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灰色の兆し

終日、部屋で仕事。原稿を書こうにもなかなか調子が上がらず、こまごました連絡業務にも振り回されて、自炊する余裕もなく、近所の中華料理屋へ。

いつもよく食べるホイコーローのかけごはんを注文したら、いつのまにか値上がりしてることに気付いた。700円だったのが、750円に。ほかのメニューも軒並み値上げのようだ。消費税やら、急な円安やらに振り回されて、飲食店も大変なのだろう。

牛丼チェーン各社が200円台の牛丼を300円台にするとかで巷ではニュースになっているが、もともと価格競争で安くなりすぎてたものが元に戻っても、まあそんなものかなと思う。でも、なじみのごはん屋さんが、たぶん値上げしたくないのにこらえきれず値上げに踏み切ってるのを見ると、今の状況、これでいいのかと思わなくもない。

経済に限らず、今の日本の社会全体に、どんづまり感が漂っているような気がする。認めたくないものから目をそらし、都合の悪い指摘には耳を塞ぎ、理不尽な強要にも仕方ないとあきらめる。憂さ晴らしに他の国の人々を匿名のネット上で悪罵して、日本の国は美しいなどと持ち上げる記事や本を読み漁って悦に入る。くだらない。

世界から色が失われ、灰色に変わっていく兆しなのだろうか。

バトン

午後、豊田にある大学キャンパスでの取材を終えた後、都心に移動。今夜は代官山蔦屋書店で、九月に亡くなった旅行コンシェルジュの森本剛史さんのお別れの会。

会場には、びっくりするくらい大勢の人が集まっていた。100人は余裕で超えてたんじゃないだろうか。お別れの会というものにありがちな湿っぽさはほとんど感じられなくて、誰もが旧交を暖めながら、森本さんの思い出話をしては笑顔を見せていた。ここに集まった人たちはみな、森本さんが結びつけた人たちなのだ。そう考えながら周囲を見回すと、とても不思議な気持になった。

会の終わりに、会場の壁面に、映像が映し出された。森本さんが住んでいた部屋だった。壁際の棚という棚にぎっしりと詰め込まれたままの、旅にまつわる、ありとあらゆる本。次に書く本の構想を書き留めた分厚いノート。森本さんにとっては、最後の最後まで、すべてが旅であり、本だったのだ。

ふいに、ぽん、とバトンを手渡されたような気がした。いつもの、気軽な調子で。

ヤマモト君、今度はどこに旅に行って、どんな本を作るんだい? いいのができたら、持って来なよ。

それは、最後の最後まで、旅の本を作り続ける、覚悟のようなものなのかもしれない。受け取ったバトンを手に、僕はどこまで走れるのだろう。そう思うと、ぎゅっと、胸が締め付けられるような気がした。

想像してたのと違う

お昼前から午後にかけて、赤坂で打ち合わせを2件。年明けに入る予定の、新しい種類の仕事。クライアントも初対面の方々ばかりだったのだが。

「‥‥いやー、何か、想像してたのと全然違うイメージの方ですね!」

うん、やっぱりね。そう言われるよね(苦笑)。この間のラジオの収録の時も、そんな風に言われた。

世の中の人たち‥‥特に僕の本を読んでくださってる方々に、いったい僕は、どんなイメージで見られてるのだろう? ひげもじゃでごっつい探検家みたいな人? 殺しても死ななそうな感じの人?

本人はごく普通の、ひょろっとした覇気のないメガネのおっさんです。どうぞよろしく。

冬の足音

夕方、コーヒー豆を買うために、外へ。

日が暮れるのが、ずいぶん早くなった。朝から降ったり止んだりの雨で、近所の公園のイチョウもずいぶん葉を散らしている。今日はまだ、雨上がりで風もぬるいけれど、たぶん明日か明後日からは、ぎゅうっと冷え込んでくるのだろう。

秋は唐突に終わりを告げ、冬の足音が、ひたひたと聞こえる。

思わぬ展開

打ち合わせのため、日中ずっと出歩く。年明けに計画しているイベントのことなど、いろいろ調整中。想像以上に急な展開で、すでに多くの人を巻き込みつつあるので、何とかその方々の期待を裏切らないような結果を出せるといいのだが。

それとは別に、ちょっと、というか、まったく予想もしていなかったような依頼をいただいて、少々びっくりしていたりもする。今までの自分の仕事とは、フィールドは同じでもかなり種類の違う仕事なのだけれど、うまくいけば本当に意義のある成果につながると思うので、こちらも何とか首尾よくやり遂げたいところだ。

そんな思わぬ展開の連続で、文字通り、師走間近、ばったばたである。