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アウェイの地で

映画を観に行こうと思い立ち、渋谷へ。映画館で整理番号付きのチケットを買った後、夕方からの上映に備えて、腹ごしらえをすることにした。

僕にとって渋谷は、竹下通りほどではないにしろ(苦笑)、かなりのアウェイの地だ。あのチャラついた雰囲気にはどうにもなじめないし、店の移り変わりも早すぎてついていけない。おひるを食べるにも、どの店がいいのやらあまりよく知らない。さてどうしたものか‥‥と思案した結果、以前、誰かからちらっと噂を聞いたカフェ・マメヒコが近くにあったはずなので、iPhoneを頼りに訪ねてみることにした。

入口がものすごくわかりにくい(セブンイレブンの店内にある階段を下りる)のでどうなることかと思ったが、首尾よく辿り着くことができた。長い長いテーブルを中心にお客さんが大勢いたけれど、騒がしくはなく、ごく自然にくつろげる。ホエー豚のオムレツと、冬の深煎り珈琲を注文。酸味控えめなコーヒーはガツッとした苦みがあって、もろに僕の好み。オムレツも丁寧に作られていておいしい。店員さんたちもとても感じがいい。何より、あんまり渋谷らしくない(笑)。ここはいい店だなあ。

自分にとってアウェイと思い込んでいた街で、思いがけず、憩いの場所を見つけることができた。

感じのよさ

夕方のちょっと早い時間に、国立のニチニチに行く。いつ以来だろう? ずいぶんひさしぶりのような気が‥‥。いつものように南風荘ビールを飲みながら、あさりの黒オリーブ炒めやサンマの南蛮漬け、奄美の鶏飯などをいただく。店内はほとんど満員。家族連れも老夫婦も、愉しそうに飲んだり、食べたり、いい雰囲気。

昨日も飲み会だったので、ほどほどのところで切り上げて、電車に一駅乗って西国分寺へ。前から気になっていたクルミドコーヒーというカフェに行く。店に入ってこぢんまりとした席に座ると、まるで大きな木のうろに入り込んですっぽりと包まれたような、不思議な居心地のよさ。水出しで淹れているというコーヒーはまろやかで飲みやすく、期間限定のくるみ餅もていねいに作られていて、おいしい。ここもいい店だなあと思う。

ニチニチクルミドコーヒーのような店に共通しているのは、雰囲気もメニューも店員さんの対応も、すべてがものすごく高いレベルで「感じがいい」ということ。それも、お店の人たちが日々のやるべきことをこつこつと積み重ねた上で、裏表のない素直な気持でお客さんに接しているからこその「感じのよさ」だと思う。

時々、「自分は感じよくお客さんに接している」と思い込んでいる店員さんに、うわべだけの愛想をふりまかれる経験があるのだが、そんな人に限って、ちょっとしたことから、裏で何を考えているのかがぽろっとバレてしまうものだ。普通にぶっきらぼうな接客より、そういう裏表が見える接客の方が、よっぽど残念なのに。

イルミネーション

朝、大雨が降っていたと思ったら、いきなり晴れて、気持悪いくらい生暖かくなった。風がびゅーびゅー吹き荒れる。

夕方、打ち合わせのため原宿へ。少し早めに駅に着いたので、苦手な竹下通りを避けて、表参道の方から回っていくことにした。両側のケヤキ並木には、びっしりとイルミネーションが灯されている。十年くらい前から中止されていたらしいが、去年から復活したそうだ。そういえば、僕の地元の三鷹駅北口でも、ちょっと前からイルミネーションが灯されていたっけ。

見た目はきれいだなあとは思うけど、LED電球の冷たい人工的な光には、個人的にあんまり共感できない。ラダックのガルダン・ナムチョやロサルの時に灯されていたチュンメ(灯明)の方が、何倍も心に沁みる。

銀杏と映画と生牡蠣と

明け方まで降っていた雨も止んだ。CAFE 246でランチを食べがてら、神宮外苑の銀杏並木を見に行く。すごい人の数だ。みんなケータイを宙に構えている。黄葉は八分くらいで、早い木からはもう、はらはらと葉が散りはじめていた。

地下鉄で移動して銀座へ。東京フィルメックスで特別招待作品として上映されるアッバス・キアロスタミ監督の最新作「トスカーナの贋作」を観るためだ。席で上映が始まるのを待っていると、すぐ近くのドアから入ってきた人が‥‥キアロスタミ監督だ! 心臓が止まりそうになる。自分が一番尊敬する映画監督と同じ空間で、最新作を観ることができるなんて‥‥。まるで、アイドルの追っかけにでもなったみたいにテンションが上がってしまった(笑)。映画の感想は、また別のエントリーで。

素晴らしい時間を過ごした後、テンションが上がりまくったそのイキオイで、丸の内にあるグランドセントラルオイスターバー&レストランに行き、今季初の生牡蠣を食べる。いい意味で、アメリカの大衆的なレストランの雰囲気があって、居心地がいい。数人で飲み食いすると楽しい店かも。

まったくもって申し分のない、秋の休日だった。明日からはまた、がっつり働こう。

竹下通り

今日も原宿の知人の事務所で編集作業。きわどかったスケジュールも、どうにか危険水域を脱したようだ。

一昨日から三日間、原宿駅から知人の事務所までの間を、僕は竹下通りを歩いて往復していた。ほかの道からだと、かなりの大回りになってしまうからだ。でなければ、好き好んで竹下通りに足を踏み入れたりはしない。

地球上の物質の中で、僕という人間を構成しているもの以外の元素を合成したら、竹下通りになるに違いない(笑)。僕にとっては、それくらいなじめない場所だ。あの甘ったるいクレープの匂いを嗅ぐたび、一刻も早く逃げ出したくなる。いつもいつも、ものすごい早足で通り抜けていた。

自分的に、竹下通りを一言で言い表すとしたらどんな言葉がふさわしいかと考えていたら、はたと思い当たった。

‥‥メンドクサイや、あそこは(笑)。