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新しいカメラ

数年ぶりに、仕事用の新しいカメラを買った。ニコンのD800。当面の主力レンズとして、AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRも。二つ合わせると、家電量販店でもかなりの値段になってしまうが、手持ちの古い機材をマップカメラに下取りに出してレンズを入手したり、アマゾンで最安値をつけた瞬間を狙ってボディを注文したりしたので、予期していたよりは多少安く手に入った。とはいえ、手痛い出費であることに変わりはない。先月は同じく数年ぶりにMacも買い替えたし、もう鼻血も出てこないほどの出費だ(苦笑)。

ただ、高画素化が進んだデジタルカメラとそのデータに対応可能な作業環境の導入は、避けて通れない道であることは前々からわかっていたことだった。新しいカメラもレンズもMacも、これからもっとたくさんいい写真を撮って、もっといい仕事に繋げるためのもの。来年からまたがんばらねば、とあらためて気を引き締める。

とはいえ、これからもいろいろ物入りなんだよな‥‥。大容量のメモリーカードとか、予備のバッテリーとか、地味にいろいろと。なので、お仕事のご依頼、お待ちしています(笑)。

近場の取材

朝から吉祥寺で取材。今年の二月にやったのと同じ大学が収録現場で、家から歩いて15分ほど。たとえば県外で朝イチからの取材とかだと、寝坊しないようにというプレッシャーや通勤ラッシュの混雑で、到着までにほとほと疲れきってしまうのだが、歩いて行けるというのはほんとに気楽だ。まあ、めったにないんだけど(笑)。

今日の取材は、全部で四件。それぞれの間が一、二時間ほど空いていたので、昼は吉祥寺の街の中心まで出ておひるを食べて、ついでにロフトで来年の卓上カレンダーを買ったりした。で、午後の取材開始前の待ち合わせ場所に戻ると、他の方々がみな、「ヤマモトさん、家まで戻っておひる食べてたんですか?」と聞いてくる。いや、さすがにそれはない。家まで戻ってしまったら、完全にくつろいでしまっちゃうし(笑)。

明々後日は、同じ現場で再び取材。次は件数が多い上にスケジュールもタイトなので、気を引き締めてかからねば。

冬の嵐

朝から荒れ模様の天気。昼から都心に打ち合わせに行かなければならないのに、困ったな‥‥と思ってたら、幸い出かける頃には雨も止んでくれた。東西線が竜巻を警戒して徐行運転だったので、遅刻するかもとちょっと焦ったけど。

今日の打ち合わせは、みっちり二時間、新しい企画の進め方についての話し合い。本づくりの実作業そのものは大変でも楽しくもある時間だけど、それを実現するための助走期間は、とにかくただただ大変で、自分の力ではどうにもできない部分も多くて、精神的にもしんどい。まあでも、それも自分が選んだ道だから。

帰りは東京駅まで歩いて、中央線で。中野を過ぎたあたりで、どんよりとした雲が突然裂けて、眩い光がこぼれ出てきた。冬の嵐は、いつかは過ぎ去る。

編集者よ、メールには返事を書こう

この文章は、世の中で少なからず該当する出版社勤務の編集者の方々に読んでほしいと思っているのだけれど。

僕はフリーランスの立場で本を作ったり、雑誌に記事を寄稿したりしている。新しい企画を立てた時、その内容によっては、それまで一緒に仕事をしたことのない出版社に、企画の持ち込みができるかどうかを問い合わせることもある。

企画の持ち込み方としては、まずその出版社のWebサイトを確認。外部からのそういう持ち込みを受け付けていない出版社は、Webサイトにその旨を明記していることもあるからだ。そうした記載がなければ、サイトに載っている電話番号に電話をかけ、身元を明かして簡単な説明をした上で、その出版社のどの担当者の方に企画書を送付すれば受け取ってもらえるかを聞く。それまでの過程で断られる場合ももちろんあるのだが、担当者の方のメールアドレスまで教えてもらえたら、企画書など必要な資料を整えてメールに添付して送り、興味を持っていただけるようなら直接訪問して説明する旨を伝える。

で、ここからが問題。これだけきっちりとした手順を踏んで先方の窓口を確認し、きちんと礼節を守る形で問い合わせをしても、まったく返事をよこさずにシカトを決め込む編集者が、世の中にはびっくりするほど多いのだ。一般社会の常識からすると、本当に信じられないような対応だと思うのだが。僕自身、今まで何度そうした失礼な対応に遭遇してきたかしれない。

送られてきた資料の受領の確認、あるいは断りの連絡、いずれも数行のメールを書いて送るだけですむ話。ほんの数分もあればできる作業だ。「出版社の編集者の仕事は忙しいから」なんてのは言い訳にすらならない。要するに、単に相手を見下していて、面倒くさいから放置しているだけなのだ。他に何かもっともな理由があるだろうか?

メールではないけれど、こんな話を聞いたことがある。大手出版社から季刊で刊行されている割と有名な旅行雑誌が、チベットの特集を組むことになった。それを前号の予告で知ったあるフォトグラファーの方が、自分が撮った写真に興味を持ってもらえるのではと編集部に問い合わせの電話を入れたのだが、応対に出た編集部の人間は「はぁ? あんた誰?」とけんもほろろなひどい対応。ところがどっこい、実はそのフォトグラファーの方は、日本でも一、二を争うチベットの撮影のスペシャリストだったのだ。後でそれを知ったその雑誌の編集者は、平身低頭平謝りで、写真を使わせてほしいと頼みに行ったとか。手のひら返しもいいところである。

世の編集者の方々には、しかるべき手順と礼儀を守って送られてきた問い合わせのメールには、どんなに簡潔でもいいから返事を書くようにしてもらいたい。面倒くさいからとシカトすることは、それだけ相手を見下しているということでもある。そしてその相手は、そうしてシカトされて見下されたことを、いつまでも覚えているものなのだ。出版社にとって、そんなことで潜在的な敵意を増やすのはマイナスでしかないと思う。

まとめると、真っ当な手順と内容のメールにはすぐに返事を書く、という社会人として当たり前のことくらい、きちんとやってよね、という話。フリーランスをナメんなよ。

冬の空

タイ関連のゲラの残りが割と早い時間に届いたので、昼のうちにチェックを進め、夕方、近所の郵便局からレターパックライトで発送。まだ、写真を大きく使っているページの具合を確認する必要が少しあるかもしれないが、ややこしい作業はこれでほぼ終わり。ほっとした。

郵便局に行ったついでに、コーヒー豆を補充しに、まほろば珈琲店へ。途中、たかねでひさしぶりにたい焼きを一つ買い、熱々なのをほふほふと頬張りながら歩く。まだそんなに遅い時刻でもないのに、あたりはもう薄暗い。暮れていく冬の空を見上げる。

ついこの間、夏だとか暑いとか思ってたのに、もうすっかり冬になってしまった。日々は瞬く間に飛び去っていく。また来年の暮れ、こんな風に冬の空を見上げるようになるのも、きっと、あっという間なのだろう。

うかうかせずに、でもあわてずに、日々をしっかりと生きよう、と思った。