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脳をとっぷり浸す日

昨日は昼から、渋谷へ。まず、Bunkamura ザ・ミュージアムで一昨日から始まったソール・ライター展に行く。一年半ほど前に彼についての映画を観て以来、この写真展も心待ちにしていたのだが、期待に違わぬ、素晴らしい内容だった。実際にじっくりと拝見させてもらった彼の作品群についての感想は、また別の折にでも書こうと思う。

夕方からは、同じくBunkamuraのオーチャード・ホールで開催された、畠山美由紀さんのデビュー15周年記念ライブ。6名のゲストが入れ替わりながら登場するという、本当に贅沢な内容。圧倒的な演奏と、台本通りにいかないMCがたまらない(笑)。歌と音楽に対する愛情が、ぎゅうっと詰まった3時間だった。

丸一日、眼から、耳から、良質なインプットを注ぎ込んで、滋養の海に脳をとっぷり浸すことができた。こういう日は、時折必要だなあ、と思う。

夏がひたひたと

昼、歩いて吉祥寺へ。キチレコソニック2017の会場で、たかしまてつをさんたちのバンド、東京ハイボールズのミニライブを拝聴。楽しかった〜。会場にいた人たち全員が、本当に楽しそうだった。

連休に入って、みんな帰省したり遠出したりしてるのかと思いきや、吉祥寺の街は思いのほか、人が多くて、どこの店も大混雑。週明けの月火の平日、暦通りに仕事があって、この週末は普通に都内で過ごしてる人が多いのかもしれない。

運良く入って座れた武蔵野珈琲店で、今季初のアイスコーヒーをすすっていると、窓の外で、いきなりのどしゃぶり。で、すぐに何事もなかったかのように止んだ。ついこの間、やっと春になったかと思ったら、もう夏がひたひたと近づいているようだ。

アレッポの石鹸

日曜日、代々木公園で開催されていた、アースデイ東京に行ってきた。売店でサーモン&チップスを買い、クラフトビールを飲み、ぶらぶらと会場内を歩いた。

原宿側の会場入口の近くで、シリアのアレッポ石鹸が売られていた。長引く内戦の影響で、アレッポもひどい状況になっているそうだが、アレッポ石鹸自体は工場を別の場所に移して、どうにか生産を継続できているらしい。

ほとんど反射的に列に並び、がっしりした塊の石鹸を一つ、買った。まだ使ったことのない石鹸に対する興味も、もちろんあった。でも、それ以上に、買わずにはいられない、何かいたたまれないような気持があった。

アレッポ石鹸を一つ買ったところで、かの地で苦しむ人々にとっては、何の助けにもならないのかもしれない。でも、忘れないでいること、見て見ぬふりをしないことが、まずは大切なのかもしれない、とも思う。

遅刻しないための対策

たぶん僕は、1年間で7、80件くらい、取材の依頼を請け負う。午前中から取材が入る時などは、うっかり遅刻しないように気を遣う。吹けば飛ぶよなフリーライターの身空、一度やらかしてしまうと、それっきり仕事を失う可能性もあるからだ。

で、日頃、遅刻しないようにどんな対策を講じているかというと。

・前日のうちに、自宅を出てから目的地に着くまでのルートと時間、乗り継ぎなどを「乗換案内」で調べておく。待ち合わせ時間ギリギリではなく、1、2本早めに着ける設定にしておく。

・前日のうちに天気予報を調べ、どんな服装にするかをだいたい決めておく。出かける直前にあわてないように。

・当日、自宅を出る予定時刻の2時間前までに起きる。ネットで運行情報を確認し、乗る予定の路線で大幅な遅延が発生していたら、対応策を考える。

……とまあ、ここまでやっておくと、そうそう遅刻したりはしないのだが、それでもごくたまに、列車に乗っている最中にアクシデントで急に停まったり遅延したりということも過去に数回あったので、油断はならない。

明日も遅刻しませんように……。

Overwhelming

昨日は、六本木の国立新美術館で開催中のミュシャ展へ。彼の晩年の連作「スラヴ叙事詩」20点を観る。もう本当に、ぐうの音も出ないほど圧倒的で、素晴らしいとしか言いようがない。一人の画家の、才能と情熱と理想と執念と狂気が、のたうつように大画面から溢れ出ている。頭が軽く痺れてくるほど集中して見続けた後、ブリュードッグのバーでIPAビールを飲みつつ、余韻に浸る。

ああいう圧倒的、Overwhelmingな作品には、確かに人の心をぐわんと揺さぶる力がある。僕が生業にしている文章や写真の世界でも、そういう圧倒的な作品を生み出すことを目指す人たちは大勢いる。自分はどうなんだろう? 圧倒的なものを生み出せるなら、それに越したことはないのかもしれない。でも、自分が伝えようとしていることは、もしかすると……Overwhelmingではない方がうまく伝えられるのかもしれない、とも思う。良い意味での「軽み」のような。何気ないけれど、ふっと心に触れるような。

咲き誇る満開の桜ではなく、この胴吹き桜のように。