夕方、赤羽橋へ。来月発売される予定の本の色校のチェックと打ち合わせ。
何だかんだで、ほぼすべての写真の色味を調整し直すことになり、デザイナーさんと相談しながら、120ページ分の写真の一枚々々に修正指示を加えていく。印刷所にとってはまた面倒な作業になると思うが、ここで妥協したら元も子もない。明日の色校の引き渡しにも立ち会って、僕からも要望を印刷所に直接伝えることにした。
最後の最後まで、何一つ、気を抜けない。それが本づくりの大変さであり、醍醐味でもある。
夕方、赤羽橋へ。来月発売される予定の本の色校のチェックと打ち合わせ。
何だかんだで、ほぼすべての写真の色味を調整し直すことになり、デザイナーさんと相談しながら、120ページ分の写真の一枚々々に修正指示を加えていく。印刷所にとってはまた面倒な作業になると思うが、ここで妥協したら元も子もない。明日の色校の引き渡しにも立ち会って、僕からも要望を印刷所に直接伝えることにした。
最後の最後まで、何一つ、気を抜けない。それが本づくりの大変さであり、醍醐味でもある。
今日はほぼ一日、オフにした。仕事でいろいろ待ち状態が発生してるのと、確定申告からつかのま目をそむけるために(苦笑)。特に何か目的があるわけでもなかったが、上野の方へ。
学生の頃、この界隈は結構よく来ていた。アメ横のガード下に並んでいるアメカジのショップでは、いい感じのジーンズや服が割と安く手に入ったし、当時は雑誌でもよく取り上げられていたのだ。最近はどうだか知らないけど。今は家から相当遠いし、着る服の趣味も年相応に変わったのでめっきり行かなくなった。
ひさしぶりに、アメ横をぶらぶら歩く。吉池がユニクロのビルになっていたのには愕然としたし、店も相当入れ替わっていたけれど、昔から残っている店もちらほらあったし、何より、あのカオスな雰囲気がまだそれなりに健在なのがちょっとうれしかった。最近はどこに行っても、似たり寄ったりで当たり障りのない街並みばかりになって、つまらなかったから。
不忍池の屋台で買ったたこ焼き、うまかったな。いつかまた、そのうちに。
今年はひさしぶりに、単独で写真展をやることにした。春先に新しい本を出すので、そのタイミングに合わせて。ここ数年、ラダック、ザンスカール、スピティで撮影してきたものを中心に、それ以前からの代表作も織り交ぜて展示しようと思っている。
会場は今のところ、2カ所を予定している。どちらも、友人が経営する飲食店の店内だ。それぞれ展示内容は異なるが、一方では約2カ月、もう一方でも約1カ月と、写真展としてはかなり長期間の展示になる。
もともとは、数年前から「次にラダックの写真展をやるなら、展示専用のギャラリーで、大きくて高画質なプリントのパネルをずらりと並べるような展示にしたい」と考えていた。メーカー系のギャラリーの公募にかたっぱしからあたってみようとか、もっと高く付くけど開催時期の調整に融通の利く私営のギャラリーはどうだろうかとか、いろいろ模索していた時期もあった。ただ、そうやって検討を重ねているうちに、なんとなく自分の中で違和感が芽生えてきていたのも事実だった。
僕はそもそも、どうして写真展をしたいんだろう? 誰に、何を伝えたいと思っているのだろう? もしかして、ただ単に自分自身の虚栄心を満たそうとしてはいないだろうか?
専用のギャラリーで高品質なパネルを並べて展示すれば、確かにそれによって伝えられる感動はあるかもしれない。でも、よほど立地条件のいいギャラリーでないかぎり、そういう展示にわざわざ足を運んでくれるのは、写真を見るのが好きな人や、すでにラダックに強い興味を持っている人にしぜんと限られてくる。期間もせいぜい1、2週間が限度だし、来たくても来れずに終わる人も少なくないかもしれない。
僕はむしろ、ラダックのことをほとんど知らない人や、写真にもあまり関心のないような人にこそ、自分の写真をきっかけにラダックに興味を持ってほしいと思っているのだ。極端な話、ヤマモトタカキが誰だとか、知ってもらわなくても構わない。この世界に、こういう場所があるのだと、ただそれを伝えたいだけなのだ。
そこまで考えがほぐれると、結論はおのずと見えてくる。今度の新しい本に合わせて写真展をやるなら、自分のルーツに一番近い場所で。誰でも気軽に来れて、何も知らずに来た人もちょっと興味を惹かれるような、さりげないけど、じわじわくる、そういう展示。それを、できるだけ長い期間、じっくりと。この世界に、こういう場所があることを、まっすぐ伝えるための写真展。
僕の伝えたいことは、たぶん、根本的なところは昔からずっと変わっていない。写真展でそれを伝えるには、少なくとも自分にはこのやり方が一番合っている。今はそう確信している。
というわけで、もうすぐ、やります。お楽しみに。
昼、新宿で取材。今年もいよいよ始まった、大学案件シリーズ。今月はまだ序の口だが、来月下旬あたりから確実に、死ぬほど忙しくなる。毎年のことながら、体力勝負の春になりそうだ。
取材を終えた後、すぐ歩いていける距離だったので、先週切り替えを申請しておいた新しいパスポートの受け取りへ。窓口は空いていて、あっという間に受け取ることができた。窓口で自分の名前と生年月日を口にするように言われ、何だか新鮮だった(笑)。
新しいパスポートはぴかぴかで、しわもよれもなく、ページをめくるとぱりぱりと音がする。それだけで、何だかとても気分がいい。まあ、そう遠くないうちに、いろんなスタンプを乱暴に押されたり、ビザのステッカーを適当に貼り付けられたり、入管で雑に扱われたりで、どんどんよれていくのだろうけど。
これからの十年、僕はこのパスポートで、どんな旅をするのだろう。ラダックか、アラスカか、それともまだ見ぬ地に行くのか。わからない。だから楽しい。まっさらなページに、これからの僕の旅が刻み込まれていく。
昨日は午後から新宿へ。今まで使っていたパスポートの有効期間が残り一年を切ったので、新しいものに切り替えるための申請をしに行った。旅券課の窓口はそれなりに混んではいたが、そんなに苦労することもなく、無事に申請することができた。出来上がりは一週間後。
今までのパスポートは、ラダックでの長期滞在を始める少し前から使いはじめていた。だから、ページをめくってもめくっても、出てくるのはインドビザのステッカーばかり。ほんと、アヤシイ以外の何物でもない。どこかの国で入国審査を受けるたび、審査官が「何だこのパスポート?」と眉をひそめながらページをめくり続けるのを、内心びくびくしながら見守っていた(苦笑)。
新しいパスポートになったら、そんな心配ともオサラバ、のはず。少なくとも、しばらくの間は……。まあ、今年の夏もほぼ間違いなく、行くことになるんだけどね、インド。