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生きている手触り

帰国して以来初めて、何も予定が入っていない日。昼から都心に出かける。品川と銀座のキヤノンギャラリーで開催中の野町和嘉さんの写真展「バハル再訪」と「ヒマラヤ仏教圏」、それと六本木の国立新美術館で開催されているアンドレアス・グルスキー展を回る。

グルスキー展には前から興味があって、じっくり見てみたいと思っていた。確かに面白い作風だし、壮大かつ緻密で、独特の美があると感じた。でも、白状すると、野町さんの途轍もない写真を見た後では、グルスキーの作品もいささか物足りなく思えてしまった。アフリカやヒマラヤの極限の大地で生きる人々ににじり寄る、その気迫。ざらりとした、生きている手触りが伝わってくる写真。これに比べれば、自分なんてほんとにヒヨッコで、足元にも及ばない、と改めて思い知らされた。

それでも、伝えることをあきらめるつもりはないけれど。僕も伝えたいな、あの、生きている手触りを。

亜熱帯

昨日の段階で、出発前の仕事はほぼ片がついた。今日は昼から、こまごました用事を片付けるため、外へ。

それにしても、暑い。この間梅雨明けしたと思ったら、最高気温が一気に7、8℃も上がる日々に突入してしまった。むしむしと寝苦しい夜。朝になったと思ったら、くらくらするような日射しが照りつけて、午後にはまるで滝みたいなスコールが降ったりする。子供の頃を思い返してみても、夏はこんなじゃなかった。日本は、もうすっかり亜熱帯になってしまったのだと思う。

あー。早く、高いところへ行きたい(笑)。

雲間から射す光

朝から夕方まで、南大沢で取材。今日は三人の方に、合計で六本分の原稿を書くための取材をした。本数もそうだが、ジャンルの振れ幅も相当大きかったので、文字通り脳みそが煮えたぎるような状態(苦笑)。すべてを終えて帰りの電車に乗る頃には、もうよれよれだった。

イヤホンで音楽を聴くともなく聴きながら、席にもたれて呆然としていたら、ふいに窓の外の景色がひらけて、明るくなった。多摩川の河川敷にかかる鉄橋を渡る電車。西の空の雲間から、淡い光が射し込む。そのやさしさに、何だか少しだけほっとした気分になった。

まあでも、取材したら、その分、書かなきゃならないしな‥‥。先は長い。

南風荘ビール

終日、部屋で仕事。先週取材した分の原稿は、どうにか形になってきたので、ひと安心。

風呂の後、ビールを飲もうと思ったが、こんな暑い日には気分を変えて、南風荘ビールを作って飲もうと思い立つ。要するにビールをグレープフルーツジュースで割ったものなのだけれど、特に暑い時にはさっぱり飲めて、うまかったりする。

南風荘ビールはもともと、高山なおみさんも関わっていた吉祥寺の名店KuuKuuのメニューだったそうだ。その後は国立のニチニチや国分寺のトネリコに受け継がれたが、トネリコは閉店してしまったし、今、南風荘ビールという名前で飲めるお店は、ニチニチのほかにどこかあるのかな。

そう思うと、何だかちょっと、ほろ苦い味。

新しい仕事

午後、高尾と八王子で取材。先日顔合わせした新しい依頼主からの最初の仕事。

新しい仕事で特に取材が絡む時は、要領をつかむまで、かなり慎重に行動するように心がけている。たとえば、ある人にインタビューする時、自分としては原稿を書くのに十分な数の質問をしたと思っていても、依頼主はまだ聞きたい質問が残っていたりすることが結構多い。最初のうちは、そういった細かい部分もいちいち確認してすり合わせながら、要領をつかんでいく必要がある。

昨日書いたエントリーにも通じることなのだが、最近は新しい依頼主も、従来からの依頼主も、割とこっちを信用してくれて、いろいろ任せてくれようとするケースが増えてきた。とてもありがたいのだけれど、それで勘違いして自惚れと過信から油断して、手痛いミスを犯したりしないように気をつけなければ、と思う。

今日はとりあえず、慣れないことだらけで、疲れた。ビール飲も。