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濃密な宴

昨日は夕方から、ひさしぶりに綱島へ。ポイントウェザーで松井直子さんがアンダマン諸島の写真展をされていて、そのオープニングパーティーという名の持ち寄り飲み会。

集まった人数はそこまでめちゃめちゃ多くはなかったのだが、石川武志さんや石川梵さんと膝をつき合わせる距離でお酒を飲みながら話を聞ける機会なんて、そうめったにあるものではない。ここぞとばかりにいろんな質問をさせていただいたりしたのだが、気さくに話をさせていただけて、嬉しかったし、楽しかった。とても濃密な、いい時間だったなあと思う。

しかしまあ、自分が一番年上ではない(そしていつもは他の誰もそれに気付いてない)飲み会って、ひさびさだったかも(笑)。

にじみ出るもの

昼の間、部屋で原稿を書く。長めのインタビュー原稿をどうにか形にできたので、ほっとする。

夕方、都心へ。恵比寿でラーメンを食べ、ヴェルデでコーヒーを飲み、代官山蔦屋書店へ。竹沢うるまさんと旅行書コンシェルジュの荒木さんとのトークイベントを拝聴。途中で竹沢さんが急に僕の名を呼び、会場の全視線に急に振り向かれるという不測の事態に(苦笑)。僕の本を知っている方も何人か会場にいらっしゃって、終了後に声をかけていただいて、恐縮してしまった。

竹沢さんは、自分のメッセージや思いを込めようとして写真を撮ってはいないのだという。あくまで媒介者として、凪いだ水面のようにフラットな心で対峙し、何かに心が反応して波紋が浮かんだ瞬間にシャッターを切る。写真で捉えようとしているのは、自分自身の心の揺れ動きそのものなのだと。

メッセージや思い入れは、意図的に伝えようとしてもたいていうまく伝わらない。作り手や伝え手の個性というものも、意図的に出そうと思うとたいてい失敗する。そういうことを意識せず、自分自身の気持に素直に従って、前へ前へと進み続けていれば、個性や思いや伝えたいことというのは、しぜんとにじみ出てくるというか、見る人や読者がそれぞれに解釈して受け止めてくれる。そうやって委ねるべきものだとも思う。

レベルは大きく違うけれど、僕自身の文章や写真に対しても「ヤマタカさんらしいよね、ヤマタカ節だよね」とは周囲からよく言われる。僕自身は、いったいどのあたりがヤマタカらしいのか、未だにわかっていないのだけれど。笑われてるのかな(苦笑)。

Thailand 2016

旅から旅へ

10月のタイ取材を終え、2016年はもう、旅の予定は入らないと思う(たぶん)。沖縄、ブータン、ラダック、アラスカ、タイ……結局、今年は3カ月弱ほどの時間を、旅の空の下で過ごしたことになる。去年よりは1カ月くらい短いが、それでもまあ、大概長い。

ついこの間まで、来年の旅の予定は何一つ決まってなかったのだが、ここにきて、急にいろいろ入りつつある。ラダックはまた行くだろうし……ザンスカール? スピティ? それ以外の場所も? アラスカも訪れておきたいし……。今年よりも旅に費やす日々が長くなってしまいそうな雲行き。

旅をすること自体が目的ではないけれど、いつのまにか、そうやって仕事をする立ち位置の人間になってしまったのかな。旅から旅へ。またせわしない日々が続くのだろうけど、がんばります。

レッドネック

僕はもともと色白なたちだが、しばらく日に当たっていればそれなりに日焼けする。普通の人とちょっと違うのは、一年のうちで一番日焼けしているのが、今、11月初旬の時期ということだ。げにおそろしきは10月のタイ取材である。

もちろん、夏の間にインドやラダックにいる時も、強烈な日差しでそれなりに日焼けはする。特にトレッキングに行くとてきめんだが、それでも手足は長袖の服を着ているので、そこまで焼けない。しかし、タイではほぼ1カ月、Tシャツと短パン。夏休みが終わって2学期の始業式に来た小学生並みに日焼けする。足先にはサンダルのストラップの模様がくっきりと残ってしまうほどだ。

元が色白なだけに色が白く戻るのも早いのだが、それでもしつこく残るというか、年中日焼けで黒いままの部分がある。それは首筋、後頭部。ここはもう、日焼け止めやら何やら塗ったとしても、防ぎようがない。

ところで、米国の大統領選関連のニュースを見ていて最近知ったのだが、米国では、強烈な日差しの野外で肉体労働をしていて首筋が赤く日焼けした労働者階級の貧しい白人の人たちを、「レッドネック」という侮蔑的な呼称で呼ぶ層がいるのだそうだ。僕自身も世間的には見下されている部類に入るとは思うが(苦笑)、米国のそういうところは、やっぱり好きになれない。しかしまあ、大統領選、どうなるんだろ。