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絶滅危惧種

午後、白金高輪で打ち合わせ。何年かぶりに会った編集者の知人と、初対面の編集者の方々との打ち合わせ。

今日に限らず、初対面の人に自分の職歴を説明すると、間違いなく「いろいろ手広くやってらっしゃるんですね〜」と言われる。確かに、執筆に編集に写真に、旅モノからIT系や大学や病院に至るまで、自分でもどうしてこうなったんだろうと思うくらいよろず屋と化している。

でも、基本的に僕は、「本づくり」を仕事にしているだけだ。それ以外は何もできないデクノボーと言ってもいい。こういう形で本づくりに携わる人間は、これからはどんどん減っていくと思う。きついし、つらいし、めったに儲からない。電子書籍やWebの情報の氾濫で、本づくりで生きていける道はますます狭まっていく。僕みたいなのは、いわば、絶滅危惧種なのだ。

それでも、この仕事を選ぼうと思っている人へ。きついけど、挑む価値はあるよ。

一日一アイデア

朝から大岡山で取材。台風みたいな雨と風。途中でビニール傘がものの見事に裏返ってしまった。濡れて寒いわ疲れるわで散々だったが、家に帰ってシャワーを浴び、温かいコーヒーを飲んで、やっと人心地。

今日の取材で面白かったのが、「一日一アイデア」という話。その方は、毎日必ず一つのアイデアを思いつくようにして、それをノートに書き留めているのだという。アイデアはどんなものでもよく、書き留めた時点で、それがいいか悪いかという判断はあえてしない。そうしてアイデアをどんどん書き溜めていくと、ある日、思いがけないひょんなタイミングで、役立つことがあるのだという。

面白いなあ。僕もやってみようかな。毎日一つ、新しい本のアイデアを。‥‥ハードル高いな(笑)。

揚げ物オーダーミス

朝から四ッ谷で取材。昼までにどうにか無事に終わったので、帰る前に四ッ谷界隈でおひるを食べることに。

以前エリーゼのあった場所で営業している揚げ物専門店で、ポークカツ定食を注文。しばらく待っても来ないので、どうしたのかなと思っていたら、店員さんの声が。

「おーまたせしましたー! おおきなチキンカツでーす!」

いや、僕はポークで‥‥と言いかけた僕は、店員さんが間違って目の前に置いた皿を、思わず二度見。でかっ! 下の白い皿がほとんど隠れるくらいの、フリスビーみたいな大きさのチキンカツ。こ、こんなでかいのを、昼からたいらげる人がいるのか‥‥?

恐縮した店員さんが後で運んできたポークカツは、幸い、常識的な大きさだった。あー、びっくりした。

桜吹雪

今日は午前中に本郷で取材。午後の八丁堀での打ち合わせまでちょっと間があったので、不忍池のあたりまで、ぶらぶら歩く。

おひるは、たまたま見つけた天ぷら屋で、天丼。えび、いか、きす、あなご、とたっぷり載ってて、おいしかった。取材疲れからちょっと立ち直って、不忍池を横切って上野公園の方へ歩いていく。咲き誇っていた桜が、はらはらと散っている。風が吹くと、桜色の吹雪があたりを包み込む。まるで、夢の中を歩いてるような気分だった。

こんな桜吹雪を、あと何回、見ることができるのかな、と、ふと思った。

薄氷を踏む日々

昨日は午前中から夕方にかけて、豪徳寺の近辺で取材。今日は昼に神保町で打ち合わせ。明日以降も取材や打ち合わせが続く。

これだけ平日の予定が埋まり続けると、原稿を書くのに割り当てる日が週末だけでは足りなくなるので、取材を終えて家に帰ってから、夜も原稿を書き進めなければならない。あまり夜更かしすると寝坊して朝イチ取材に遅刻してしまうという悪夢になりかねないので、難しいところなのだが。吹けば飛ぶよなフリーランスの身、一度派手に遅刻してしまえば、もうそこからお呼びはかからなくなる。ある意味、生活のかかったプレッシャーがのしかかる。

そんな薄氷を踏むような日々。まあ、本物の薄氷を踏む旅は、チャダルでさんざん経験したけれど(苦笑)。あの恐怖に比べれば、どうってことないか。