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人に会うこと

昨日の夜は、綱島のポイントウェザーで、旅音の林さんたちとの旅人飲み会。僕は、あまりにも大人数な飲み会は人見知りがしてしまって正直得意ではないのだが、昨日は少人数でしっぽりと、異国のビールを飲みながらののんびりとした宴。いつもの交遊範囲では話せないような旅のあれこれを話すことができて、とても楽しかった。

そして今日は、昼に三鷹で庄司康治さんとお会いした。デイリーズでおひるをご一緒して、これまた他の人にはまったく通じないような濃い話(たとえば、チャダルの行程上にある洞窟の名前について、とか)をさせていただく。庄司さんはアラスカでの経験も豊富にお持ちなので、この機会にとあれこれ質問させていただいた。お会いするたびに思うのだが、庄司さんの経験値は本当にすごいなあと思う。僕など足元にも及ばない。

ここ数日、気分的にはあまり調子がよくなかったというか、正直かなりしんどい部分もあったのだが、昨日今日とこうした方々にお会いしていろいろ話せたおかげで、だいぶ楽になった気がする。人に会うことは、時にとても力強い後押しを与えてくれる。がんばらねば。

今川焼

昼、電車で都心へ。青山一丁目のCAFE 246でおひるを食べ、ぶらぶら歩いて神宮外苑へ。

神宮外苑の銀杏並木はだいぶ散ってしまっていたけれど、まだ黄葉が残っている木も結構あって、澄み切った空の下、早々と傾いた日射しに黄金色に輝いていた。今までたくさんの人が見にきたのだろう、足元の落ち葉はすっかり踏みしだかれて、黄色い粉末になってしまっていた。

B級グルメの屋台もたくさん出ていたので、何か買い食いしようかとも思ったのだが、どれも結構高い上にボリュームもでかくて、おひるを食べた直後の腹にはちょっときつい。その後、外苑前方面に歩いていると、但馬屋という豆の専門店があって、その店頭で今川焼を売っていたので、それを一つ。豆専門店らしく、中のあんはピーナッツペースト。これがまた存外にうまかった。

そういえば、今川焼を食べたのって、ずいぶんひさしぶりだな。たまにはいいもんだ。

長い付き合い

昼の間、家でタイ関連のゲラチェック。夕方までに一区切りつけて、新宿へ。ラダックの研究をしている文化人類学者の友人、宮坂さんと会う。ひさしぶりに入った陶玄房で、寒ブリの炙り刺や、あん肝ポン酢和え、牛もつと豆腐の味噌煮込などをつつきつつ、よもやま話というか、ほぼ誰にもわからないラダックのマニアックな話で盛り上がる。

宮坂さんとは、かれこれ七年もの付き合いになる。仕事や住んでいる場所の関係で、会うのはほんのたまにだけど、ラダックという大事なものを互いに共有しているという点でも、代え難い友人だ(と僕は勝手に思っている)。考えてみたら、宮坂さんが紹介してくれなかったら、僕はレーのノルブリンカ・ゲストハウスと出会うこともなかったし、僕がラダックで過ごした日々もまったく違ったものになっていただろう。本当に感謝してもしきれないとあらためて思う。

宮坂さんは来年の春から、愛知県にある大学で教鞭を取ることになった。住む場所はさらに離れてしまうけど、そのうち、日本かラダックでまた会えるといいな。

旅の深さ

午後、新宿のコニカミノルタプラザへ。写真家の竹沢うるまさんの写真展「Indigenous」の会場で開催されるスライドトークイベントを見に行く。

竹沢さんの写真は以前からいろんな媒体で見かけてすごいなあと思っていたし、今回の展示も素晴らしかったのだが、スライドトークで三年間にわたる旅についての話を実際に聞いて、あらためて腑に落ちることも多かった。自分が旅をする理由、自分が旅の中で追い求めていくものに、ずっと真摯に向き合ってきた人でなければ話せない言葉だし、撮れない写真だと思う。

旅で訪れた国の数とか、費やした日数とか移動した距離とか、そういうことを自慢したがる人が世の中には少なからずいるけれど、そんな数字自体には、はっきり言って何の価値もない。その旅の中で、どれだけ目の前の世界と、そして自分自身に真剣に向き合えるか。それがその人の旅の深さを決める。竹沢さんはきっと、とても深い旅を経てきた人なのだと思う。

僕もがんばらねば、だな。

落ち着く場所

夕方から、駒場で取材。難しめの内容な上、思わぬトラブルでもたついたりもしたけれど、どうにか任務遂行。

帰りに吉祥寺の駅前でラーメンをすすって空きっ腹を満たし、公園近くにある武蔵野珈琲店へ。ブレンドコーヒーと季節限定のクグロフをいただく。吉祥寺には古くからの喫茶店からお洒落なカフェまで、いろんな店があるけれど、僕はこの店が一番居心地よく感じる。ひっそりと落ち着いた雰囲気で、隅々まで気配りが行き届いていて、何よりコーヒーがちゃんとおいしい。こういうお店が近所にあるのは嬉しいし、もしなくなってしまったら、すごく困る。

コーヒーをおかわりして、すっかり気分が落ち着いたところで、家路につく。それにしても寒い。