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つかのまの日本

昨日の朝、2カ月ぶりにインドから日本に戻ってきた。

今年のインド滞在は、大小いろんな仕事が入り乱れていて、あれやこれやとあたふたしてるうちに、いつのまにか終わっていたという印象。出発前には心配事がたくさんあったし、実際に渡航してからも、特にスピティでありとあらゆるトラブルに見舞われたのだが、最後の最後でツキに見放されずに、どうにか乗り切ることができた。そういう意味では、今年もソデチャン(ツイてる人)でよかったなあと思う。

で、ひさしぶりに日本に帰ってきたのはいいのだが、10日後には再び日本を離れることになってしまった。プレスツアーに同行しての取材で、南アフリカに10日間。そのツアーから戻ってきた後、10月初旬からは、毎年恒例のタイ取材に4週間。何が何だかわからないうちに、このまま2015年が終わってしまいそうな気配だ。

今も南アに出発する前にやらなければならない仕事が山積なのだが、とりあえず深呼吸でもして、目の前のものに一つずつ、確実に取り組んでいこう。

不安な前夜

昼のうちに荷造りをすませ、夕方から少し外へ。リトスタは貸切宴会だし、婆娑羅は珍しく予約で満席だしで、パスタとビールで最後の晩餐。まあ仕方ない。うまかったからオッケー。

それにしても、明日からの取材の日々、特に序盤戦に不安が残る。僕以外の先方の関係者のビザが出たの、今日の夕方とかだし(苦笑)。いろいろぎりぎりすぎて、現時点で無理が出てる部分もあるので、道中でトラブルがあるんじゃないかと気が気でならない。とりあえず、30日にスピティに着くまでは、まったく安心できない。

まあ、ここまで来たら、もうなるようにしかならないか‥‥。観念するしかないな。

そんなわけで、しばらくブログの更新をお休みします。帰国は8月26日(水)の予定です。では。

禍福は糾える縄の如し

午後、リトスタで打ち合わせ。8月下旬にラダックでガイドを務めるツアーの詳細について。いい感じで詰めることができた。協力してくれる方々もいるし、たぶんいいツアーになるんじゃないかなと思う。

昨日も今日も、僕にしては妙にいい流れが来ているのだが、正直、世の中そんなに甘くないだろうと思っている。禍福は糾える縄の如し。流れがいい時もあれば、悪い時もあるのは当たり前。流れが悪い時にいかに深手を負うのを避けるか。流れがよくなった時にいかにそのチャンスを掴むか。そうやって小刻みに工夫しながらやっていくしかないのだと思う。

‥‥とりあえず、土曜に乗るはずのデリー行きの飛行機のEチケットが未だに依頼元から届いてないというのが、目下の懸案事項だ(苦笑)。

岸辺へ

昼、荻窪で打ち合わせ。来年の春頃を目指して、ある本を新たな形で作ることになった。

打ち合わせを終え、陽射しが照りつける線路沿いの道を歩きながら、ああ、僕はついに、岸辺に辿り着いたのだ、と思う。この本の原型となるアイデアを思い立ったのは約三年前。それからの日々はまるで、対岸の気配すら感じられない、濃霧のたちこめる海に小舟で漕ぎ出したようなものだった。いくつもの出版社から門前払いされたり、適当にあしらわれたり、反応さえしてもらえなかったり。いったい何度、悔しい思いをしただろう。それでもあきらめられずに、僕はもがき続けてきた。

それから時間が経つうちに、この企画を取り巻く状況も少しずつ変わってきた。アイデアと戦略を軌道修正し、人のつながりにも助けてもらって、ようやく、本当にようやく、僕は今、岸辺に辿り着いたのだ。最終的に作ることになったこの本は、今にして思えば、運命としか言いようがないというか、作るべくして作ることになった本だと思う。

これは僕にとって、ある意味、一番大切な本になるかもしれない。

旅の重石

終日、部屋で仕事。取引先や、取材でお世話になるインドの知人に連絡をしつつ、自分用の行動予定表や取材で必要な資料を準備する。木曜日くらいまでにすべて整えられれば、まあ、大丈夫だろう。

夕方、晩ごはんを食べに外へ。歩道をぶらぶら歩きながら、これから始まる長い旅と、そこでいくつも待ち受けている取材のことを考えると、ずしっ、と心が重くなる。憂鬱というわけではないけれど、一つひとつの仕事のプレッシャーがのしかかってくるというか。いつから僕は、こんな風に重石を感じながら、旅の支度をするようになったのだろう。

まあそれも、出発の日の朝に、バッグを背負ってシューズを履いた瞬間に、ふっと軽くなるのだろうけど。旅に出てしまえば、きっと、いろんな意味で自由になれる。