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アレッポの石鹸

日曜日、代々木公園で開催されていた、アースデイ東京に行ってきた。売店でサーモン&チップスを買い、クラフトビールを飲み、ぶらぶらと会場内を歩いた。

原宿側の会場入口の近くで、シリアのアレッポ石鹸が売られていた。長引く内戦の影響で、アレッポもひどい状況になっているそうだが、アレッポ石鹸自体は工場を別の場所に移して、どうにか生産を継続できているらしい。

ほとんど反射的に列に並び、がっしりした塊の石鹸を一つ、買った。まだ使ったことのない石鹸に対する興味も、もちろんあった。でも、それ以上に、買わずにはいられない、何かいたたまれないような気持があった。

アレッポ石鹸を一つ買ったところで、かの地で苦しむ人々にとっては、何の助けにもならないのかもしれない。でも、忘れないでいること、見て見ぬふりをしないことが、まずは大切なのかもしれない、とも思う。

遅刻しないための対策

たぶん僕は、1年間で7、80件くらい、取材の依頼を請け負う。午前中から取材が入る時などは、うっかり遅刻しないように気を遣う。吹けば飛ぶよなフリーライターの身空、一度やらかしてしまうと、それっきり仕事を失う可能性もあるからだ。

で、日頃、遅刻しないようにどんな対策を講じているかというと。

・前日のうちに、自宅を出てから目的地に着くまでのルートと時間、乗り継ぎなどを「乗換案内」で調べておく。待ち合わせ時間ギリギリではなく、1、2本早めに着ける設定にしておく。

・前日のうちに天気予報を調べ、どんな服装にするかをだいたい決めておく。出かける直前にあわてないように。

・当日、自宅を出る予定時刻の2時間前までに起きる。ネットで運行情報を確認し、乗る予定の路線で大幅な遅延が発生していたら、対応策を考える。

……とまあ、ここまでやっておくと、そうそう遅刻したりはしないのだが、それでもごくたまに、列車に乗っている最中にアクシデントで急に停まったり遅延したりということも過去に数回あったので、油断はならない。

明日も遅刻しませんように……。

Overwhelming

昨日は、六本木の国立新美術館で開催中のミュシャ展へ。彼の晩年の連作「スラヴ叙事詩」20点を観る。もう本当に、ぐうの音も出ないほど圧倒的で、素晴らしいとしか言いようがない。一人の画家の、才能と情熱と理想と執念と狂気が、のたうつように大画面から溢れ出ている。頭が軽く痺れてくるほど集中して見続けた後、ブリュードッグのバーでIPAビールを飲みつつ、余韻に浸る。

ああいう圧倒的、Overwhelmingな作品には、確かに人の心をぐわんと揺さぶる力がある。僕が生業にしている文章や写真の世界でも、そういう圧倒的な作品を生み出すことを目指す人たちは大勢いる。自分はどうなんだろう? 圧倒的なものを生み出せるなら、それに越したことはないのかもしれない。でも、自分が伝えようとしていることは、もしかすると……Overwhelmingではない方がうまく伝えられるのかもしれない、とも思う。良い意味での「軽み」のような。何気ないけれど、ふっと心に触れるような。

咲き誇る満開の桜ではなく、この胴吹き桜のように。

変わらない味

午前中、有明方面で取材。終わった後、銀座に向かう。三井昌志さんの写真展がキヤノンギャラリーで開催中だったので。ちょうど関健作さんもいらしてて、3人でしばらく話をしたり。

銀座で何かおひるを、と思って、そういえば前に閉店したニューキャッスルが、新オーナー&別の場所で復活していたはずと思い出し、行ってみた。店の雰囲気は前とはずいぶん変わっていた(そりゃそうだ、前の古い建物の雰囲気は独特すぎた)が、味は昔食べたあの辛来飯(カライライス)と同じだった。

その後は神保町に移動し、これまた昔からある喫茶店、さぼうるで、生いちごジュースを飲んで休憩。さかいやスポーツでアウトドア用のシャツやアンダーウェアを物色し、早めの夕食に、これまた古株のスヰートポーヅで餃子中皿定食。

今日行った店で口にしたのは、どれもこれも、昔から変わらない、懐かしい味の料理だった。流行に乗ったり、奇をてらったり、世の中にはいろんな食べ物を出す店があふれているけれど、ずっと変わらない味を作って出し続け、それを支持し続ける人も大勢いるというのは、やっぱりすごいことだと、しみじみ思う。

平日の夜に映画

昼の間に原稿を書き進め、夕方、新宿へ。1週間、1日1回だけ上映されているテルグ映画「バーフバリ 伝説誕生」を観に行く。今回のは前編で、後編も近い将来国内で上映予定らしいので、レビューは全部観てからにしようと思うが……濃い。濃い濃い濃い。めっっっっちゃ濃い。これ以上濃い映画を作るのは不可能ではないかと思う。いや、ほめてるんだけど。

それにしても、平日の夜にふらっと映画館、というのも、なかなかいいものだなと思う。仕事の都合さえつけられれば平日も週末も関係ない、フリーランスならではの気楽さもあるが。観終わって映画館の外に出る時、夜がすっかり更けていて、ちょっとさみしかったりするところも。

さて、今夜はゆっくり寝て、明日からまたがんばろ。