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街灯

昼、取材のため出かける。今日の現場は湘南台。取材自体はいつものように粛々と遂行したが、とにかく、行きと帰りに時間がかかる。CDアルバムを悠々二回し以上聴けてしまうほどで、下北沢で乗り換えた井の頭線で吉祥寺に着く頃には、iPhoneのバッテリーも半分以下になってしまっていた。

駅前でラーメンを食べ、中道通りを歩いて、家に向かう。取材先はずっといい天気だったが、都心は午後にかなり激しいにわか雨が降ったらしい。そのせいか、空気はひんやりとして、雨と風に洗い流された西の空は、綺麗に澄み渡っていた。

空に見とれながら歩いていると、ぽつぽつと立ち並んでいる街灯が目に入った。電球の上にちょっと洒落た形の釣鐘型のシェードがかぶさっていて、白い光がうるんだように透けて見えている。この道は数え切れないくらい往復してきたのに、昼間はもちろん、夜道でも、ここの街灯がこんな形をしていたなんて気付かなかった。その街灯の明かりは、暮色の空にとてもよく似合っていた。

日々の中で、こんな風に気付かないまま行き過ぎてしまっているものって、きっとたくさんあるんだろうな。

羊肉の味

昼、銀座へ。シネスイッチで映画を観ようと思ったのだが、狙っていた回の一時間前に窓口に行ったのに、すでに立ち見のみという状態で、夕方の回にずらすことに。それまでの間、千疋屋でイチゴパフェを食べたり、近くの店を冷やかして、なぜか沖縄の肉味噌の瓶詰めを買ったりする。

映画を観終えた後、何年かぶりにグルガオンへ。ライオンスタウトを飲みつつ、カリフラワーをタンドールで焼いたのをつまんで、メインはマトンカレーとバスマティライス。たっぷりスパイスが絡んだ羊肉を口に入れたとたん、これだ、と思った。ここしばらく、僕に足りてなかったもの。これからしばらく不足が続くであろうもの。ラダックやインドでは当たり前のものだった、この羊肉の味と噛みごたえ。何だか懐かしい気分になった。

願わくば、骨付きの羊肉だとさらにリアルな記憶が甦ったのだけれど(笑)。

ただぶらぶらと

今日は仕事を休んで、昼から外出。新宿のニコンサロンで開催中のチベット写真展へ。すると会場でいきなり知人に遭遇してびっくり。類は友を呼ぶというか何というか(笑)。ギャラリートークを聞いた後、その知人とらんぶるでお茶を飲みつつ、旅とカメラ談義。

一人になった後、原宿まで移動。表参道はとんでもない人出。早々に脇道に入り、夏向けのTシャツでいいのはないかと、いくつかの店をのぞきながらぶらぶら歩く。結局、色やサイズで不満が残って、何も買わないまま、渋谷から帰路につく。

ひさびさに頭をカラッポにして、一日中、ただぶらぶらと一人で歩き回って、何か楽しかったな。いろいろリセットしていかなければいけない時期なのかも。

同じような街ばかり

午後、市ヶ谷で取材。カメラマンさんが警察の検問で怪しまれて、開始時間ギリギリになってようやく到着するというハプニング未遂があったが、取材自体は滞りなく、順調。しかし、オバマが来日するといろいろ大変だ(苦笑)。

帰りの電車で、一つ手前の吉祥寺で下車。確か昨日オープンしたという、新しい駅ビル「キラリナ」をちょっと覗こうと思ったのだが‥‥文字通り、足の踏み場もないくらいの大混雑。ちょろっと通り抜けただけで、早々に退散。

しかし思うのだが‥‥最近、都内にある街並って、どこも同じような顔つきになってしまってる気がする。見た目そっくりのビルに、似たり寄ったりの雰囲気の店、よく見かける商品たち。「こうすれば人気が出る、こうすれば売れる」という風潮に、猫も杓子も右へならえという感じ。そういう街を歩いてても、わくわくしない。

たとえ地味でも、「よそはよそ、ウチはウチ」と、マイペースでやってる店が並んでる街の方が好きだな。

春の午後

昼、千駄ヶ谷へ。今作っている本のデザインの打ち合わせ。話していると、デザイナーさんたちの心意気がひしひしと伝わってきて、心強くもあり、うれしくもある。

終わった後、あまりにもさわやかないい天気だったので、そのまま電車に乗ってまっすぐ帰るのが、ちょっと嫌になった。ぶらぶらと歩いて、代々木から新宿へ。本屋をのぞいたり、コニカミノルタプラザで写真を見たり。それから三鷹まで戻った後も、近所のフレッシュネスでコーヒーを飲みながら、ぐずぐずと時間をつぶす。家に戻ったら、返信しなければならないメールの山が待ち構えてるのがわかってたから(苦笑)。

ついこの間、むせるほど甘い匂いを放つ花を咲かせていた近所の木蓮の木は、もうすっかり、瑞々しい若葉に覆われていた。早いな、いろいろ。