Tag: Work

コワーキングスペースを試す

今日は、吉祥寺にあるコワーキングスペースに行って、お試しで何時間か作業をしてみた。

普段、デスクワークはほぼ100パーセント、自宅の仕事机でするようにしている。スタバやルノアールなど、自宅以外の場所で作業するのは苦手な方だ。ただ、最近は相方が、勤め先の事情でほぼ毎日、自宅でのテレワーク勤務になっている。普通のデスクワーク、つまりメールなどでの連絡業務や、頼まれ仕事の執筆や編集作業であれば、相方と机を並べての作業でも、別に気にならない。ただ、(これから入ってくるかもしれない)自分自身の新しい本の原稿を書き下ろす作業が発生すると、周囲の気配から隔絶された、一人で完全に集中できる環境があった方がいい。そこで、一人執筆作業環境の候補地として、コワーキングスペースを試してみることにしたのだ。

今回試したコワーキングスペースには、開放型の座席のほかに、一人分ずつ前と左右をパーテーションで完全に仕切った、ブース席がある。僕が目をつけていたのはこのブース席だったのだが、実際に試してみると、申し分のないぼっち感(笑)。周囲の動きが視界に入らない(つまり自分の挙動も周囲から見られない)と、自分の作業に没入しやすくなる。他の席でリモート打ち合わせなどが始まってしまうと、その声が漏れ聞こえてくるのが少し気になったが、ノイズキャンセリング機能付きイヤフォンを導入すれば、割と簡単に解決できそうだ。あとは、普段と違う環境を一人で体験できたので、単純にテンションが上がった(笑)。単発での利用だとそれなりの値段だが、月極プランとかだとかなり割安に使えるというのも、悪くない。

とりあえず、新しい本の企画、二冊分のどちらかが通ってからの話になるが、作業環境をうまく切り分けつつ、より良いコンディションで執筆に集中できるようにしようと思う。

なぜか二冊も

昨年来のコロナ禍で、ずいぶん長いこと、海外に行けていない。去年の年明けに五日間ほど台湾に行って以来、ずっとだ。ラダックにも、アラスカにも。これから先、いつからまた行けるようになるのか、その見通しもまだつかない。

これだけ長い間、日本に釘付けにされていると、本やら何やらを作るためのアイデアも、さすがに枯渇してきそうだ。実際、今年六月に『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』を上梓した時は、「はいっ、もうこれですっからかん。ネタのストック、もう何にもなし!」という気分で、すぐには次の手を考えることさえできなかった。

ところが今は、なぜか二冊分もの企画を、同時進行で検討しているのだから、わからないものだ。

一冊は、以前から考えていた企画を具体的なロードマップに載せて、形にする方向で調整しているところ。もう一冊は、ほんの数日前にふと思い浮かんだアイデアが、みるみるうちに具体的な形となって固まりはじめているところ。一方はラダックについての本だが、もう一方は、大半がラダック以外の話についての本だ。で、どちらの企画も、出版社との相談を始めている。

実現できるといいなあ。できれば、どちらの本も。そうなると、これからまたしばらく、せわしない日々が続きそうだけど。

次の次、そのまた次

少し前から、次に書こうとしている本の企画書作りに取り組んでいる。

この本に関しては、アイデア自体は以前からあって、「まったく新しいもの」というよりは、「すでにあるものをよりよい形に置き換えるもの」だ。アイデアさえ固まれば、原稿はすぐにでも書き始められるのだが、最終的に本として仕上げるには現地取材が必要なので、完成はまだだいぶ先になりそうだ。でも、頭の中で、ああしようかな、こうしようかな、とアイデアを練るのは、やっぱり楽しい。

この本の次に作ろうかなと考えている本も、実はうっすらとイメージはある。これは、最初からかなりがっつりと現地取材をして、その上で方向性を見定めていくことになりそうで、本として書けるかどうか、今はあまり自信がない。まあ、『冬の旅』の時も、旅の途中までは本にできる自信はまったくなかったから、この企画も実際にやってみないとわからないけれど。

で、そのまた次に作りたいと考えている本も、あるにはあるのだが、これはさらにイメージが茫洋としていて、どこから手をつけていいのかもまだはっきりわからない。ただ、いつまでも足踏みを続けているわけにもいかないので、動けるようになったら積極的に動いていきたい、とは思っている。

そんなこんなで、アイデアは、たくさんある。あとは、いつ海外に普通に行けるようになるか、だな。

一年ぶりのラジオ

昨日の午後は、J-WAVEの「GOOD NEIGHBORS」という番組に出演した。ラジオ番組への出演は、昨年春に出たbayfmの「THE FLINTSTONE」以来、約一年ぶり。J-WAVEでの出演となると、2012年以来、九年ぶりということになる。

昨年の出演時はGoogle Meetを使ってのリモート収録だったのだが、今回はリモートでの生出演。スタジオとの映像中継はパソコンのZoomで(Zoomの音声はオフ)、音声はiPhoneのFaceTimeアプリ(FaceTimeの画面はオフで音声のみ)でマイク付きイヤフォンを使って、という方式だった。聴いてくれた方々がみな「リモートなのに、話し声が意外にクリアでびっくりした」という感想を伝えてくれた。実際、FaceTimeで音声を取ると、Zoomなどよりも音質がかなりよくなるらしいのだ。かれこれ一年以上もの間、リモートでのゲストの出演や収録を数多く強いられているラジオ局側の工夫なのだと思う。

トークの内容自体は、平日午後に放送される穏やかな雰囲気の番組ということもあって、聴く人の大半をおいてけぼりにするようなマニアックな話は、もちろんしなかった(笑)。ただ、それまで僕やラダックのことをまったく知らなかったような人が、今回の放送を聴いて「へー、ラダックって、どんなところなんだろう」と心の隅にでも付箋を貼っておくように気に留めてもらえていたら、それだけで僕はとても嬉しい。

次にJ-WAVEからお呼びがかかるのは、いつなんだろう。また、九年か、十年後くらいかな(笑)。

そしてまた、次の本へ


『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』が、昨日から正式に発売された。書店への入荷が少し早かったようで、実際には先週末の時点から、店頭には並んでいたのだけれど。

今回の本は、見本誌が出来した時点で信じられないようなトラブルが発覚し、出荷直前のぎりぎりのタイミングでその対応に追われる羽目になって、本当に大変だった。修正が終わった正規版を自分の手に取って確かめるまで、何日もの間、心配でろくに眠れないような思いで過ごした。どうにか綺麗に直っていたので、今は心からほっとしている。

この『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』が、世の中でどんな風に受け止められるのかは、わからない。酷評されるかもしれないし、冷淡に無視されるかもしれないし、すぐに忘れ去られてしまうかもしれない。それでも、100人のうち1人か2人くらいの人には、心の隅にクリップで留めておいてもらえるような本であってほしい、と願っている。

本が完成して世の中に出て行った今、僕にできることは、それほど多くない。自分的には、今はもうすっかり、次の本づくりへと心が動き始めている。次は、どんな本を作ろうか。ガイドブックか、あるいはそれとは別の種類の本か。まあ、今年のうちに自分自身がワクチンを打って、渡航先も平穏な状態に戻った後でなければ、何も行動は起こせないのだが。

さて、次は、どうするかな……。