる人は必ずどこかいる。すべての人に好感を持ってもらうのは無理なんだから、限られた数の共感を持ってくれる人をまず大切にすべき、と。

ほんと、そうだな。僕のラダック絡みのプロジェクトとか、ある意味、その最たるものだ。あまりにマニアックすぎて、結果が伴ってるかどうかも未だによくわからないけど(苦笑)。