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「地球の歩き方 タイ 2017〜2018」

今回でかれこれ4年目になりますが、撮影とデータ取材の一部を担当させていただいた「地球の歩き方 タイ 2017〜2018」が発売されました。

今年の改訂版では、巻頭のカラーグラビアでタイ北部の街、チェンラーイ、チェンマイ、ラムプーン、ラムパーンを寺院を中心にして6ページほど新規で撮影(昨年まで僕が担当していたカラーグラビアのスコータイとアユタヤーの遺跡の写真と紹介テキストは、今回は別の方が担当しています)。その他には、本全体の巻頭トビラとタイ北部の章トビラの写真も担当しています。

タイへの旅を考えている方はもちろん、そうでもない方も(笑)、書店で見かけたら、お手に取ってみていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。

トークイベント「あなたの旅を本にしてみませんか?」のお知らせ

「旅の本を作る」というテーマのトークイベントに出演させていただくことになりました。日時は2月21日(火)、会場は文禄堂高円寺店。予約は店頭か電話(03-5373-3371)、Peatixにて受付中です。どんな展開のトークになるか、個人的にもとても楽しみにしている企画です。

終了後には、会場のすぐ近くにあるバー「BnA HOTEL Koenji」にて「旅人BAR」という企画に参加し、にわかバーテンダーを務めさせていただく予定です(苦笑)。ご興味のある方はぜひ。よろしくお願いします。

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「あなたの旅を本にしてみませんか?」
現役編集者に聞く“旅本”の作り方

自分の旅を本にして残せたらいいなあ……と、旅好きなら一度は考えたことがあるのでは? 今回は、“旅の本”で実績を持つ現役編集者2名に、「あなたの旅を本にするには?」を根掘り葉掘り聞いていきます。
・出版社に企画書を持ち込むのか? 自費出版で作るのか?
・本作りに必要なスキルは?
・今求められているテーマは?
など、自身のエピソードを交えてお話しいただきます。

個性的な旅人たち

昨日に引き続き、「旅の本を作るという仕事」というテーマについて考えていた時、もう一つ、ふと思い当たったこと。

最近、普通の旅行者とはかなり違った「個性的な旅人」を標榜する人、あるいは目指している人が多くなったように感じる。職業の肩書きであったり、特殊な旅の仕方であったり、服装とか、行く先々でのお約束的な行動とか、その他にもいろいろある。よく考えつくなあ、面白い、と感心させられるものも少なくない。

ただ、人によっては、旅人としてのプロフィール欄を飾ることに執着しすぎているというか、自分自身をキャラクター化、タレント化することに気を取られすぎているというか、そもそも、そのキャラ設定で旅に出る理由と必然性は何なの? と勘ぐりたくなる事例もちらほらあるように思う。それで「自分の旅の経験を本に書きたいんです!」という人には、旅先で見聞きして感じた経験を読者に伝えたいのか、それとも旅先で面白いことをやらかしているキャラ化した自分の武勇伝を書きたいのか、どっちなんだろう、と思ってしまう。目的が後者であれば、別に無理して旅に出なくてもいいような気もするのだ。

旅の仕方は人それぞれ、自由であっていいとは思う。ただ、僕自身は、旅の本を選ぶなら、自分が興味のある土地の文化や人々の様子が丁寧に描かれている本を選びたい。

仕事の旅と自分の旅

来月、「旅の本を作るという仕事」というテーマのトークイベントに出演することになったので、何を話そうかとあれこれ考えているうちに、ふと思い当たったこと。

たとえば、旅にまつわる文章を本や雑誌に書く仕事をしたいと志している人がいたとする。で、それに必要なスキルを身につける仕事としては、旅行関係の雑誌やムックやガイドブックを作っている会社や編プロで働くのが近道だ、と世の中の多くの人は考えると思う。僕も最初はそうなんだろうなーと考えていたのだが、あらためて、自分の知っている腕利きの旅行作家や旅写真家の方々の経歴を思い返してみると……そういうステップを踏んでいない人の方が、ずっと多かったのだ。

旅行関係の媒体を作っている会社に勤めると、独立した後も役立つ人脈を形成できるというメリットはある。でも、早い段階から仕事として課せられた旅をくりかえすことで、旅や異国に対する新鮮な感覚が磨耗してしまうかもしれないデメリットもある。実際、以前関わっていたある旅行関係の編プロにいた人は「もう取材に行きたくない……疲れた」と、うんざりした顔でぼやいていたし。

本や雑誌作り自体に必要なスキルは、別ジャンルの本や雑誌の仕事をしていても、まったく問題なく身につけられる。むしろ、若い時期ほど、行きたいと思った時に自分の好きなように旅をして、本当の意味で自分らしい経験を自分の中にたくわえていった方が、スキルと経験のバランスが取れた時に良い成果を生み出せるような気がする。あくまで僕個人の推測だけど。

仕事の旅は、自分自身の旅を満喫した後でも、いくらでもできる。自分の旅を楽しむ方が、ずっと糧になると思う。

次の旅へ

去年の10月末にタイでの取材を終えて戻ってきてから、かれこれ2カ月半、日本にいる計算になる。散髪に行っても、コーヒー豆を買いに行っても、行く先々で「あれ、まだ日本にいるんですね」「次はいつ、どこにですか?」と聞かれる(苦笑)。

次の旅は、実はもう決まっている。必要な手配もほぼ済ませた。3月上旬に一週間。目的地は、アラスカ。原野の真っ只中にあるウィルダネスロッジに、数日間、滞在させてもらう。今回はキャンプではないので、幕営の装備や食糧を持っていかなくていいから、かなり楽だ。これまでに比べると、ちょっと甘ちゃんの計画(笑)。

とはいえ、まだ雪がたっぷり積もっているはずの極寒の原野。油断してると、間違いなく痛い目に遭うだろう。ぬかりなく準備して、気を引き締めて、あらゆるものを見て撮って感じて書いて、楽しんでこようと思う。