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卒業式

朝、取材のため、早稲田の戸山キャンパスへ。地下鉄の駅から地上に出ると、何だかやけに人が多い。袴姿の女の子が多いのを見ると、どうやら卒業式のようだ。一学年の人数が多すぎるので、何回かに分けてやっているらしい。

僕自身もこの戸山キャンパスに通っていた人間なのだが、卒業式には、結局出なかった。当時雑誌の編集部でやっていたバイトにかこつけて、サボったというのが正しい。

なんで卒業式に出なかったのかというと‥‥何かしらの研究で成果を上げて、清々しい達成感を感じながら卒業の日を迎えるというのとは、まったく程遠い学生生活だったからだと思う。最初からろくに講義にも出ず、就職活動を放棄したついでに自主留年して、バイトに明け暮れ、無鉄砲な旅に出て、ほうほうのていでやっとこさ単位を揃え‥‥書類上は卒業できる身分になっただけ、というのが僕の大学での日々だった。

そういうろくでもない学生生活を過ごしていると、こういうろくでもない人間が生成されるというわけだ(苦笑)。

ちなみに、卒業式で受け取らなかった卒業証書は、それから十年も経った後、突然大学から「取りに来てください」という督促状が来たので(苦笑)、一応、僕の手元にある。

ヤギとの遭遇

今朝は六時起きで、午前中に溝の口、午後に豊田方面で取材。

午前中の取材が終わった後、電車を乗り継いで京王堀之内駅まで行き、ネットでちょこっと調べておいた近くのラーメン屋さんに行ってみたら、あたり一面閑散としてる中で、その店の前にだけ行列ができていた。みんなそんなにラーメンが好きなのか。

行列に少し並んで、ラーメンを食べ終えても、まだ時間に余裕がある。取材の待ち合わせ場所まで、iPhoneで地図を見ながら歩いて行くことにした。うららかな陽射しの中、気持ちのいい散歩だなー、と思っていたら、道は次第に上り坂になり、周囲はみるみるうちに山っぽい雰囲気に。ふと気づくと、道端にある囲いの中で、ヤギたちが干し草をもしゃもしゃしながら、じーっと僕を見ていた。

えーと、俺、何しにこんなところにまで来たんだっけ? 世の中、いろんなことが起こるものなのだな。

春うらら

昼、リトスタでおひるを食べながらの打ち合わせ。今日からいちごのババロアも登場ということで、一緒においしくいただいた。打ち合わせの方も、これからいろいろ面白いことが実現できそうで、楽しみになってきた。

それにしても、今日は暖かかった。20℃は余裕で超えてただろう。打ち合わせの後、おなかいっぱいで眠いし、まっすぐ家に戻るのが惜しいくらいのいい天気だったので、吉祥寺方面に散歩してみることに。風の散歩道では、気の早い桜が咲きはじめている。井の頭公園には早々と「宴会は22時まで」の横断幕が(笑)。すっかり春うららだな。

ぐるっと北に回って家まで戻ると、眠気がさめるどころか、ますます眠くなった(笑)。

洋食屋にて

朝から午後にかけて、鷹の台で大学案件の取材。1本目と2本目の間に1時間半ほど時間があったので、どこかでおひるを食べようとうろうろ。

去年この町に来た時、確かあのへんに何か‥‥と、うっすらした記憶を頼りに歩いていると、あった。ものすごく古めかしくてこぢんまりとした佇まいの洋食屋。中に入ると、ほぼ満席だったが運よく座れた。お店をやってるご夫婦の応対は、至極淡々とした感じ。店内に流れ続けるゆうゆうワイド。

ハンバーグ定食を注文。小ぶりの煮込みハンバーグが2枚に、目玉焼きとケチャップスパゲティとサラダ、味噌汁、どんぶりごはん。デミグラスソースがちゃんとしてて、すごくおいしい。これでなんと650円だという。すっかり満腹で、午後の取材で眠くならないか心配になってしまった(笑)。

でも最近は、こういう良心的な洋食屋は、東京ではどんどん減っているのではないかと思う。昔、荻窪に住んでいた時によく通っていた洋食屋も、だいぶ前になくなってしまったし。どこに行っても同じようなチェーン店が並んでいるだけの町は、やっぱりつまらない。だから、こういうお店には末長くがんばってほしいと思う。

やる気の差

昨日は打ち合わせを終えた後、新宿の西口界隈をしばらく歩き回っていたので、ついでに晩飯に何か食べて帰ることにした。

あてにしていたとんかつ屋は満席。他に何かないかと探していたら、新宿の東口にあるラーメン屋と同じ名前の店が西口にもあるのを見つけた。東口側の店にはよく行くのだが、同じチェーンの支店だし、まあいいか、と入ってみることにした。

席についてから、何か違うな、と感じた。一人だけいるお店の人に元気がないというか、やる気がなさそうというか‥‥。やがて、運ばれてきたラーメンを少し食べてみて、びっくり。東口側の店と同じスープ、同じ麺、同じ具材のはずなのに、なぜかおいしくないのだ。スープの温度? 麺のゆで具合? 具材の準備の仕方? たぶん、そういう一つひとつに、ちょっとずつ差があったのかもしれない。

気のせいじゃないの?と言われて反論できるほど、自分の舌に自信があるわけじゃないけれど、お店の人のちょっとした気配りの違いで味に差が出るというのは、結構あるんじゃないだろうか。作り手にやる気がどれくらいあるのかというのも大事なんだろうな、と思った。