原稿を納品し終わって、ひさしぶりにゆったりできる時間が取れた。去年の暮れに買ったニコンのD800と、当面の主力レンズになるAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
のテスト撮影をしに、井の頭公園へ。空はすこんとよく晴れていて、透明な冬の日射しが眩しかった。
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消えていく写真店
昼、電車で新宿へ。写真を何枚か引き伸ばしてプリントする必要が出てきたので、新宿西口にあるキタムラに行く。
実は昨日、吉祥寺のヨドバシで一度プリントしてみたのだが、申し込む時にうっかり補正を相手任せにしてしまったところ、写真全体を思いっきり黄味がかった処理にされてしまった。少々なら目をつぶるが、色の転び方が完全に許容範囲を超えてしまっていたので、店を変え、補正なしにして出力し直すことにしたのだ。今度はまずまずうまくいった。
考えてみれば、写真店で写真をプリントしてもらったのも、何年かぶりだ。以前は三鷹駅北口界隈に二軒ほど写真店があり、もっぱらそこでプリントしてもらっていたのだが、今はその店もなくなってしまった。フィルムの衰退や高性能な家庭用プリンタの普及とともに、写真店はどんどん減っていく運命にあるのだろう。
フィルムカメラを使っていた頃、どこかに旅に出て帰ってくるたびに、選んだ写真を手焼きプリントで引き伸ばしてもらって楽しんでいたのが、遠い昔のことに感じられる。何だか寂しい。
「横道世之介」
この間、Apple TVで「横道世之介」という映画を借りて観た。いろんなところでいい評判は聞いていたけれど、それでも予想以上にいい映画だったので、びっくりした。今でも思い出すと、胸のあたりがほわほわしてくる。
1987年の春、故郷の長崎から上京して、大学に通いはじめた主人公、横道世之介。素直なんだけど、どこか人とズレていて。ズレてはいるんだけど、でも、彼なりにまっすぐに歩いてて。のんきでお人好しで、普通すぎて笑っちゃうくらい普通の人。大学とバイトと、恋と憧れと友達と、貸してもらった一台のカメラ。そんな世之介の穏やかな日々。そして、その16年後に起こった出来事‥‥。
「おれが死んでもさあ、みんな泣くとやろか?」
「世之介のこと思い出したら、きっと、みんな笑うとじゃなかと?」
もう遅いかもしれないけど、できれば僕も、みんなに笑って思い出されるような人でありたい。
好かれる人
昨日は夕方から銀座へ。ジュレーラダックの元スタッフ、荒川さんの結婚パーティーの二次会に出席。
荒川さんは数年前にカナダの農場で働いていた時期があって、ご主人のグラントさんとはその頃に知り合ったそう。会場は銀座のど真ん中だけあってすごく華やいだ雰囲気で、そんな中に、普通に黒のタートルネックセーターにピーコートという格好で乗り込んでしまった(苦笑)。会場にはびっくりするくらい大勢の人が集まっていたのだけれど、とても和やかな雰囲気で、素朴で飾らない、誰からも好かれる荒川さんらしい、いいパーティーだったと思う。
終わった後は数人の知人と、近くのルノアールでお茶。みんなそれぞれ、いろんな人生があるのだな。
消耗と補給
昨日は、火曜と同じ吉祥寺の現場で、朝から夕方まで取材。天気は荒れ模様で寒いし、取材の件数もこの日だけで七件もあったので、精神的にも体力的にもかなりしんどかった。すべて終わって現場を離れた時は、文字通りフラフラで、目が疲れてショボショボして、まともに開けてられないほどだった。
夜は西荻窪に移動して、ひさしぶりにのらぼうで晩餐。出汁巻き卵やじゃがいものかき揚げ、牡蠣と牛蒡の土鍋ごはんなど、本当にうまかった。食べてるうちに栄養がじわじわしみ込んで、身体にしゃんと力が入るようになった。
こてんぱんに消耗した一日だったけど、最後の最後でおいしいものを補給させてもらえて、報われた気がする。