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本は人を繋ぐ

昨日は、昼の間に書店回りをし、午後は板橋方面で取材。その後、夕方から渋谷にある旅行会社さんの事務所で、打ち合わせという名の飲み会。餃子の達人と厚焼き卵の達人がいらしたおかげで、うまい料理とうまい酒を、たらふくごちそうになってしまった。参加してくださったみなさんもとても楽しそうで、何よりだった。

しかし昨日の集まりは、何だか、とても不思議な気分にさせられた。もし、僕が過去に作ってきた何冊かの本の仕事がなければ、あの場所にいた人たちは、互いに出会う接点もまったくないまま、今に至っていたかもしれないのだ。

自分が引き合わせたなどと傲慢なことを言うつもりは毛頭ない。ただ、その時その時の自分のベストを尽くして良い本を作ろう、ともがき続け、ささやかながら世に送り出してきた本たちが、結果的にある種のかすがいとなって、今もいろんな人たちを繋いでくれているのかもしれない、とは思う。

本は、人と人とを繋いでくれる。

「どぶ汁」堪能

昨日の夜は、新刊「ラダック ザンスカール スピティ[増補改訂版]」の制作チームでの打ち上げ。八丁堀の出版社の近くにある海鮮居酒屋にて。

供されたのは、北茨城の漁港から直送されるという魚介の数々。かれいその他の刺身盛り合わせ、平目のえんがわの煮付け、あんこうの刺身、あん肝の天ぷら。そして〆はあんこう鍋。現地では「どぶ汁」と呼ばれる漁師料理だそうで、具は大根とネギ以外、あんこうの各部位とあん肝だけ。水はいっさい入れないそうだ。ものすごく濃厚に見えて、すすってみると意外とさっぱりとした旨み。残りの汁で仕立ててもらった雑炊がまた絶品だった。

生まれてこのかた、これだけ一度にあんこうを食べたのは初めてだったのだが、何だかくせになりそうだ。いつかまた、一冊いい本を作り終えることができたなら、また「どぶ汁」を食べに行こうと思う。

シュラスコの夜

今日は新宿に、シュラスコを食べに行った。

シュラスコというのは南米を中心によく食べられている肉料理で、長い鉄串に刺して焼いたいろんな種類の肉の塊を、ギャルソンがその場でナイフで削ぎ切ってサーブしてくれるというもの。今回行った店は2時間制で、時間内は肉とサラダバーが食べ放題。本の完成を自ら祝うべく、ぱーっとやるか、と乗り込んだ次第。

南アフリカでゲームミートをシュラスコスタイルで食べたのを除くと、シュラスコを食べるのは人生で2回目。前回はシュラスコのシステムを把握しきれないうちにはらぱんになって玉砕してしまったので、今回はいろいろ作戦を考えて臨むことにした。

まず、サラダバーの野菜類は肉の合間の口直し用と割り切って、温野菜とマリネを中心に最小限に。ビールも炭酸で腹が膨れてしまうので飲みすぎないように。肉の運ばれてくるペースが早すぎると感じたら、いったん断る時間帯を作って、自分のペースで皿にある肉を食べ続けられるようにする。

がんばった。ものすごくがんばった。作戦もうまくいったと思う。ほぼ全種類の肉を味わうことができたし、1時間半くらいは食べ続けることができた。まあ、最終的には、やっぱりはらぱんになったけども。

家に帰って体重計に乗ったら、今朝計った時より、1.4キロ増えていた(苦笑)

めんどくさかった

昼から夕方にかけて、有明で大学案件の取材。

取材と取材の間が2時間以上空いてしまって、学食で何か食べて時間をつぶそうかと思ったが、学食も売店も閉まっていたので、ヴィーナスフォートの方まで歩いてみる。行くのは初めて。やたらだだっぴろいショッピングモールという印象。何か軽く腹に入れられればどこでもよかったので、最初に目についたロッテリアに入る。

特に混んでもいなかったが、大きなテイクアウト注文でも入っていたのか、レジもキッチンも妙にわちゃわちゃしている。とりあえず、エビバーガーとコーラを注文。結構待たされてからトレーを渡され、一人席を探して座り、食べようとしたら、エビバーガーではなく、チーズバーガーを渡されていたことに気付く。レシートを見ても、確かにエビバーガー。こんなダイナミックな間違い方、するんだ……。

……まあいいか。今からクレームつけても、また待たされるだけだし。正直、エビでもチーズでも、他の何かでも、どれでもよかったし。とりあえずめんどくさかったので、そのままチーズバーガーを食べ、何も言わずに店を出た。

……ひとことでも、何か言った方がよかったのかもしれない。別に怒ってはいないので、「次から注意してくださいね」くらいの単なるフィードバックとして。なんかでも……とにかく、めんどくさかった。

というわけで、しばらくロッテリアには、行かないでおこうかと。めんどくさいんで(苦笑)。

なごり雪

昨日の昼は、リトスタで今週から始まったタイ写真展のオープニングパーティー。そろそろ会場に向かうか、と支度していた時、ふと窓の外を見ると、景色が真っ白に。雪、というか、吹雪? びっくりするくらい降っている。

よりによってこのタイミングで、なんてこった……と頭を抱えながら、ともかく傘をさして出かける。歩いてくうちに、傘がどんどん、雪でずっしり重くなる。春分の日なのに。タイ写真展のオープニングなのに。雪かよと。

どうにかこうにか会場入りして、今日はもう誰も来ないかも……と鬱な気分になっていたのだが、みなさんとても良い方々ばかりで(感涙)、遠くからはるばると集まってきてくださった。こんな雪の日にこういう写真見ると、なおさら南国に行きたくなるよね! みたいなノリで。ごはんもたらふく召し上がっていただけて、ほんと、ありがたやである。

しかしまあ、なごり雪にしてもさあ……。おかげで、たぶん一生忘れられない写真展のオープニングになった。