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トホホな日

今日はひさしぶりに取材の仕事。一件だけなのだが、取材場所が遠い。なんと、山梨県の甲府。三鷹から中央線で立川まで移動し、そこから特急に乗り替えて甲府まで行くことになる。

切符は昨日のうちに買っておいたので、割と余裕を持って駅まで行ったら、中央線が軒並みストップしている。少し前に荻窪で人身事故があったらしい。三鷹まで来ていた下り列車が動くとのことで、とりあえず立川まで移動。乗る予定だった特急をそのまま待ち続けると間違いなく取材に遅刻するので、その時点で一番早く来そうな甲府方面行きの特急に切符を振り替えてもらうことにする。みどりの窓口の長い行列に並んで待ち続け、ようやく切符の変更に成功。その頃には徐々に中央線の運行も復旧し、振り替えてもらった特急(それでも一時間遅れ)に無事に乗れた。

そんなこんなのバッタバタな状態で、予定時刻ギリギリに現場に到着。で、取材自体もいろいろあってバタバタしてしまい、すっかり疲れ果てて甲府駅に戻る。せめて少しでも旅らしい気分を味わおうと、地元の名物らしき駅弁を買い、帰りの列車の車内で食べる。‥‥が、味、ボリュームとも、残念ながら期待はずれ。何だよまったく。

何から何まで、トホホな感じだった一日。やれやれ。

細かい性格

終日、部屋で仕事。スピティとラダックについての雑誌記事は、原稿素材一式をまとめてチェックに回した。今日は九月下旬からのタイ取材の下準備に着手。

この取材では、四週間のうちに、結構びっくりするくらいたくさんの場所を調べて回る。下準備では、まずは旅程全体を通じて、街から街へとどうやって移動して、どこに泊まって、どんな風に取材を進めるかを、できるだけ細かく確認していく。特に、大きな街では、調べなければならない宿や店舗の数が膨大なので、地図を見て場所を確認しながら、どういう順番で回っていけば無駄なく効率よく回れるかをシミュレートする。

いやー、細かいなあ。なんて細かい性格。我ながらちょっと嫌になる(苦笑)。出たとこ勝負でがつーんと行けばいいじゃん、と正直思わなくもないのだが、何しろ取材項目が本当に途方もない数なので、少しでも効率化を図ってリスクを減らすしかないのだ。準備不足でくだらないミスをしたら、それこそ依頼元に申し訳ないし。

そんなわけで、これからしばらくの間、ちまちまと細かい作業を続ける。

大事なものは面倒くさい

今日もずいぶん涼しくて、過ごしやすい。終日、部屋で原稿を書く。

今回の原稿も、全体の形はだいぶ整ってきた。とはいえ、細かい部分の煮詰め具合はまだまだ。耳ざわりのいいきれいな言葉より、シンプルで端的な描写。文字数の制約もあるのでなかなか難しいけれど、それでも少し間を空けては見直して、修正をくりかえしていく。

夜、「プロフェッショナル 仕事の流儀」の宮崎駿監督特集を見る。絵コンテで壁にぶち当たって苦しむ監督が、「大事なものは、たいてい面倒くさい」と呟いていたのが、心に刺さる。そう、面倒くさいのだ。ものづくりにしろ、他の仕事にしろ、面倒くさい部分を避けていたら、何の意味もないし、もちろんいい結果も出ない。

今の自分も、思うようにならずに苦しんでいるうちは、まだ恵まれているのかもしれないな。

半歩後退、半歩前進

終日、部屋で仕事。今日は昼からずいぶん涼しい。さほどクーラーで部屋を冷やす必要もなく、少しほっとする。

スピティとラダックの雑誌記事の原稿に着手。午後から夕方にかけて、それなりに書き進めたのだが、どうもいまいちしっくりこない。もやもやするので、いったん全部ナシにして、晩飯を食べてシャワーを浴びて、あらためて仕切り直し。自分が書き慣れているパターンに頼りすぎないように、細かく見直しつつ書いていく。今度はうまくいった‥‥かな? 半歩後退、半歩前進。

でも、明日起きてから見直してみたら、また書き直したくなってるかもしれない。一進一退。そんな風にして、原稿はできあがっていく。

写真を選ぶ

終日、部屋で仕事。先日依頼を受けたスピティとラダックについての雑誌向け記事に使う写真のセレクトに没頭する。

今回の記事が掲載される雑誌は、判型がA4サイズよりもさらに幅2センチほど大きいし、8ページも使えるので、写真の載せがいがある。去年から撮影し続けて以来、まだほとんど外部に発表していない写真をようやくちゃんとした形で発表できる最初のチャンスだから、いやがうえにもセレクトに力が入る。あれも載せたい、これも載せたい‥‥そしてはたと気付く。8ページも使える、ではない。8ページしか使えない、のだ。載せたくても載せられない写真の、なんと多いことか。

この記事が完成した後、これを目にした人たちは、どんな風に思うのだろう。自分が「これはいい」と思っている写真でも他人にはそうでもなかったり、そうかと思えばその逆の場合もあるから、正直、どうなることやらわからない。でも、どうにかして、届けたいのだ。あのスピティの谷を吹き抜けていた、乾いた風の感触を。